市内で打ち合わせをした後に、少しだけ北海道報徳社のオフィスを訪ねました。
こちらには知り合いの方がいて、年に一度くらいお訪ねをして情報交換をしているのです。
「最近、私も積極的に二宮尊徳の遺徳について講演をする機会があるんです」と言うと、「それは良いことですね。地道に活動を続けましょう」と誓いを新たにします。
すると、「そうだ、思い出しました。こんな話があったんですよ」と報徳にまつわるエピソードを教えてくれました。
「松沢さんと言う、今国会議員をされている方が神奈川県知事をされていた2008年に、彼は日系人ブラジル移住100周年記念としてブラジルを訪問しました。そして現地で日系移民の人たちから『私たちは報徳の精神でブラジル開拓をしてきた』と言われたのだそうです。そして、報徳の教えを広めるために、『ブラジルに二宮金次郎の銅像が欲しい』という願いが出されたのだそうです」
「へえ、そんなことが…」
「そこで松沢さんが、調べてもらったところ、小田原の報徳博物館に、廃校になった小学校から寄贈された二体の二宮金次郎の銅像があったんですって。それで一体をブラジルに送ろうという事になりました」
「なるほど」
「しかし当時の松沢さんはそれを県の予算で簡単に送ってしまうのではなくて、県民その他からの寄付を募って贈ろうというプロジェクトを立ち上げました。結果として8百万円以上の寄付が集まって、一体の二宮尊徳の銅像がサンパウロに送られたのだそうですよ」
「古き良き日本は、もう日本の本国ではなく、そこから離れたところでこそ息づいているのでしょうか」
このときのプロジェクトの様子は、今も神奈川県のホームページに報告書として掲載されています。
そこには、日系ブラジル人たちがどのような教育を受けて来たのかなどが記事になっています。
二宮尊徳の報徳思想は、国を超えて、地域を発展させる精神的支柱になりうるのですね。
混迷の日本を救う究極の東洋思想です。
【「二宮金次郎像、ブラジルに渡る」プロジェクト 報告書】
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/27365.pdf
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