北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

表現者としての期待

2007-02-08 23:22:54 | Weblog
 昨日の猛吹雪から一転して今日は好転。でもここ数日気温の低い日が続くようです。
 雪まつりのためにはそのほうが良さそうですが。

【表現者としての期待】
 宮崎県知事にそのまんま東さんが当選。新知事は連日テレビでも注目されて、宮崎県の宣伝マンとして相当な効果を県にもたらしています。

 保守系候補を一本化出来ずに割れてしまい、官僚出身の候補が二人立候補したためという見方もありますが、それなりの県民が投票をした結果として、今後の宮崎県の行く末に注目が集まっています。

 そのまんま東さんはビートたけしの弟子集団、たけし軍団のリーダー格としてテレビに露出していましたから、そういう面では知名度は他の候補よりはあったのでしょう。

 そのまんま東さんはジャンルとすれば「お笑い出身」と言っても良いと思いますが、最近ではドランクドラゴンの塚地さんが映画「間宮兄弟」で第30回日本アカデミー賞新人俳優賞を取るなど俳優としても評価が高まりました。

 また劇団ひとりさんも、小説『陰日向に咲く』(かげひなたにさく)が高い評価を得ています。

 伝統的にお笑い芸人が、お笑い分野以外で活躍するということはよくあったことで、故青島幸男さんや西川きよしさん、横山ノックさんなど政治家として転身した人はそれなりに多いのです。

 心理学に「ハロー効果」というのがあります。Wikipediaで引いてみました。

 **Wikipediaから『ハロー効果』**
 ハロー効果(-こうか、Halo effect)とは、心理的効果の一つ。ある対象を評価をする時に、顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象の事。認知バイアスの一種である。一般にポジティブな方向への歪みを指す事が多いが、ネガティブな方向へのハロー効果も存在する。ハローとは、「後光が差す」と言う時の後光、聖像の光背や光輪の事で、別名、後光効果、光背効果とも呼ばれる。
 * * * * * * * * * * *

 要は、何かで成功した人が、他の分野でも能力があるだろうと思う心理のことで、後光が差すことになぞらえたことはおもしろいものです。

 最近のお笑い芸人さんの活躍は、もちろんハロー効果だけではなく本人の資質によるところも大きいのでしょうが、お笑い芸人として活躍することで鍛えられていることは明らかに表現者としての能力です。

 一つのことをいかに面白く伝えるのか、ということに苦労して表現者としての能力を高めた結果、今日に多くの人たちにそのことが評価されていると見るべきでしょう。

 政治にはもちろん政治力が必要ですが、同じくらい大衆への表現力が必要です。

 政治力をどれだけもっているかは見えにくいものですが、表現力があるかどうかは見えやすいものです。

 政治家も、政治力を鍛えるのと同じくらい表現能力にもっと磨きをかけなくては世の中を渡れない時代になったと見るべきなのではないでしょうか。

 それはおそらく役人の世界も同じ。適切な表現というのは、間違えないことを無難に言うだけではなく、いかに分かりやすく伝えるか、ということまでも期待されているのです。

 大変な時代になったものですが、そういう能力のある人がどんどん出てくる時代になったとも言えそうです。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さっぽろ雪まつり

2007-02-07 23:00:59 | Weblog
 朝から大雪の吹雪。昨日からの雪まつりも大変そうです。

【進む国際化】
 ちょっと出歩いたすすきのでは氷祭りが行われていました。

 さまざまな国の言葉が聞かれて、国際化がとみに進んでいる様子が伺えます。

 駅を歩いていても、台湾語か中国語とおぼしき声や韓国語で話す少人数グループも見かけます。

 まちの看板は英語表記が進みつつあります。一時は看板類の多国語化をもっと進めるべきだ、という声もありましたが、最近ではあまり多くの情報を小さな看板に詰めても効果はない、逆に英語があれば大概大丈夫、という意見が強くなりつつあるようです。

 まちへ出て、国際化をその肌で感じると語学を勉強したくなるのですが、やがてそれもいつの間にか薄れることの繰り返しです。

 日々こつこつと積み上げるというのは難しいものですね。

 札幌雪まつりは12日までです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

稚内の観光事情

2007-02-06 23:06:19 | Weblog
 昨夜は稚内に泊まって、夜遅くまで地元の人達のお話を聞かせてもらいました。

 せっかく来たのですから、いろいろな人と会えて楽しく、嬉しかったです。

【稚内の観光】
 朝一番で、地元のシーニックバイウェイ宗谷で活躍している皆さんのお話を伺いました。

 昨年4月に認定を受けたシーニックバイウェイ宗谷の大きな特徴は、利尻島、礼文島も一緒に活動の連携をしているところです。道には海の道もあるのです。

 昨年一年活動をしてみての感想は、やはりそれまでは非常に希薄だった利尻、礼文との連携が強化されたことだと言います。
 
 それまでは地元の既存の観光連盟の活動も形骸化しつつあり、何か新しい脱皮を図らなくてはならなかったようですが、そこへ登場したのがシーニックバイウェイという地域運動。

 しかしこれで連携をしようという声掛けを始めた頃はなかなか理解が得られなかったそう。やがていろいろな相談に際して地元の開発建設部の職員の姿が見えて、少しずつ信頼と共感を得ていったのだそうで、お金はなくても地域を勇気づけられるというお話し。

 昨年は、シーニックバイウェイの延長で各市町村の役場や首長さん達にも最新の情報が伝わり、意思疎通がしやすくなったとか、国土交通省の幹部や大学の先生達が稚内を訪れてくれて、随分人脈も広がったようです。

 また、利尻島と礼文島ではそれぞれ島内一週マラソンというイベントが開かれているのですが、それまではお互いに日程調整などしたこともなく、同じ日に開催ということもあったのだそうです。

 それが今年からは日程をずらして両方参加できるようにもしようということになったとか。連携の結果、こうした地道な実績が積み上がってきているようです。

「北海道の銘菓『白い恋人』のパッケージに利尻富士が使われているって知っていましたか?」
「ええ?それは知りませんでした」

「今度よく見て下さいよ。それが縁で、石家製菓さんにもスポンサーになってもらえたんですよ。いろいろとやってみるものです」


    ※    ※    ※    ※

 やがて話題は、地域の観光の現状に移りました。最近のイメージとして、観光客はやはり団体がまだ多いといいながら、団体の構成人数が減ってきている印象なのだとか。それまでは1団体が約40人くらいでしたが、最近は20~30人くらいになったという印象なのだとか。

 しかしそれでもまだ団体旅行が多いというのは、ここまでやってくるのには団体を対象にした格安航空運賃制度(IIT)が有効に機能していることが大きいようです。

「稚内まで来ようと思うと、やっぱり遠いんですよ。東京で活躍されているある方などは、『一度来ようと思って五回挑戦したけれど、その度に来れなかった』と言っていました」とのこと。

 飛行場はあるものの、稚内空港は欠航率が非常に高く安定性が小さいのが悩みの種なのです。飛行機はしばしば着陸できずに、旭川空港に代替え着陸するのだそうです。パイロットにも相当の経験と腕前を要求するのが稚内空港なのです。

 しかしそのために、旅に余計な時間や料金が掛かったり予定が狂ってしまうというのがこの地域への旅行を思いとどまらせる要因だとすると、なにか解決策を講じたいところです。

「小樽の人から聞きましたが、小樽に着いた内地のレンタカー旅行者が、『これから車で稚内まで行ってみたいのですが、どれくらいありますか』と訊かれて、『350kmですよ』と応えると、もう半分諦めてしまうのだそうです」
「なぜでしょう」

「内地の人の感覚では、車での移動は一時間に30kmくらいという相場観があって、北海道の人はもっと飛ばしますよと言っても、それが伝わらないし、第一、速度制限を無視しなさい、なんて無理は言えませんよね」
「なるほど」

「さらに『高速道路はありましたっけ?』と訊いてくる人もいるらしいのですが『途中までしかありません』というと、もうそれで行き着く時間が計算できないんですね。交通量がすくないとか、夏は広い道路を飛ばしているんだろう、という内地の人達の声は分かりますが、高速道路のあるなしや旅の時間を約束するということが、旅行者にとっては大きな意味のあることなんですね。これからは個人旅行も増えるでしょうけれど、いろいろな意味でアクセス性ということが地域にとっては大事なことなんですよ」

 今日なお、距離というハンディを背負った地域が、それに打ちひしがれずに、負けないために、国も地域も、住民一人ひとりも、自分たちには何ができるのかをもう一度じっくり考えて、こういう地域の声を外に向かって発信して行かなくてはなりませんね。

    ※    ※    ※    ※

 打ち合わせが終わって、帰るまでの時間を利用して、稚内からほど近い抜海漁港でアザラシの群れが見られるというので行ってきました。

 ここには港湾の施工業者と稚内観光協会が協力して、この時期観察小屋を提供してくれてアザラシ見物がしやすくなっているのです。

 漁港につくと、なるほどいるわいるわ、港の中を浮いたり沈んだりするものもいれば、浅瀬で寝そべっているのもいます。

 観察小屋には管理委託されている男性がいて、いろいろと話を伺いました。

 曰く、今はざっと250頭ほどのアザラシがいますが、年々増えており、また見物の人間との距離が近づいているとのこと。

 地元の漁師も、漁業被害額を特定できないものの、餌として相当の魚類が食べられているはずで、問題だと思い始めている。

 アザラシは、昔はアイヌの人達が狩猟の対象にしていたくらいで保護獣ではないものの、狩猟する人もいないしメリットも少ないのでだれも手を出さない状況。

 観光客も、あまり数が多いと希少価値を感じないのか滞在時間が短いもので、数が50頭くらいだと探しながら割と長く見ているのだそうです。

 バスでのツアーの立ち寄りポイントとしては認識されてきたので、結構な数のバスが立ち寄るのですが、これを上手にビジネスの対象とするような活動はまだないようで、ちょっと残念です。

 しかしいずれ漁業との共存を図る上では、人間の側から生態を管理する動きが必要になるのかも知れません。

 日本人は、保護の必要を感じると当たらず触らず、増えすぎても放ったらかしになり、逆に狩猟することにメリットを感じると、今度は絶滅近くまで捕りすぎるという、ヒステリックな行動を取りがちです。

 冷静で理性的な共存を図るためにも、科学的なデータを積み上げて行く必要がありそうです。
観光にもいろいろな側面があるのですね。
 
 ひさびさの稚内でしたが、日中は風も穏やかで道路の雪が溶けてぐちゃぐちゃの状態。とても真冬とは思えませんでしたが、いろいろな人に会えると心が温かくなります。

 またいつか来ますよ。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

がんばれ稚内

2007-02-05 23:04:38 | Weblog
 今日から明日にかけては幼いときの思い出深い稚内への出張です。

【がんばれ稚内!】
 特急オホーツクに乗って約5時間の汽車の旅です。

 車中では本も読めますが、ほんわか気持ちが良くなって、うとうとと眠ってしまいます。これがまた気持ちが良いのですが。

 稚内に到着するとまずは稚内市役所へ表敬訪問。横田市長さんも貴重な時間を相手して下さって、最近の稚内での話題について伺うことができました。

 こちらからは、まず次期北海道総合計画に向けた中間とりまとめへのパブリックコメントにご協力頂いたお礼を伝えました。

 宗谷地方からは人口の割に多くのご意見をいただいたのですが、こういうときにこそ地域の意見を大いに伝えて頂くことができて良かったと思います。

    ※    ※    ※    ※

 まず市長さんの口から出たのは、建設業の業態転換の話題。公共事業が減って行く中で建設以外の仕事にも挑戦をして行かなくては地域の経済が行き詰まってしまいます。

 ある建設会社さんでは、農地を借りて蕎麦づくりを始めたのだそうです。これは個人的にも応援をしたいところですね。ぜひ一度粉をいただきたいものです。

 また、漁協関係では中国までナマコの養殖の技術を勉強に行ったのだとか。ナマコは宗谷地方のものがブランド化されていて、結構な収益を上げているのですが、水が冷たいためになかなか大きくならないのが難点。

 そこで中国の養殖技術を学んで、少しでも早く大きくなるような取り組みを始めたそうですよ。

「中国と日本ではナマコの種類が微妙に違うらしいのですが、そういう取り組みを始めたという前向きな姿勢が良いでしょう。ナマコの水揚げは、稚内が年間800トンでダントツ1位、第2位が300トンということですから、作れば売れるというのは分かっているんですよ。こういうのが育って行けばよいのですが」

「昆布だって良いのがありますよね。私は高校生のときにこちらに里帰りしては、夏休みに昆布干しのアルバイトをしました」
「そうそう、その昆布にも面白い話があるんです。こちらの昆布は採れたらすぐに関西の業者さんに買われてゆくんですけど、これを関西の業者さんは倉庫に入れて、それなりのノウハウがあるのでしょうが、2、3年の間寝かすのだそうですよ」

「それは初耳です」
「でしょう、でもそうすると昆布が熟成するのでしょうか、採れた出汁の透明度が増すといって、付加価値がぐんとつくんだそうですよ」

「それは実にお手軽な付加価値のつけかたですね。漁協の皆さんもやるとよいですね」
「しかし、3年間も寝かすとなるとその間の収入が入ってきませんからね。場所も取るし、難しいのかなあ」

 北海道では、良いものが穫れているのですから、付加価値をつけるノウハウと自らの根性が頼みの綱と言えるでしょう。がんばれ稚内!ですね

    ※    ※    ※    ※

 その後は今地元で整備中の「第一副港開発」の現場を見せて頂きました。

 ここは、稚内駅から400mほど離れたところで建設が進められている、集客施設で、「港・水産・観光」をキーワードとして、まちなかの賑わいの回復や地場産業を活性化しようというねらいをもった建物なのです。

 昨年、この敷地内で石造りの倉庫を改築して琉球ガラスをアレンジした「北緯45度北のガラス館」をオープンさせましたが、今年の4月末にはこれと連動して、温泉、レストラン、物販、展示ギャラリー、屋台コーナーなどがお目見えすることになります。

 稚内の中心部では商店街も疲弊していて、旅行者が宿泊しても滞在して時間を過ごせる施設がないというのが悩みの種でしたが、これが賑やかなまちなかへのきっかけになると大きな期待が寄せられます。

 稚内駅周辺の再開発計画も進んでいます。

 まちの面目を一新する動きが始まっています。がんばれ稚内! 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「鳥の声」のわけ

2007-02-04 23:32:42 | Weblog
 実は夕べは旭川で友人達と一杯飲んで夜は娘の家に泊めてもらいました。

 友人6人と飲んで酔っぱらっていろいろな経験談を聞かせてもらい、笑って笑って、涙が出るほど。

 いやぁ、みんなスゴイ経験をしているんだなあ。私なんぞ本当に子供みたいなもんです、はい。

【積年の疑問】
 お昼に大学が春休みになった娘を乗せて旭川を出発。昨日旭川に向かって走っていたときは乾いたアスファルトが出ていた路面も、昨夜来の雪でテカテカ、ツルツル。

 高速道路も通行止めになったくらいで、札幌までの途中には何カ所か、暴風雪が吹き荒れるところがあるのです。こういう極限にいたって初めて防雪フェンスのありがたみが分かります。

 急ぐトラックに抜かされたりすると、雪を巻き上げるので10mくらい前の車も見えなくなるときがあります。内地からの視察はこういうときに来て欲しいものです。

    ※    ※    ※    ※

 昼にFMラジオをつけていたら、ユーミンこと松任谷由実さんの番組が始まりました。

 ラヴソング特集のコーナーで、私の世代には懐かしい、ミニ・リパートンの「Loving you」が流れました。

 曲を聴きながら、「この曲って、レコードのジャケットに『鳥の声入り』って書いてあったんだよ」という話をしました。
「え~? あ、本当だ。どうして?」
「それがいまだに分からないんだ、昔からずっと不思議に思っていたんだけど、謎だな」 

 …そんな会話をしていると、ラジオからユーミンが、

「…この曲は、ミニ・リパートンが自宅の庭で子供達の子守歌として歌って聞かせていたんだそうですよ。それで、レコーディングのときに伴奏をつけて歌ってみたんだけれど、何度やってもどうしてもしっくりこなかったんですって」

「…そこでなぜだろうと考えてハタと、庭で子供達に歌っていたときには木の上で鳥の声が聞こえていたのが良かったのだ、ということに気づいたんだそうですよ。それでレコーディングに際しては鳥の声を入れたんだそうですよ…」とまさに私の積年の疑問が聞こえたかのような説明をしてくれたのでした。

 そうか!庭で歌った子守歌を再現するために鳥の声を入れたのでしたか!

 ミニ・リパートンは、7オクターブもの音域を持つシンガーとして有名で、この曲も大ヒットしたのですが、惜しくも若くして亡くなったのでした。

 長年の謎がこれで解けました。喉につかえていたものが一つ取れた思いでした。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

節分には蕎麦?

2007-02-03 23:21:50 | 蕎麦打ち
 今日は節分。明日は立春です。もう春かぁ。

【茹で加減】
 節分をみんなでつくるフリー百科事典Wikipediaで引いてみました。

 **Wikipediaから『節分』**
 節分(せつぶん)は、各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のこと。節分とは「季節を分ける」ことをも意味している。江戸時代以降は特に、立春の前日(2月3日ごろ)のことを指す場合が多い。
 * * * * * * * *
 
 最近は、恵方巻という太巻きを食べるのが流行っているというので、これもWikipediaで見てみると・・・

 **Wikipediaから『恵方巻き』**
 恵方巻
 節分に食べる太巻き寿司のこと。節分の夜にその年の恵方(歳徳神の在する方位)に向かって、太巻き寿司をまるかぶりする。

 恵方巻の起源は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて、大阪・船場の商人による商売繁盛の祈願事として始まったといわれる。昭和初期にも、大阪では節分の「丸かぶりずし」の広告ちらしが見られる。

 しかし戦後は一旦廃れ、1974年に大阪市で海苔店経営者等が節分のイベントで海苔巻きの早食い競争を始めたことや、1977年に大阪海苔問屋協同組合が道頓堀で行った海苔の販売促進行事で、復活した。
 * * * * * * * *

 へー、恵方巻って極最近になってから海苔業界が思いついたのだと思っていましたが、そうじゃないんですね。

 実際、午前中に近くのスーパーへ行ってみたら、季節の縁起物ということで、特設コーナーで山のようにして売っていました。こういうのを買う人って多いんだなあ。

   *    *    *    *

 その一方で、同じく縁起物のコーナーの片隅に、『節分には蕎麦を食べたのです~節分蕎麦』などとして、お蕎麦も売っていました。

 これまた調べてみると、旧暦の年の初めは立春だったので、その前日はいわば大晦日。そこで年越し蕎麦というものは本来、節分に食べるものだったということのようです。

 我々が日本を知るには、時代としてはずっと長かった旧暦のことを勉強する事が必要みたい。

 さて、「節分には蕎麦」といわれたのではもうたまりません。スーパーから帰って来ると早速一打ちして、手打ちの美味しい蕎麦を食べました。

 今日の粉も、Y製粉さんからいただいた「自宅で手軽に十割蕎麦が打てる」という触れ込みの粉500gパック。

 前回、私も十割蕎麦をやってみましたが、あまり口に合いませんでした。そこで今日は、十割で打てる粉500gに、小麦粉100gを足して二八に近くして打ちました。

 今日も今日とて、美味しい蕎麦の出来上がり。

   *    *    *    *

 生麺を茹でる時には、沸騰したお湯に入れて、麺が浮き上がってきてから一分ですくい上げるのが目安。

 そうやって盛り付けて、わが奥さんと二人で食べ始めると奥さんから一言、「ん・・・、固くない?」

「固くないだろ、丁度いいでしょ?」
「んー、もう十秒くらい茹でても良いかな」

「じ、十秒!? 茹でても五秒だろう」
「いや、十秒」「五秒」「十秒!」「五秒!」

 そこで二回目の蕎麦は1分十五秒で茹でてみました。

 答えは、二人して「・・・うーん、変わんないね」
 無駄な言い争いでした・・・。 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

五衰

2007-02-02 23:18:36 | Weblog
 やはり冬。だらだらと雪が降り始めました。まちなかは、雪まつりのための除雪を一生懸命していますよ。

 本日の夜十時からNHK教育の『ETV特集』で「にっぽんの地方を歩く」~宮本常一生誕百年 地方を見つめた民俗学者、が放映されますのでお知らせします。観られない方はビデオ録画をどうぞ。

【五衰】
 技術士という国家資格があります。

 これは科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画,研究,設計,分析,試験,評価又はこれらに関する指導の業務を行う者、ということになっていて、対象領域は科学領域のほぼ全般をカバーしており、機械、船舶、から建設、農業、水産、環境部門など、今では21の技術部門があります。

 私は建設部門に属しているのですが、この資格を持っている人たちの勉強会があって、私もときどき参加しています。

 今の話題は、地域のあり方やまちづくりの今後についてなにか提言ができないだろうか、ということです。

 特に北海道では人口減少が加速して行くので、そうした条件下でまちづくりがどのようになるのだろうか、ということについて意見交換をしているのです。

    *   *   *   * 

 例えば、地方自治体では下水道整備を行うのに、補助金をもらって、さらに起債という借金をしますが、使い始めるとこれを下水道使用料で償還して行くということになります。

 使っている以上、一定の期間を経た場合は管の交換なども含めて清掃などの維持管理を行いますが、これにも費用がかかります。

 会合の中である町における試算が示されました。そこでは仮に人口が今のままでずっと変わらないとすれば、今の下水道に関する借金は赤字なのだがその赤字の額も変わらずに推移する、しかし人口が減少すれば使用料金が減るので、維持管理費用をまかなうことができず赤字がどんどん増大して行く、というものでした。

 都市における下水道は、効率的かつ安定的に水を浄化するシステムとして考えていたのですが、そのシステムは人口減少によって将来維持出来なくなる可能性があるということはショックでした。

 町は生き物であって、盛んなときもあれば衰えるときもある。そういうことをひしひしと感じるようになりました。

    *   *   *   * 

 安岡正篤先生の本を読んでいたら、『木の五衰』という言葉が出てきました。樹木の衰える五つの形という意味です。

 その一つは「懐(ふところ)の蒸れ」。枝葉が茂ることで風通しが悪くなるということです。

 二つ目は「裾あがり」といって、根が浅くなること

 そうすると三つ目には「末(うら)止まり」といって成長が止まる。

 四つ目には「末枯(うらが)れ」が始まる。末というのは梢(木末~こずえ)のことで、木が先から枯れてくること。

 そして五つ目はさまざまな害虫がつく「虫食い」になる。

 私の樹木のことを多少は勉強しましたが、たしかにこういった諸症状は木の不健康な状態。

 そのうえで、こうした五つの衰えはたとえ話として人間形成にもつながり、まちづくりにも繋がるように思えるのです。

 まちも賑やかになることで目や心配りの行き届かない状態になることがあり(懐の蒸れ)、そこでまちづくりに対する深みや深遠なる天理が失われて行く(裾あがり)。

 やがて末端で物事がうまくいかなくなり(末止まり)、末端から縮小が始まる(末枯れ)。

 そうして弱ってしまったまちに、いろいろなしがらみがぶら下がってきて弱体化が進むというものです。

 これを防ぐには退潮を早い時期で察知し、枝葉を適切に剪定し(整理・休止・撤退)、根を健全にする(経営状態・人心の健全化)を図らなくてはなりますまい。

 「改革、改革」と口では言えるものの、その具体的な手法を見定める知識・見識と、実行する胆識を備えるのは容易ではありません。
 
 まちづくりのリーダーには力量が求められ、住民にも覚悟が必要です。

 まちも日々新たな『活物』なのです。 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

過ぎた時間を惜しむ

2007-02-01 23:30:38 | Weblog
 今日から二月。気分も新たに、お仕事に取り組みましょう。

【もったいない記録】
 北海道ではオートリゾートネットワーク構想として、本格的なオートキャンプ場を核とする複合的なレクリエーションを『オートリゾート』と呼び、これを全道的に整備・ネットワーク化を図ることで、高度化する車社会に対応した新しいリゾートづくりをしようという試みをしています。

 良質なオートキャンプ場を連携してアウトドアリゾートを推進することで、地域に住んでいる定住人口は増えなくても、交流人口を増やすことで経済活動も活発化することも期待されます。

 この活動ももう15年近くも続いていますが、私も初期の頃からこの運動に関わっています。個人的にもキャンプは大好きでしたので、仕事と趣味が両立出来る楽しい分野なのです。

 今日その関連の意見交換会があって、今日のキャンプ状況についていろいろな話をしました。

「十五年前から比べると、素晴らしいキャンプ場が格段に増えた」「なかなかキャンプ場が取れなくて苦労したけれど、面白かった」「いろいろな地域に行くよい機会になった」という肯定的な意見があります。 

 そしてその一方で「キャンプ場利用者が伸びる時代ではなくなった」「自治体のキャンプ場では経営の苦しいところも多く、管理費が削られてきている」「テントを張ることが楽しかった時代は終わったのかも知れない」といった、今日的な課題も聞かれます。

 オートキャンプ場で利用者の姿を見ていても、同じキャンプ場に3泊以上じっくりと泊まって周辺で楽しむ、というような人たちは少なくて、夜に来て慌ただしくテントを張ると翌朝にはもう撤収して次の場所へ向かうといったジプシーのようなキャンパーも多いのです。

 私たちが目指したようなゆったりと時間を過ごす形態というのはなかなか定着しないようです。

    *   *   *   * 

 オートキャンプ場の利用者がもう伸びなくなりつつあることは、スキー場の利用者が減っているということと同じ理由が考えられます。つまり、団塊の世代の年齢上昇と共にキャンプを楽しむ20~40代の男女の人口が減っているということです。

 そしてそれに伴って子供達の数も減っています。こうした利用者の母集団が少なくなっていることはいよいよさまざまな経済的局面で利用者の減少という形で現れてくることでしょう。

 逆に、団塊世代がリタイアするにつれて、この世代がどのようなアウトドアの楽しみ方をするかも注目されます。

 こうしたシルバー世代のキャンプは、新しいテントを買うことが嬉しかったものから、コテージでの利用を楽しむ形態へと変化してきます。しかしキャンプ場にはもうコテージを建設するような余力がなくなっているのかもしれません。

 キャンプを楽しむことにも新しい時代が訪れようとしている予感がします。

    *   *   *   * 

 意見交換の中で私は再度、キャンプログをつけるという文化を育てたいと主張しました。

 ログブックというのは、ダイビングや飛行機の操縦などの時にはほぼ義務的に、その日の活動を記録につけるというものです。

 これを行うことで、自分がどれだけ経験を積んでいるかということの証明にもなりますし、振り返ると楽しかった時間を思い出すこともできるのです。

 私は、今改めて、これまでの「ただただ消費される時間」から「積み重なってゆく時間」へ、という時間の使い方を見直す時期に来ていると感じるのです。

 キャンプもそうやって、わがファミリーの過ぎてきた時間を、キャンプ経験として記録することや楽しかったことや大変だったことなどを記録することで、家族の歴史と記憶をたどる記録として残すべき時間だと思うからです。

 そう思うときに、私自身、これまで家族と一体何泊キャンプをしたのだろうか、とか、そういえばいつどこに行ったのだったかなあ、ということを考えてしまいます。

 今ではもう取り返しのつかない時間を惜しみ、若い人たちでこれからキャンプを始めようという人たちへのアドバイスとして、「キャンプログブックをつけてはいかがですか」と薦めたいと思います

 過ぎ去った時間は取り戻せませんね。なにかもったいないような気がします。

 
《キャンプログブック初出》

2006-8-25
http://blog.goo.ne.jp/komamasa24goo/e/082e9095069bb540824b742130a7dd13
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする