北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

五悪と五善

2007-02-22 23:16:56 | 古典から
 暖気が入って道路は水浸しです。おまけに雪が厚く積もったところは固まって氷になってツルツル滑るのです。2月にしては早い暖気です。

【五悪と五善】
 馬上、枕上、厠上(ばじょう、ちんじょう、しじょう)は、考え事をするのに良いところと言われていますが、読書にもぴったり。

 私の場合は夜眠気が差すまで本を読みます。くらっと気を失いかけたところで本を閉じて目を閉じると、1~2分で眠りにつくことができます。寝付きがよいのだけは自慢です。

 安岡正篤先生の「一日一言」という本を読んでいたら、「五悪」という言葉が出てきました。

 「荀子」という書物の中にある言葉なのだそうですが、五悪とは、
①仕事が良くできて、心険しいもの
②行が偏向して、しかも頑固なもの
③言うことが実は偽で、しかも口が達者なもの
④くだらぬことばかり覚えて、しかも博識であるもの
⑤悪い勢力について、しかも良く恩を売るもの

 とありました。

 仕事が良くできる、口が達者(弁が立つ)、博識、良く恩を売るなどというのは、一見すると良い評価にもつながりそうなものです。

 しかしそれらは一つに軸のうえで考えるとそう見えるのですが、水平な軸に垂直な軸を加えて別な評価を重ねて眺めてみると、違った様相が見えて来るということなのでしょう。

 仕事ができる~できないという軸を横に引いて、心が優しい~険しいという軸を縦に引いてみると、仕事の軸に心が加わった人間の評価位置が示されます。

 五悪を見て、「いるいる、そういう人が」という風に他人を評価するのではなく、常に我が身を省みて、自分がそうなってはいないかということの判断の基準にしたいものです。

 「一日一言」には「五美」という項目もありました。曰く、
①人を恵んで厭味(いやみ)なく
②労して怨(うら)みず
③欲して貪らず
④泰(ゆたか)で驕(おご)らず
⑤威あって猛からず

 人間できることならこうありたいと願う姿です。
 
コメント
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