北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

誕生日はキャンプ場で祝いました

2016-09-19 23:23:58 | Weblog

 

 18日から19日にかけての58回目の誕生日は、瀬棚町のキャンプ場で迎えました。

 真駒内ダムの直下にある真駒内ダム公園のキャンプ場ですが、以前から静かで人も少なく、しかもすぐ裏には魚の釣れる川があるという事で、(一度キャンプをしてみたい)と思っていながら果たせずにいたものです。

 ちまちました焼肉はやめて、大きなステーキを一枚焼いて大満足。就寝はシュラフを持ち込んで車中泊でOKです。

 そろそろ冷えてくるのでスクリーンテントはあった方が良いですが、設営に時間をかけずにキャンプを楽しめるスタイルにだんだん変化してきました。

 夫婦二人だけだったらいろいろなことが適当でよくなるので楽なのです。キャンプスタイルもずいぶん変わってきました。


          ◆   


 今日は朝から瀬棚町近傍の川へ入って渓流釣り。ニジマス、ヤマベ、イワナと代表的な渓魚三種類がそろい踏みしてくれました。

 シーズンオフも近いかな。

 
 さて、今日が誕生日という事で多くの方々からお祝いのメッセージを頂きました。この場をお借りして改めてお礼申し上げます。

 これからも健康に留意しつつ、知らないことを知る旅を続けますので今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

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釣ったらすぐに天ぷらに~小樽港でハゼ釣り

2016-09-18 23:48:48 | Weblog

 土曜日に、小樽港の?岸壁集合でハゼ釣りに行きました。

 ハゼはこれまで釣ったことが無かったのですが、釣具屋さんにはハゼ釣り用の仕掛けがたくさん売られていて自前の釣竿に合うものをゲット。餌はイソメというミミズに足が生えたようなものを使うのですが、そうそう何度もいかないので、今回はイソメを塩漬けにした「塩イソメ」でチャレンジです。

 朝9時に岸壁に到着すると、すでに仲間たちが先に場所をっておいてくれてそこでさっそく仕掛けをつけてハゼ釣り開始。「今日は激シブ(全くつれません)ですよ~」と言われながら海に向かって投げ入れますが、案の定反応はほとんどなし。

 仲間は少しは釣れていますが、反応が良いわけではありません。すると「小松さん、移動しましょう」とに声がかかりました。

 今まで釣れていた感じの場所にいた人が帰って行き、そこが空いたのでそちらでやりましょう、ということ。釣りはポイントで成否が決まるのです。

 新しいポイントで、新しい気持ちで勇躍ハゼ釣りを再開しましたが…やはりしょぼい。私の竿には一向に当たりが来ません。


  【あまりの釣れなさに意気消沈】

 すると隣でやっていたYさんが次第に釣れるようになってきました。「お?お?引いてますね~」と言いながら、20センチくらいのそこそこのハゼをポンポン釣り始めます。

 ところがこちらは竿先を眺めていても一向に振れる気配がありません。「んー…」と悩むこと小一時間、ようやくちょっとした当たりがあって、「今度こそ」とリールを巻いてゆくと…「おー、釣れてる!」
 しかしサイズは薬指ほどの、とても食べられるようなしろものではありません。まあボウズ脱出記念にとバケツに入れておきましたがかわいそうなくらいです。


   【小物選手権優勝ハゼ】

 その後もややしばらく当たりなし。(また餌をとられてダメかな…)と何気なく巻き戻した先に、おー、かかってる!しかも今回は前回よりもさらに小さくて小指ほどの大きさ。それでもハゼはハゼで、ギョロメがちゃんとついてます(笑)。

 さすがに取るのは写真だけにして海に返してあげましたが、お隣からは「小物選手権では小松さんがワン・ツーで圧勝ですね(爆)と笑われる始末。小物しか釣れないトラウマになりそうです。

 その後ようやく20センチクラスを一匹あげましたが、今日のハゼ釣りの釣果は以上!厳しいデビュー戦となりました。


    ◆


 さて、仲間と行く海釣りの醍醐味はここからです。釣りから山菜取りから料理までなんでもこなす万能選手のTさんが、我々が釣りに興じている最中から天ぷらにするためのハゼの下ごしらえに取り掛かってくれました。

 新しい油に、天ぷら粉の代わりにそば粉を練った衣で揚げたハゼの天ぷらは柔らかくて格別。釣ったばかりの新鮮さに加えて、海の潮風を浴びながら友人たちとの楽しい会話で盛り上がりながらの時間は最高です。

 釣りの最中に、フライパンの手入れにやってきた友人もいて、出来上がったフライパンでさっとハムとウィンナーを焼いてくれるとこれまた野外ならうまさも格別。北海道がリゾートだと思うなあ。

 
 小物選手権優勝者の私は、一匹釣って提供し、五匹も食べました。コスパ最高(笑)

 

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小樽の歴史が残した東日本最高の能楽堂

2016-09-17 23:46:46 | Weblog

 

 今日は都市計画学会北海道支部の都市・地域セミナー。

 テーマは「文化遺産を活用した"イベントとまちづくり"」として、今回は小樽市で旧岡崎能楽堂という文化遺産を活用しながらまちづくりに貢献する活動を続けている、「旧岡崎家能舞台を生かす会」会長の三ツ江匡弘さんと、小樽商科大学ビジネススクールの内田純一先生をお迎えしての討論会といたしました。

 かつて一度だけ小樽市民会館へ来たことがあって、そのついでに小樽市公会堂を見学し能楽堂も見たことがありました。

 しかし今回は三ツ江さんにじっくりと建物の説明やその歴史などをうかがうことができてとても有意義な時間となりました。

 旧岡崎家能楽堂とはその名のとおり、岡崎さんと言う方が資材を投じて作った能楽堂で、ご本人が亡くなられた後に小樽市に寄贈され、現在の場所に移築されたものです。

 この能舞台は、格式に乗っ取ろうということで、江戸時代末期に整えられた能の格式のなかでも大名屋敷に作られる最上級の格式でつくられました。
 
 その片鱗は、入母屋造りだとか使用されている木材が佐渡から取り寄せた甚大過ぎであることなど、様々に表れています。

 能舞台の特色は何でしょうか。それは一見すると廊下付きの舞台なのですが、実は足拍子を踏むとこれは打楽器にもなります。それば偶然ではなく建築的には敢えて音をしっかり出すためのきゃしゃな構造にしています。またさらにいい音をするために、直径60センチで高さ1メートルのツボがこの下に置かれているのだそう。
 世界の建築を見ても「音を鳴らせる建築」なんて他にあるでしょうか。

 そして極め付きは舞台の奥に描かれている老松の絵。
 老松は狩野家によることとされていたのですが、そのために京都まで行って狩野家の末裔を探し小樽で描かせたということです。三ツ江さんは、「ひいきめでなくこの老松は全国の能舞台の背景の松と見比べても素晴らしいと思う」と賛辞を惜しみません。

 三ツ江さんはもともとは建築関係の技術者なのですが、能楽堂に関わってしまい、「もっと能のことを知らなくては」という気持ちになり、ついには能の師匠について能をならい始めました。今ではシテ方宝生流教授嘱託として後進の指導にもあたるようになりました。

 三ツ江さんは「自分は建築専門家としてこの能の世界に入ったのだが、『能が大きな団体なんでしょ』といわれるが、そうではなくて、この組織は歴史的建造物を再生する取り組みの団体なのです」と言います。「建物は使わなくては駄目だと思うし、良いものを見る目を養うことが必要。そうした活動が建築業界の価値を高めることにもつながると思う」と活動の趣旨を説明してくれました。

 また、まちづくりの視点からは、今では観光の中心エリアとなっている海辺のエリアと、山の手の歴史的建造物集積地の間の結びつきを強化して回遊性を強化したいという願いもあります。これらの途中には疲弊した商店街があるが、回遊性を強化することで商店街を活性化させられないか、という希望もあります。

 まちづくり活動として能楽堂があることの意味は四つあると言い、それは①教育、②文化継承、③観光発展、④建築という四分野の側面で考えると、小樽にこの能楽堂が残されたことは大きな財産です。

          ◆ 
 
 かつての豪商の力で小樽市に高い水準の能楽堂が残されたそのことは小樽にとっての財産ですが、それはしっかりと保存し利用し、市民の財産として市民とともにあるような形で残されなくてはいけません。

 三ツ江さんは能の創始者である世阿弥(ぜあみ)をもじって、能を伝える出前講座として「ゼアミナール」という有料での活動もしています。

「単なるボランティアで続かない団体を数多く見ています。だから私はこの建物を保全するためのしっかりした経済基盤も必要だと思っています」

 少しでも多くの市民にこの思いが共感されて、市民とともにある財産として小樽の発展につながることを願います。

 改めて歴史を背景にする小樽市の懐の深さを知ることができました。 
 

 

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何事もおっくうになる前に

2016-09-16 23:09:21 | Weblog

 

知人がオフィスを訪ねてきて、道内の災害の話しになりました。

 彼は十勝に親戚がいるのですが、「国道274号が不通になったけれど、高速道路の道東道が開通していて本当に良かった」と、物流・人流を支えている高速道路への賛辞を惜しみません。

 JRも石勝線が不通となっている今、道東と道央の行き来は高速道路が中心的な役割を果たしています。

「でもねえ…」と彼。

「やっぱりJRでないと移動できない人たちもいるんですよ」
「ええ?混んでいるかもしれませんが、都市間高速バスに代わりに担ってもらえばよいのではありませんか?」

「実は、もうすぐ札幌で私の母の法事があるんです。そこで十勝にいる親戚に案内を出したのですが、『JRが通っていないので行かれんわ』ということで来ない親戚が増えました」
「バスは…?」

「親戚といってももう年寄りが多いので、駅まで来てほいっと乗れば札幌まで来てくれるということには慣れているのですが、事前に予約してターミナルで高速バスに乗って…、ということにはもうやりこなすことが難しいんですね」
「ははあ」

「人間は歳をとる、老化してくると、新しいことにチャレンジしても成果が得られないか、チャレンジそのものが難しくなっていきます。移動手段もそんなことの一つなので、それまで慣れた方法を変えようということが難しくなるんだと思います」

 年寄りの気持ちは若い人にはわからないのでしょうね。

          ◆  

 確かに私自身も歳を取ると、黙っていては新しいことにチャレンジする気持ちが失せていく気がします。

 携帯電話をスマホにしたり、新しいアプリを入れたり、新しい飲み屋さんを開拓するのでも、とにかく新しいことを覚えるのが面倒くさくて脳にとっては大仕事に感じます。

 まして歳を取ってから新しい趣味を始めるなんてもう無理ですし時間の無駄なのかもしれません。

「リタイアしたら新しい趣味を見つけますよ」なんて悠長なことを言っていたらあっという間にそういうことが面倒くさく感じるステージに入ってしまいます。

 何事も早めに初めて早く慣れておいた方がよいという事がありそうです。

 楽をしたい思いに満ち満ちている脳は、どんどんいじめてもっともっと働かせましょう。鍛えるほど働けるようになるのが脳の良いところでもありますからね。

 

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中秋の名月は三つある

2016-09-15 23:44:24 | Weblog

 

 今日は中秋の名月ということで、札幌では丸い月が空に浮かんでいるのがくっきりと見えます。

 もっとも少し乱視と老眼の入った私の目には丸いはずの月が三重・四重に膨らんで見えます。

「小松さんは眼鏡をかけないのですか?」と訊かれます。普段はまず使わずに過ごしているのでそう訊かれますが、免許更新ができないといけないので一応は遠近両用を持っています。

 幸いなことに先日の免許更新も目を細めてギリギリで裸眼でのパスしました。かけ慣れない身としてはできるだけ使わないようにしたいとまだ思っています。

          ◆ 

 しかしどうしても眼鏡を使わざるを得ないシーンもあります。それは釣りの最中にフライの釣り針の穴に細い糸を通すとき。

 何とかなるときも多いのですが、なんどやってもダメなときは、百円ショップで買ったケース付きの老眼鏡をかけます。これがまた「こんなにはっきり見えるのか」と驚くくらいによく見えて、糸を通すのもばっちり。

 近くを見るときは困ることがありますが、遠くの時はそれほど困らない生活。目を鍛えようとブルーベリーを食べたり、ポリフェノールの入った赤ワインが良いと聞きますがどうなんでしょうね。

 変なサプリにははまらないようにしたいものですが、さていつまで中秋の名月を楽しめることでしょう。

 

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サイクルツーリズムを促進するもの、阻むもの

2016-09-14 23:55:09 | Weblog

 静岡県からお客さんが来て意見交換をしました。テーマは「自転車ツアーで北海道のサイクリストを静岡に来てほしい」というもの。

 北海道には冬があるので、その期間に雪のない静岡で自転車に乗ってもらうためにはどういうことが必要でしょうか。

 静岡県の真ん中に「富士山静岡空港」ができて、掛川に縁のある私としては掛川がずいぶん近くなった思いがしたものですが、利用状況はどうでしょうか。

「昨年なんか中国からのお客さんが建物からあふれかえっていたことを覚えていますけど」そう話すのは、一緒に意見交換に参加してくれたHさん。彼は自転車大好きで、自転車による北海道振興をいろいろと仕掛けているだけでなく、掛川ともつながりが深く、北海道と掛川相互の交流にも関わっています。
 そういう意味では静岡と北海道をよく知っている二人で、静岡の盛り上げに協力をしようというのです。

「LCC(低価格航空会社)が中国各地と静岡空港を結ぶ路線を開設してくれた当初は良かったのですが、その後に羽田や成田が発着枠を拡大すると、撤退も簡単にしたので、今は落ち着きました」とは県庁の文化観光部の方。

 ゴルフ愛好家の中にはまさに静岡空港を利用して御前崎や掛川でゴルフを楽しむひとが次第に増えてきているようですが、サイクリングでそのような動きはまだ顕著には表れていません。

「今は自転車愛好家がどんどん増えてはいて、地域で自転車でのロングトレイルやヒルクライムなどのイベントを開催したら、数百人は簡単に集まる時代にはなりました。しかし単発のイベントへの参加が中心で、安定的な需要にはつながっていませんね」とHさん。

 単純にマス(大衆)を相手にして、一見でもいいからとにかく来てほしいという姿勢に対して、掛川はより「繋がり」を大切にして、「あなたに会いに来た」「あなたに呼ばれたから来たよ」という交流を指向しているように見えます。
 そしてそれがレジャーや趣味のつながりから物の交流、そしてビジネスにつながる可能性を地道に模索しているのが掛川のスタイル。私は後者を支持します。


          ◆ 


 「同じように旅行先で楽しむにしても、ゴルフとサイクリングでは道具、つまりゴルフバッグと自転車を運ぶその手間に差があるかもしれない」とHさん。

「ゴルフは、ゴルフ宅急便に代表されるように道具の持ち運びを安価に行える物流システムが完成しているのに対して、自転車を飛行機で運ぶのにはまだハードルが高いですね。ANAさんくらいになるともう慣れて丁寧な対応をしてくれますが、LCCではまだぞんざいな扱いで、高い自転車だと心配になりますし(笑)」

 
 "サイクルツーリズム"というとわかったような気になりますが、日本のサイクリストたちの多くは長距離をガンガン走りたい人が多く、"サイクルスポーツ"の方が近いようにも感じます。

 それほどスピードを出さず距離も走らずに、地域の歴史や風景、観光ポイントを丁寧に巡り語ってくれる、そんな町巡り的なサイクルツーリズムはこれから伸びそうな分野であることに間違いはありません。

 地道にガイドの育成や観光ポイントの磨き上げなどの受け皿をつくることを先行しておくと、それをやっている地域の強みがいつか発揮されそうです。

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小さな窓から見る蕎麦打ちの大きな海

2016-09-13 23:18:47 | Weblog

 秋は新蕎麦の季節。この時期になると、全道各地で蕎麦をふるまうイベントが毎週末のように行われます。

 先週末も岩見沢での新蕎麦イベントに参加してきましたが、私は蕎麦を打つことはありませんでした。

 そもそも蕎麦を食べてもらうイベントですから、手打ちの生蕎麦があることはもちろんですが、それを食べられるようにするためには数多くの工程を経てお客様の手元に蕎麦が行くわけです。

 その工程を書き並べてみると、まず前段で、
①冷たい汁と暖かい汁を作っておく
②ねぎを切ったり天ぷら食材の下ごしらえをする
③蕎麦を売るときのチケットを用意する
 …といった用意をしておきます。

 そのうえで、実際に蕎麦を出す段になると、まずは注文を取ってから、
①蕎麦を茹でる
②洗って冷水でシメる
③適切な量を量って盛り付ける
④(作っておいた)汁と器を用意する
⑤天ぷらを揚げる
⑥天ぷらやとろろなどのトッピングをつけてお出しする
⑦食べ残しや使い終わった食器を片づける
 …という数多くの工程があって、それぞれに担当者が交代しながら有機的に動いてそれぞれの役回りをこなします。

 つまり、蕎麦打ちのだいご味は蕎麦を粉から麺にする手打ちの工程ですが、実際に食べてもらうイベントとして完結させるにはそこから先の数多くの工程があります。
 蕎麦が打てるということは、蕎麦イベント全体の工程のうち、最初の10%くらいなものです。

 実際には蕎麦をゆでたり盛り付けたりしている人も、みな蕎麦打ち段位三段や四段の有段者で、蕎麦を打つことには長けている人たちばかり。それでもみな、この場では蕎麦を打つこともなく、周りと声を掛け合ってコミュニケーションを取りながら蕎麦を出しています。

 たまには茹でるのを待ちくたびれているお客さんと対話をして、楽しませて不愉快にならないような客あしらいも必要。それに気が付いたら片づけをしたり洗い物をしたりと、見えないところでの真面目さみたいなものも試されています。

 蕎麦を打つだけだったら自分一人で淡々と作業をすればよいのですが、お客さんを相手にして蕎麦をふるまうということになると、コミュニケーション能力はもちろん、何が足りなくて今自分はどこをどう手伝えばよいかという判断力、天ぷらを揚げたりするような様々なスキルが必要とされます。

 さらにはこうしたことを支える道具の用意、設置、使い方なども場数を踏むことで次第に慣れていき、チームワークが充実していくのです。

 
          ◆ 


 蕎麦打ちと言っても、その周辺にはさらにいろいろな技術があります。知人の中には、「俺は蕎麦打ちは卒業して道具作りに走る」と言って、のし棒や駒板を作ることを得意とした人もいます。

 「蕎麦を打つ」という小さな窓を開けたら、その向こうには蕎麦の世界という大海が見えますよ。

 

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やりたいけれど勝手にはやれない災害復旧

2016-09-12 23:42:35 | Weblog

 

 お付き合いのある土木業者さんたちから被災地での災害復旧についてお話を聞きましたが、被災地が各所に及んでいて対応が大変との声が多く聞かれました。

 被害は河川、道路などで大きく、地域の生活への影響が次第に大きくなっています。

「復旧工事に当たって、どんな課題や問題点がありますか?」と訊いてみると、様々な困惑ともどかしさがありました。

「被災地の困りごとで大きいのは、道路が壊れてそこに埋設していた送水管が被害を受けたことです。民間の工場などは水が来ないために操業できずにいるんです。工場からは『とにかく早く送水管を直してほしい』という要望がたくさん寄せられています」
「道路と一緒に送水管を復旧することは難しいのですか?」

「河川と道路で復旧に対する取り組みが少し違います。河川の堤防であれば、国や道など河川管理者が単一なので、次の雨が来るときの備えとして以前の図面通りに直すべく、コンクリート製品や土嚢などをとにかく積み上げるという作業がしやすいです」
「なるほど」

「ところが道路は、被災箇所が市町村道と道道、国道など道路管理者が複数にまたがっているうえに、そこに水道管、下水管、電気、通信など、これまた管理者が違う施設が埋設されています。だから、『とにかく水道管だけなおしてくれ』と言われても、町道を元の通りに戻してよいのか、道道も戻してよいのか、また送水管や通信の管なども、『お金は面倒を見るから、こういう形で直してくれ』という指示がどこからも来ないのです」
「施設の管理者が複数なのでそれを束ねる役回りをしてくれる人がいないというのですね」

「はい。ある工場が被災しているとするとそれを直してあげたい一番身近な行政体はそれがある役場だと思うんですが、役場の職員は事務の方も技術の方も住民対応に追われてしまって、我々の求める指導力を発揮できずにいます。いくら『うまくやってよ』と言われても、我々が指示を受けずに勝手に物事を進めるわけには行きません。良かれと思って直したりして、いざ事が落ち着いた後になると、『だれの指示を受けてこの作業をやったんだ?』と叱られるのは我々ですから(笑)」


 小規模な地方自治体では、被災者対応などが中心になってしまって過大な行政事務が押し寄せる中で、インフラの復旧などにあたる人員の確保や意思決定が難しい状況になっているようです。

「なるほど、行政の担当者が対応できないというのであれば、コンストラクション・マネジメント(CM)方式はいかがですか? マネジメントを専門に行うコンストラクション・マネジャーが、発注者、設計者と一体となってプロジェクトの全般を運営管理するやり方で、それなら外部の能力を借りることもできるのではありませんか」
「残念ながらそこまでの余裕すらないようです。思い出すのは平成7年1月の阪神淡路大震災です。あのときは、自民党が先頭に立って政治主導でリーダーシップを発揮して『後のことは面倒を見るからとにかく復旧を急げ』というようなある種の保証をしてくれました。東日本大震災でもCM方式が導入されましたが、導入まで少し時間がかかったようですね」


 平時の業務量に対して必要な職員数に対して、大規模災害のような有事の際は当然業務量が何倍にも増大します。そしてその業務量を短期間にこなすためには、なにか有事の際には特別な対応の仕方が適用されるべきだと思います。

 ではどういうやり方が良いか。そういうことはドタバタしている有事の時に考えるのではなく、平時の際に考えて想定しておかなくてはなりません。

 今はそういうことを言ってはいられませんが、数多くの大規模災害を経験する中で、復旧のための工事体制や契約のあり方などを考えておく。そんな対応をしてほしいものです。


          ◆ 


 ところがその「やりたいけれど指示がなくて…」とこぼした業者さん自身が、「もっとも今『やってくれ』と言われても、技術者や測量業者が足りませんし、細かなところで言うと交通誘導員すら集まらないんですから」と対応には苦労するだろうと思っています。

 通常をはるかに超える事業量が押し寄せてきたときの行政対応。平時と違った有事モードの対応が求められます。

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蕎麦が「売れる」ためのちょっとしたコツ

2016-09-11 22:33:34 | Weblog

 空知地域でできた蕎麦を食べるという「空そば祭り」が無事に終了しました。

 今日も一日担当は天ぷらで、一日ずっと立ちっぱなしなので疲れましたが、一緒に天ぷらを揚げていた天ぷらの師匠のIさんと、よもやま話をしながらの時間は楽しいものでした。

 天ぷらを揚げるスピードが速くてお客さんの列よりも出来上がってゆくので、Iさんは、「俺、ちょっと客引きしてくる」と言って、天ぷらの場を離れて受付近くで通ってゆくお客さんに声掛けを始めました。
 すると目に見えてお客さんの数が増えてきます。

 私も手を休めて少し客引きをしてみましたが、Iさんが「うちの蕎麦どうですか?」と話しかけて足を止めた人の三分の一くらいが「じゃあ食べてみようかな」と列に並びます。

 そもそも蕎麦のことなんてあまり知らない人たちばかりなので、少し興味の湧くような蕎麦の知識で会話をすると案外食いつきが良いのに驚きました。

「受付で『いらっしゃいませ~』と言っているだけじゃあお客さんは来ないよね。他とどう違うか、というところをどう売り込めるかだもの」
 Iさんは案外優秀な営業センスを持っていると睨みました。


          ◆  


 わがチームには鰹節屋さんの社長もメンバーですし、そこから手に入れた鰹節を使って朝から目の前で一級のだしを取っているので汁が美味しいのが自慢。

 そこで「うちの汁は絶品ですよ」と言ってみたところ「汁じゃなくて蕎麦がおいしいところがいいなあ」と言い返してきたお客さんがいました。

(そういえば粉はどこのなんだっけ?)自分じゃ蕎麦を打っていないのでどこの蕎麦粉だか分らなかったので、事務局長に「うちはどこの粉を使っているんでしたか?」と訊いたところ、「うちの蕎麦粉は新十津川のピンネ農協の"牡丹(ボタン)蕎麦"だよ」とあっさりした返事。

 なんと!そんな他のチームと差別化ができるネタがあるんだったらもっとそれを強調すればいいのに!

 実際その後から、「うちは今は作る人が少なくなったけれど通好みの"牡丹蕎麦"ですよ」と言うと、それに食いつく人が確実にいました。

「どうして作らなくなったんですか?」
「蕎麦の実が落ちやすい品種なので歩留まりが悪くて農家さんが嫌うんですね。で、実が落ちにくいキタワセという品種にどんどん変わってきた。でもやっぱり食べ比べると牡丹の方が美味しいんです。そこでそういう声を受けてまた作り始めたというわけです」

 そんな蕎麦物語で会話をすると、単なる食べ物の蕎麦が興味深い農産物に聞こえてきます。つまりはそんな縁をどう作るか、というところのほんの些細なきっかけの勝負で売れるか売れないかが決まっているのです。

 自分たちの出している蕎麦に共感を得られるところへの導き。これができればもう食べてみずにはいられないのです。


          ◆ 


 そんな風に天ぷら組が二人して客引きをすると確かにお客さんはぐんと増えたのですが、あまりそれをやっていると厨房から人が飛んできて「天ぷら足りなくなるよ!」との声。そうして「いかん、いかん」と私は天ぷらに逆戻り。

 ものはどうやって選ばれて、我々が売る喜びだけでなく、結果として食べてくれた方に喜びと満足を得ていただくか。商売の要諦は、近江商人の「売り手良し、買い手良し、世間良し」の”三方良し"の精神によく表されています。

 イベントは外からやってきて参加するのも楽しいですが、「中の人」になって、中からそれを眺めるのもまた格別の喜びがあるものです。

 体は疲労困憊ですが、チームで何事かを成し遂げるというのは、人生の一コマとしては充実した一日となりました。

 友達がいるってのはいいものです。

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道産子なら蕎麦を打とう

2016-09-10 23:01:26 | Weblog

 

 今日と明日は、JR岩見沢駅のすぐ北側広場で開催されている「2016空そば祭り」に裏方参加です。

 「空そば祭り」は、道庁の地方組織である空知総合振興局が後援して、空そば推進協議会が主催するイベントで、空知産の新蕎麦を味わってもらおうというもの。
道央地域を中心に十の蕎麦ブースが出店されて、それぞれ自慢の蕎麦が味わえます。
 

 我々「北海道そば研究会」は、前回と同様に暖かいそばと冷たいそばで、えびとかぼちゃの天ぷらを用意。私は今日もえび天担当になり、ひたすら天ぷらを揚げ続けました。

 近在の友人たちが何人か来てくれて声をかけてくれました。もちろんそういう人たちには「身内サービス」があります。盛りが良くなったり、一品、二品のサービスなどをお楽しみに。

 
 今日の空そば祭りは夕方の4時までの開催という事でしたが、三時ころに一旦お客さんが途切れ始めました。そこで事務局長に「まだやるんですか」と訊いたところ、「今日はこの後に、ワインピクニックに参加して岩見沢駅で解散になる人たちがいるから、四時までちゃんとやってほしい、と言われているんですよ」という答えが返ってきました。

 ぼちぼち様子を見ていると、本当に三時半過ぎにもう一山のお客さんの波がやってきて、残っていた天ぷらも完売となりました。作った甲斐があったというものでありがたいことでした。


          ◆  


 そんな中、ワインピクニックに参加したという知人の夫婦が声をかけてくれました。もちろん"身内サービス"発動でしたが喜んでくれたようです。

 味の感想などを聞きにいったところ、「どうして小松さんは蕎麦打ちを始めたんですか」と訊かれました。

「それは、転勤で長野県の松本市に勤務していたときの思いなんです。信州は蕎麦で有名ですが、名だたるお店のうち何軒もが使っていたのは北海道産の蕎麦粉だったんです。そこで、(北海道で自慢の蕎麦を美味しく食べさせようという活動をしているところはないのかな、あればやってみるのに)と探してたどり着いたのがこの『北海道そば研』だったというわけなんです。道産子だったら蕎麦を打とうってね」

「へえ」
「当時はまだ手打ち蕎麦の愛好会なんてここしかなかったものですからね。でもこの世界に入って、良い出会いがたくさんありましたよ」

 
 多様な人のつながりを持っていた方が人生は充実します。多分ね。

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