北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

久しぶりのレンタルショップ

2016-09-09 23:45:45 | Weblog

 稚内からの雨中のロングドライブからなんとか帰ってきたかと思うと、今度は来週に釧路への出張も予定されています。

 道東への道路は高速道路である道東道しか繋がっていないので少々不安ですが、なんとか行ってこようと思います。

 それにしてもこれからは道内各所へのロングドライブが増えることが予想されます。道内ではラジオも入らない地域が多いので、車の中で聞くCDを作ろうかと、本当に久しぶりにレンタルCDのショップへ行きました。

 妻も一緒に連れて行きましたが、「このお店に来るのは何年ぶりだろうね」「思い出せないなあ。レンタルDVDも借りなくなったしなあ」という会話をするくらいレンタルショップへは来ていませんでした。

「大体あなたは夜になるとパソコンにかじりついているからレンタルビデオも見なくなったのよ」と言われましたが、新聞を読んだり撮りためたテレビの番組などを見るだけでも結構時間がとられます。

 そろそろ人生のステージの中で、何をして何をしないかという取捨選択をして、自分の時間を使う対象を絞り込まないといけないのかもしれませんね。

 
          ◆ 


 効率的に、生産性を向上して、と言われますが、ネットを上手に活用すれば確かに時間やお金を節約することはできます。

 レンタルビデオショップへ行って見たいビデオを借りてまた返却することを考えたら、パソコンとテレビをつないでネット上のビデオコンテンツを見放題の契約にすれば良いだけ。

 新しい時代に自分を合わせれば時間もお金も節約して効率的に過ごすことは可能です。

 問題は、「さて、それが心地良くて豊かで満足なのか」という自分の感性なのかもしれません。

 新しい時代を泳ぎ切ろうとしてその泳ぎ方を覚えるのに汲々とするか、まあ適当にやって精神的に楽なところにとどまるという道を選ぶのか。

 前に進むのを止めた時に心の老化が始まる、という強迫観念に追い立てられているのではないか。そんなことを自分に問うてみて、そうだなと思うか、いやまだまだと思うのか。たまに自分の生き方を振り返ってみるのも良いかもしれません。

 
 さて、明日からは岩見沢駅前で開催される「空そば祭り」に参加してきます。お近くへお越しの際は「北海道そば研究会」のブースを覗いてみてください。好天を祈ります。

 

 

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そこに物語はあるか? ~ 中頓別の牛乳とニンニク

2016-09-08 23:39:22 | Weblog

 稚内出張の帰りに、中頓別町の小林町長さんを訪ねました。

 先日「なかとん牛乳」ができた、というお知らせを受けて早速様子を伺いたいと思ったのです。

 小林町長さんは、「せっかく"酪農の町"と言っているのに、町内でつくる牛乳が飲めないのは残念だ、という声がずっとあって、それに対する一つの答えであり実践です」と言います。

 牛からとれる生乳を飲めるようにするには様々な加工の手順があって、最初から大規模に始めるのは得策ではないと考えていて、今のところ、週一回で60リットルを町内の酪農家から受け入れて、飲用牛乳の製造をすることにしているそう。

 そして、これができれば次はアイスクリームやソフトクリームなどの乳製品への展開も可能になり、可能性が広がることが期待されます。

 しかしやはり小規模、小ロットではコストがなかなか下げられないのが悩み。容器代だけでも安くならないので、売値も高めになるのはやむを得ないところ。

 最初からビジネスとしての成功を狙うよりは、まず実際のものができて、それを町民と共有しながら可能性を探るのが良いように思います。 


          ◆   


 帰りしなに小林町長さんが「そうだ、ちょっと一か所寄ってください」というのでついていくと、一軒の農家の軒先に入り込んでいきました。

「これこれ、これをちょっと食べてみてください」とくれたのは、町長自らが作っているニンニク。

 二種類のニンニクをもらったのですが、その一つは"北海道在来"という品種なのだそう。

「北海道在来ってなんですか?」
「北海道開拓に入った人たちが故郷から持ち込み、それをずっと絶やさずに育ててきた品種なんです。今ではあまり作られなくなりました」

「それは興味深いですね。今や北海道オリジナルの食材ということになれば、ご当地グルメなどへの発展も考えられます。『日本人はコンテクスト(文脈)の中に生きる』といった人がいます。この意味は、人々はモノだけではなくそれにまつわる物語を好む、という意味です。どのような曰く因縁があるかを、歴史や人に結び付けて語るとモノの見方が変わるでしょうね」
「私は北海道の風雪に耐えてきたこのニンニクを『風雪百年』と言っているんですが、それもまた物語ですね」

 
 単に「美味しい」というだけの農産物では差別化はできません。そこにどんな歴史があって、人の取り組みがあって、他とは違う特徴があるか、ということを掘り下げてみるべきです。

 それぞれの地域にある産物。まずはこれを見極めて、それにいかに地域的で魅力的な物語を生み出すかがポイントなんだと思います。さて、中頓別町さんの動向にはこれからも注目していきたいと思います。

 

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稚内の災害事情

2016-09-07 21:41:31 | Weblog

 久しぶりの稚内出張ですが、NHKなど全国放送で稚内の災害の様子が放送されたので、ちょっとした騒ぎになっています。

 災害のないことが自慢の宗谷地域ですが、ここ二日間にわたっていわゆる線状降水帯が稚内から利尻島にかかり、降り始めからの雨が220ミリに達したのだそう。

 これは平年九月の降水量の二倍以上で、私がかつて住んでいた大黒町・緑町周辺で小河川が増水して道路にも水が溢れ、国道40号線までもが通行止めになりました。

 今日稚内で泊まるホテルも大黒町にあるホテルですが、窓から見えるすぐ横の河川は泥水が流れ、上流では橋の付近に水があふれたような跡が見えます。

 稚内って市街地の裏の丘が急峻で、しかも元は海だったところを埋め立てて平地を作ってきた歴史があるので、雨はすぐに流れ出しますし、もともと川らしい川があるわけでもないので、後から作った排水溝は急激な雨量では排水能力を超えてしまいます。つまりは雨が予想をはるかに超えて強く降ったということでしょう。

 水は稚内駅周辺でも相当な水たまりができて通行止めになったとも聞きましたが、今日の夕方現地を見てみると、何事もなかったかのように普段の姿をみせていました。

 しかしまだ利尻島では一部の道路に土砂崩れ被害が出ているといいますから心配です。

 二年前に礼文島で50年に一度といわれる豪雨災害がありましたが、今度は利尻島での50年に一度の豪雨。もはや災害は場所を選びません。

 過去の経験は役に立たない時代になりました。避難とか、備蓄とか、基本的な災害への備えを再確認しておかなくてはいけませんね。

 

  

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自転車ツアーガイドに適しているのは、そ、そんな人?~自転車観光先進地京都に学ぶセミナー

2016-09-06 23:45:45 | Weblog

 

 札幌サイクルラボ主催の自転車セミナーが開催されました。

 タイトルは「観光都市”京都”におけるサイクルツーリズムから学ぶ」として副題は「観光都市における自転車観光のあり方と新たな可能性について」としています。

 講師は有限会社京都サイクリングツアープロジェクト(KCTP)代表取締役の多賀一雄さんで、観光都市"京都"で、先進的なサイクルツーリズムを進めておられます。

  
 多賀さんは、「"サイクルツーリズム"と言われるが、私は"自転車観光"と言っています」とのこと。

 観光というからには四つの定義があって、
①観光アクティビティーという意識を持つこと
②旅行業界に取り扱われる商品であるべきで、単なるレンタサイクルではだめ
③地元経済の活性を促す手段であるべき
④ハードは官、ソフトは民という組み合わせで進めるべき
 ということに留意して行っているそうです。やはり単なる地域振興とは違って、ビジネスとして成立するところにもっていかなくては発展性はないということのようです。

 「自転車観光の種類」で言うと、大きく分けて①サイクルイベント、②レンタサイクル、③サイクリングツアーという三つの形がありますが、そこは「地域特性に合った形態を選択すべきだ」と言います。

 多賀さんのお話は自らが実践して苦労した中で得てきたノウハウなので、空理空論がありません。やってみて失敗したり、法律の壁にぶち当たったり、そこで鉄道会社など様々な方たちに助けられたり、と苦労の連続です。

 レンタサイクル事業を始めた最初の時期は借りる客が実に少なかったのが、JR西日本とJR東海の協力を得て、駅構内に自転車のディスプレイを置かせてもらうことができ、それから認知されるようになって客足が伸びたのだそう。

 そうした苦労を重ねて、今はレンタサイクルと、ガイド付きサイクリングツアーに特化したビジネスを展開しています。

 レンタサイクル事業では、やってはいけないことというノウハウがあって、それは、①無料レンタサイクル 
  ②リサイクル自転車の利用
  ③汚い自転車の貸し出し
  ④整備不足
  ⑤貸し出し場所の告知不足
  ⑥簡易マップの無料提供
  ⑦自動貸し出し
 …ということなどなんだそう。いずれもレンタサイクルの評判を落とすし、利用者の利便に応えられていないので、これらを改善の方向に向けるべきだと。

 そしてもう一つのガイド付きサイクリングツアーには、三つの型があるそう。
 (1)スポーツ型、(2)郊外散策型、(3)まちなか散策型というもので、多賀さんのKTCPでは、(3)のまちなか散策型がほとんどだそうで、しかもお客は外国人が非常に多いのだと。

 「インバウンドには受けが良すぎるくらいで、今のガイドの数ではほぼ3倍から4倍の需要を取りこぼしていると思います」とのこと。やはりしっかりとしたスキルを持ったガイドを用意できるかどうかが成否を分ける大きな要因です。

 どういう人がガイドをしているのか、ということに質問が及んだ時に答えで驚いたのは、「一応約二十名の方にガイドとして登録してもらっているが、レギュラーでガイド専門は7~8名。後は週末だけとか不定期のガイドさん。ガイドの年収は400万円ほどです」ということだそうで、少ないかな、と思いきや、なんとこの約20名のガイドうち17名は女性で、しかも平均年齢が50歳なんだそう。

「時速十数キロで走るのは子育てをした経験のある女性に限る。ご主人がいて時間のある主婦の方は格好のガイド候補」と多賀さんはおっしゃいます。


          ◆ 

 自転車のガイドツアーは顧客へのサービスであり、旅先の印象は会った人で決まります。そういうスタッフをしっかりと鍛えることや、事故などへのリスク管理としての保険対応、さらに自転車観光に特化したマップなども必要です。

 しかし多賀さんが配ってくれた京都の観光マップには、モデルコースのような線が全くひかれていません。

 このことを多賀さんは「何か決まりきったコースを押し付けるというのはどうでしょう。旅は道に迷ったりしたときに印象的な路地を見つけたり、そこでの出会いにお金を払ったりする、そんなハプニングこそ旅のだいご味。だから決まりきった道を進めることはない」のだといいます。

 旅を、利用者目線で考えて、そのためにガイドはどういうスキルを持っていなくてはならないか、それをどうやってガイドに伝えてトレーニングするか…、などなど、細かいノウハウをずっとためてきているのが、多賀さんのKCTPです。

 
 非常に勉強になりましたが、多賀さんの悩みは「自転車専用レーンや駐輪場が少ないこと」だそう。こればかりは官である行政がしっかりと頑張ってくれなくては解決ができません。

 官と民のバランスを取りながら、自転車は都市観光のコンテンツとして都市経営に貢献する。だから行政もサポートする意味がある、ということを強く感じました。

「札幌での自転車ツアーなんて、札幌ほどの都市としての魅力があればポテンシャルの高さは言うまでもありません」と多賀さんは札幌をべたほめ。

 札幌の自転車観光の可能性に向かって、これからも挑戦が続きます。

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ナントカ別町のナントカ牛乳?

2016-09-05 23:37:45 | Weblog

 

 道北のナントカ別町は人口約1,800人。基幹産業は酪農の町なのですが、作られる生乳のほとんどは町外に運ばれて、多くは加工乳製品になっています。

 せっかく自分たちの町で採れるというのに町内で消費されることがないために、そもそも味もわからない。

 そこでこのナントカ別町の町長さんが一念発起して、町内にミルクプラントを作り地元産の牛乳を飲めるようにしました。その名も「ナントカ牛乳」。

「え?ナントカ牛乳ってどこの牛乳?ナントカ別町ってちゃんとした名前はなに?」
 名前が珍しくて改めて地図を調べて、「ここだったんだ!」とわかる人が続出。

 世はなべてネット販売の時代。なんでも注文をすれば宅配ですぐに送ってくれる世の中です。

 しかしナントカ牛乳は長期の保存が効かないので、飲みたいと思ったら地元へ行くしかありません。送ることができれば単なる「お取り寄せ」の味で終わってしまいますが、地元へ来て味わってみると、風景ともマッチして印象がさらに強くなります。

 味は濃厚だけどすっきりで飲みやすいと評判。ナントカ牛乳によるアイスクリームやソフトクリームも作って、北海道の最北端を目指す人たちはわざわざ遠回りをして、ナントカアイス、ナントカソフトを食べずにはおられない名物になりました。

 町長さんに訊いてみたところ、「ナントカ牛乳といいますが、プラントを作るのには苦労をして、ナントカようやくここまで来たという感じなんです」とのこと。

 そういう意味でのナントカ牛乳なのかと思うと、一層味わいも深みが増すというものです。

 北海道を旅するならば、一度はこのナントカ牛乳を目指して、なんとかたどり着いて飲んでみてほしいなあ…


          ◆ 


 …というところで夢から覚めました。(夢か…)。

 ナントカ牛乳なんてふざけた名前じゃ売れないか…、と思っていると、なんと中頓別(なかとんべつ)町で「なかとん牛乳」が作られて披露された、中頓別町長さんのフェイスブックで知りました。

 中頓別町は北海道の中でも道北に位置する酪農の町ですが、これからもいろいろ工夫して地元の産物にしてほしいものです。

 私の夢が正夢になるといいなあ。 

 

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幌加内の二日目。天ぷら担当になりました。

2016-09-04 23:58:18 | Weblog

 幌加内新そば祭りの二日目。

 今日も朝5時起きで、6時には会場に到着。朝もやのなかで、各団体の人たちが三々五々集まってくる姿は毎年恒例の風景です。

 昨日は期待したほどの売れ行きにならずちょっとがっかりで、朝早くから準備をしながら、(よし、今日こそ頑張って売るぞ!)と思ったところ、思いがけない声をかけられました。

「はい、小松さん、今日は天ぷらをお願いね」

「て、天ぷらですか。はい~、わかりました」

 ということで、今日の私の役回りは蕎麦を彩る種物としての海老天を上げることになりました。

 エビは冷凍のもので、殻をむき背ワタを取ってしかも揚げた時に丸まらないように内側の筋を切ってあるという丁寧な下ごしらえをしたものを使います。

 なんと製造はベトナムでエビの種類はおそらくブラックタイガー。多分、日本人が指導しているのだと思いますが、業務用の天ぷらならば、あとは衣をつけて揚げるだけなのでとても簡単です。

 しかしながら、エビの尻尾には「剣」と呼ばれる部分があって、ここに水が溜まって揚げる油はねを起こすというので、人海戦術でこれを取って、全体に水けをきっておきます。

 あとは上げる際にエビに片栗粉をまぶして水に溶いた天ぷら粉をつけて熱した油の中へ入れるだけ。ただし、少しは格好がつくように、エビを入れた後に天ぷら粉を散らして、いわゆる「花を咲かせる」という工程を入れます。これで衣が大きくなってボリュームが出て見た目もよくなるというわけです。

 
 しかしながら素人がやるわけですから、そんなに簡単に花を咲かせるような感じにはなりません。いろいろと試行錯誤を繰り返しながら、最後には何とか少しは格好がつくような感じになりましたが、そこまで行くのに100尾は揚げたことでしょう。

 今日は朝8時から15時過ぎまで、途中に取った少しの休憩以外は休みなく立ちっぱなしで天ぷらを揚げ続けました。なにしろ天ぷら蕎麦は人気があるので、すぐにストックが無くなってしまいます。教えてくれた方と一緒に二人でひたすら天ぷらづくりをしましたが、最後には本当に立っているのがつらいほどでした。

 今日一日で300尾は揚げたでしょうか。さすがにこれだけ練習ができるといろいろなことを試すこともできて随分勉強になりました。

 初めてのことを試してみると、人生は何でも経験であり勉強だな、と思います。

 それにしても毎年のことながら疲れます。高齢の人たちも多いのですが、皆さん元気ですわ。

 

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幌加内新そば祭りの内側

2016-09-03 21:35:22 | Weblog

 

 今日のイベントのための蕎麦を打つ人たちは、朝4時半から起きだして、そばを打つ体育館へと移動してゆきました。

 ここでは各団体ごとに蕎麦打ち台が用意され、ここで高段位の蕎麦の打ち手が一心不乱に蕎麦を次々に打ち上げていきます。

 さながら人海戦術の手打ち蕎麦工場のようなもので、これだけ上手な人たちが集まって、蕎麦を打つ姿は本来ならば見学しているだけでも目が肥えて上手になるような場所に違いありません。

 しかし今日はなにしろイベントなので、とにかく早く一定の品質の手打ち蕎麦をつくってもらわなくてはなりません。

 ここでの蕎麦を打つときには何点かのポイントがあります。

 一つ目は、「切れ端は気にするな。少なくしようとする努力はいらない。切れ端は次の練りこみの時に使えばよい」というもの。

 蕎麦を上手に打とうと思うと、できれだけ切れ端を少なくしたい心理が働きます。そのうえ、段位認定の時はできるだけ切れ端をつくらないということが高得点にも繋がります。

 そのため、できるだけ端正な蕎麦を打ちたいと思うのですが、イベントに関してはそんな必要はありません。切れようが破れようが、失敗したところは次の玉をつくるときに練りこんでしまえば使えるので、そんなところを気にして時間をかける必要はないのです。

 ポイントの二つ目は、「正確な形ののし方を心がけるな」というもの。これも上記と同じように、段位の検定の時は重要な項目ですが、イベントとなるとそれよりは蕎麦打ちの速さを求めるので、余計なことを気にするな、ということ。

 ポイントの三つめは、「あまり細すぎる蕎麦を打つな。ある程度の太さを確保してほしい」ということ。

 蕎麦を茹でているとわかりますが、細すぎる蕎麦は延びてしまう時間も短いので、時間がたつとべチャッとしてお客様に出す事がはばかられてしまいます。

 細く打てる技術を持っていたとしても、ある程度の太さをしっかり確保したそばにしてほしい、ということは、お客様に美味しい蕎麦をするための大事な要素なのです。
  
 そんな注意を受けながらの人間蕎麦工場、ここでの蕎麦の出来が各ブースの評判にもつながっていくので、侮ることはできません。すでにここから勝負が始まっているのです。


      ◆


 全道のそば打ち愛好会にとっての年間最大のイベントが、この幌加内での新そば祭り。ここでの売り上げによる儲けは、その後の会の運営を大きく左右するともいえるでしょう。

 逆に雨が降って来場者が少なくなるなどして、儲からないとなるとちょっとショック。なかなか会がお金を稼ぐような場面って少ないですからね。

 そんな幌加内の一日ですが、今日は朝からお客さんの出足がちょっと悪い印象でした。気温はそれほど暑くもなく雨も降らず、そこそこの天気と言えたと思いますが、お客さんの数として賑わいが少ないように感じました。

 かくあるブースの中でも最も人気のあるブースの一つが「幌加内高校」が出店しているブース。地元の支援ということや親御さんも大勢いらっしゃるという事情があるのかもしれませんが、幌加内高校のブースだけはいつまでたっても長蛇の列が途切れません。
 それだけ地域で支えられているのかと思うと、感慨無量です。

 そんなライバルを横目に見ながら、今日の輪がブースが打ったお蕎麦は約770食とのことで、目標は千食だったのでやはり数字的には寂しいところ。

 明日もまた今日と同じスタイルでの蕎麦ブースの出店がありますよ。 

 明日は交通の混雑も予想されるかもしれませんが、幌加内での新そば祭りへどうぞお越しください。

 明日もブースで盛り付け専門に働いていると思いますよ(笑)

 

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明日からは幌加内町新そば祭りが始まります

2016-09-02 23:23:13 | Weblog

 道東・道央方面での台風の傷跡はすさまじく、道路、橋梁、河川、鉄道、そして農地などの被害の全貌がようやく明らかになりつつあります。

 北海道の被害は非常に甚大で、"出来秋(できあき)"と呼ばれるコメだけではない多くの作物の収穫期にこの災害なので、作物量の減少に加えて、鉄道・道路がダメージを受けていることで収穫できたものを運ぶこともままならない状態が予想されます。

 JRには客が少ない、と言われても、この時期の貨物列車への需要と期待は大きなものがあるので、復旧に時間がかかるとなると影響は大きなものになりそうです。北海道経済への影響も心配なところです。


        ◆


 さて、そうした被害を目の当たりにして、つい気持ちが沈みがちになりますが、こういうときこそ、しっかりと日常を保つ努力も必要です。やりすぎた自粛は却って経済を縮み上がらせることになりますから、できるものであれば各種の催しやイベントは予定通り開催をして、我々も積極的に参加してあげたいものです。

 そんなこの時期恒例のイベントの一つが道北の幌加内町で開催されている「幌加内町新そば祭り」。今年は明日と明後日、9月3~4日にかけて開催されますので、蕎麦好きならば是非ともご来場して頂きたいところです。

 新そば祭りでは、「全国ご当地そば自慢広場」として、今年は15のブースが出て、それぞれのそば打ち愛好会の自慢の蕎麦が売られます。

 私は北海道の中でも老舗の蕎麦打ち愛好会である「北海道そば研究会」のブースで蕎麦をふるまうお手伝いをすることになっています。当日は各ブースとも相当な長蛇の列になるのですが、もしお近くへお越しの際は我々のブースを覗いて、私を見つけたらどうぞ声を掛けてください。

 最近は各ブースも趣向を凝らして、来場者へのアピールにも余念がありません。人気なのは地元幌加内高校のブースで、若い高校生たちが一生懸命に打った蕎麦となるとつい応援したくなりますね。

 もちろん我々北海道そば研究会も老舗の会として負けてはいられません。いつも思うのは、うちの会の汁が絶品ということ。賄い食で蕎麦を食べることも多いのですが、何度食べてもその旨さに感動しています。ぜひご賞味ください。


       ◆


 さて、イベントの準備は明日の早朝から始まりますので、私は今日の夜から前乗りをして宿泊をして明日、明後日に備えます。

 このイベントで年に一度だけ顔を合わせるという蕎麦打ち友人も多く、現地では「おー、お久しぶり、今年もよろしくお願いします」というやり取りが交わされて、旧交を温めあうことになります。

 蕎麦の世界の友達も多いとはいえ、だからこそこういうところでしっかりとお互いに力を合わせて同じ時間を共有するという努力が欠かせません。

 蕎麦を茹でて器に盛り付け、さらに天ぷらなどの種物を用意して組み合わせるというのは肉体労働そのもので、これを一緒にやると戦友のような気持ちになるものですよ。

 明日からの二日間、幌加内方面は天気もよさそうです。目標は一日千食という大変な量ですから頑張ります。

 道北のドライブがてら、北海道で一番最初の新そば祭り、幌加内町新そば祭りへどうぞ。

 

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三十回目でございます ~ ツール・ド・北海道

2016-09-01 22:08:39 | Weblog

 いよいよ今日から始まった国際自転車レース「ツール・ド・北海道2016」。

 今年は、回を重ねること30回の節目を迎え、外国から6チーム、国内から15チームの合計21チームをお招きしての大会となりました。

 レースは道央を中心に三日間にわたるコースです。初日の今日は、朝からタイムトライアルを行い、午後一時に南区のアパホテル前を出発して倶知安町までの111kmのコース。

 国道230号線を南下して、定山渓方面の途中からは右折して小樽方面へ朝里峠(標高672m)越え。峠を越えて小樽市内に入り、外周を回ったかと思うとすぐに今度は赤井川村方面へ毛無峠(標高658m)越えという鬼のようにハードなコースです。

 私などはここを自転車で走れる人たちの気持ちがわかりません。皆超人に見えます。

       ◆

 

 レースのスタート地点は快晴で気温は30℃近い残暑。しかし風が結構強くて、向かい風になるとさぞ選手は大変だろうと思います。

 それぞれのチームユニホームはカラフルでこれが結構絵になるので、スタート地点にはカメラを構えた報道陣だけでなく、自転車ファンと思しき人もかなり集まっていました。

 午後一時ちょうどに号砲が鳴らされると選手が一斉に走り始めます。いよいよ三日間にわたる過酷なレースの始まりです。

 選手たちと同時に、各チームのサポートカーも順番にスタートしていきましたが、自転車を屋根に何台も載せて走るこのサポートカーもなかなかスタイリッシュでカッコいいんです。天気がいいから余計に絵になりますね。


       ◆


 ところで、こうした自転車レースですがカッコいいのとは別に、やはりチームレースとして勝つための作戦があります。

 強い向かい風からエースを守って最後に飛び出してもらうとか、わざと先行して相手をかく乱し体力を奪うとか、長いレースの間には様々な駆け引きがあるのです。

 そのあたりの解説が、配布されると同時にネットにアップされている公式ガイドブックに掲載されています。

 本場のツール・ド・フランスなどでは、ヘリコプターからずっと集団を追いかける映像が撮られていて、そうした駆け引きも視聴者に直接伝わるようですが、できればツール・ド・北海道でもドローン等を使って撮影・配信されるともっと臨場感が伝わるかもしれませんね。


【ツール・ド・北海道】
 http://www.tour-de-hokkaido.or.jp/2016/guide/GuideBook2016.pdf

 ちょうど今日、小樽地域の道路補修をしている舗装業者さんと会って話をしていました。

 「腕によりをかけて修繕しておきましたから(笑)」

 選手の皆さんの安全と無事をお祈りしています。選手全員、がんばれー!

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