こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『RDGレッドデータガール 氷の靴ガラスの靴』荻原規子

2018-02-16 19:28:40 | 読書感想
この本が出ると聞いた時「あれ?続編?」といぶかしく思いましたが、サイドストーリーなんですね。

こうして急ピッチで中三から高一までを追ってみると、泉水子の成長がとてもよく分かります。
初めは極端な人見知りだった泉水子が、高一では人並みな人見知り程度にはなりました。
強くもなりましたよね。

そういう意味でも、ラストの表題作は大好きな物語となりました。
彼女たちの今後を読むことは無いのでしょうが、きっと、明るい未来が待っていると信じています。
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『あきない世傳 金と銀(四)貫流篇』高田郁

2018-02-15 19:35:18 | 読書感想
波村での失策で誇りを傷つけられた惣次は「隠居」を決意し、店も幸も智蔵に託すと、姿を消してしまった。

なるほど、智蔵もいつの間にか器が大きい人物となったのですね。
私としては、ようやく幸も連れ添うべき相手と添う事ができたと、安心しております。
また、大きな波が来そうな気配ではありますが、二人なら大丈夫と思えます。
気になるのは、後継者だけですね。
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『トラットリア・ラファーノ』上田早夕里

2018-02-12 19:38:26 | 読書感想
杉原和樹は、JR元町駅の北側に立ち並ぶ雑居ビルの五階にあるイタリア料理店、トラットリア・ラファーノで、主にホール係として働いている。
この店のシェフは彼の兄・義隆で、妹・彩子と共に厨房で働いている。

そんな和樹の働く店に、かつて同じ高校に通っていた邦枝優奈さんが食事にやって来た。
それは友人に連れられて来ただけの偶然だったが、何度か通ううちに、今度は和樹のクラブ活動での相棒だった田之倉伸幸が来て彼女の婚約者だと言い、彼女は高校時代には和樹を想っていたと言った。

この出版社で食べ物がらみで上田さんと言えば、ミステリという固定観念が出来上がっていたので、なかなか事件が起こらないな?と思ってしまいました。まあ、三角関係も人生では事件ですけどね(^_^)

私も和樹に似て恋心には鈍感なので、何となく寂しさが分かる気がします。
もちろん、幸せを願う気持ちも同じですね。
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『ナイルパーチの女子会』柚木麻子

2018-02-07 19:52:28 | 読書感想
国内最大手の商社、中丸商事に勤める志村栄利子は、三十歳独身。
有能で通る彼女が孤独感に苛まれ、かつ独善的な人間性を露にするようになったのは、おひょうと名乗る主婦ブロガーに出会った事もきっかけなのかもしれない。

ここでは、たまたま栄利子とおひょうが孤独地獄に陥ってしまいましたが、誰でもちょっとしたきっかけではまるものなのかもしれません。
私も、友達のいない方なので、身につまされる思いがしました。
それだけに真織のしたたかさは、尊敬に値するものだと感じます。

あらゆる意味で、人と人との繋がりを考えさせられる物語でした。
あと、読むのが遅いと思われたあなた。人気のある作品は後回しにしがちなのですよー。
しかも、図書館で借りるから、なおさら遅くなっちゃいますし。
とうとう、文庫化されるまで読めていませんでした。
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『ウズタマ』額賀澪

2018-02-03 19:34:15 | 読書感想
父子家庭で育った松宮周作がシングルマザーの紫織と結婚する事を父親に告げて間もなく、三百万円余りの預金通帳を‘‘ある人’’が貯めてくれたものだと言いつつ渡された。
父親は、その名を打ち明けないまま脳梗塞で倒れ、意識が戻らないままである。

このままでは、自分と血の繋がりのある人はいなくなってしまう。
さらに、今になると自分に血の繋がらない子を愛せるのかという不安も出てきた。
様々な悩み、迷いが生まれ、それを紛らわせるためもあるのか、周作はその‘‘ある人’’を捜しはじめた。

この作品は、周作の自分自身についてのミステリであり、家族の再生と再構築の物語なのかもしれません。
それにしても、‘‘ある人’’の人物像にはかなり驚かされましたし、彼への周作の執着心にも驚きつつも、後に納得させられました。
複雑ながらも温かい読後感をもたらす物語でもありました。
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