タロも14歳と少々、耳が遠くなったようだ。こうやって昼寝をしているとはいえ近付いてもピクリともしないで寝ている。何とも無防備で能天気なことだ。
去年の秋頃、タロはなかなか言う事を聞かなくなった。隙を見ては脱兎の如く走り去ることもあった。当時は何故そうなるのか見当が付かなかったが、暫くしてからどうやら耳が遠くなったせいだと思い始めた。だとすればタロにとっては何の前触れもなくいきなり叱られてたことになる。そういえば当時は何時もこちらの顔色を見て何かに怯えてるようだった。
きちんと躾てるわけでもないので本当に耳が聞こえないのか命令を無視してるのか分らない。だけど今は身振り手振りで意思を伝えてる。老化の兆候は他にもある。犬は外に見える毛の他に、秋から春にかけて皮膚に近い所に綿のような毛が密集する。それが3~4年前から夏でもないのに抜けるのだ。寒さにはそれなりに弱くなっているだろう。
タロは昼間は外で過ごす。今までは家の方を向いてた小屋を最近反対の南向きにした。これだと日は当るし何時も吹く西風と北風を防げるので快適なようだ。で、夕方から朝にかけては家の中に入れて玄関の土間、しかもストープの近くで寝ている。座敷犬ではないが野ざらしの犬よりは待遇は良いかな。