70年代の日本で中高生の映画ファンにものすごい人気を博したので、日本でしか当たらなかったと揶揄されたりしていたが、Imdbで検索してみるとイギリス、アメリカはもとよりカナダ、ポルトガル、メキシコ、アルゼンチン、南アフリカ、オランダ、韓国から、69人が熱烈なコメントを寄せている(好きじゃなかったら土台投稿しないだろうが)。ざっと見たが、日本からのは見当たらなかった。
マーク・レスターは奥さんと共にオステオパシーosteopathy(昔は整骨療法と呼ばれた)の整体師(というのか)をしている。
ジャック・ワイルドは去年ガンで亡くなった。53歳。彼を「オリバー!」の舞台版にスカウトしたのはフィル・コリンズの母親のジューン・コリンズだったという。
脚本のアラン・パーカーは監督として大成したが、死刑廃止論者からも存続論者からも批判された「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」(2003)以来、新作はない。今となってはウソみたいだが、昔は「ダウンタウン物語」ともども子供映画の作り手だと思われていた。
一説では、この「メロディ」はプロデューサーのデビッド・パットナム(「キリング・フィールド」「ラストエンペラー」)と夫人の話がモデルだというが、彼も1999年から新作なし。
なんか、すごい時間が経った感じがする。
監督がワリス・フセインというのが、今見るとなんか変な感じ。インド生まれで、レスターのクラスメイトに色の浅黒い子が混ざっているのとも関係あるのかも。
この後もずっとテレビで活動していて、新作はシェイクスピア原作の「冬物語」。
教師がやたらキリスト教絡みの説教を垂れる中、ユダヤ人差別と受け取れる発言をしているのに気づく。
主人公の少年少女の属する階級が、中産階級(家族の俗物ぶりの描写がキツい)と下層階級とはっきり違う。メロディとダニエルが楽器でやりとりする場面、リコーダーとチェロというところに格差が見える。
お話はおとぎ話なのだけれど、一つ一つの画面は割とドキュメンタリー調。
かなりゲバルト(死語かな)映画「IF もしも…」のジュニア版みたいなところがある。
二人が初デートするのが墓場、というのは良く考えてみると珍しい。夫婦で入っている墓碑銘を読んで「50年も愛せるかしら」「できるさ、もう一週間も愛してる」というのになんかナットク。子供にとっての一週間はそれくらいの重みを持つことある。
NHK衛星で見たのだが、今だったら地上波でやったら子供たちが手製の爆弾を作るのが問題視されるのではないかと思えた。つまらねえ心配だが。