現代のロデオを扱った現代版西部劇なのだが、初期にペキンパーが作っていた西部劇同様、西部劇の「伝説」とか「ロマン」がウソであることをしきりと指摘するのは、ほとんど死語に近いがニューシネマの時代に出てきた人なのだなあと思わせる。
父親のエース・ボナーがいい歳こいていつまでも「夢を追う」男っていうのが、相当に傍迷惑であることがありありと描かれ、同じような道を歩んでいるジュニア(父子で馬の二人乗りなんてする場面あり)が父から離れていく一方で、まるっきり突き放すわけでない甘さを残しているのが微妙な味わいなのだけれど、ドラマとするとちょっとめりはり不足。
ロデオの場面でペキンパーのトレードマークだったスローモーションが多用されているけれど、ここではややスポーツもののルーティンに流れているよう。
(☆☆☆★)