prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「零戦燃ゆ」

2007年11月04日 | 映画

「二百三高地」「大日本帝国」に続く笠原和夫・脚本、舛田利雄・監督の戦争ものだが、東映から東宝に移った落差は結構激しく、加山雄三に代表される変な明るさが邪魔をして、主人公たちが零戦にのめりこんでいく裏づけとしての彼らの貧しさ、悔しさが一向に実感として描かれていないので、上滑りしっぱなし。
妙に甘ったるい音楽がやたら長々と流れるのもたまらない。

題名がけっこう皮肉で、零戦がはなばなしく戦って燃えるのではなくて、まるで役にたたないまま地上で火をかけられて燃やされる、そのアンチクライマックスがあまりびしっと決まらない。

ミニチュアを使った零戦特撮(川北紘一)はオモチャ的ではあるのだけれど、逆に作り手の零戦の「好き」さ加減が見やすい。
(☆☆★★★)