ジャック・フィニィ「盗まれた街」四度目の映画化。
一番最初のドン・シーゲル監督による映画化('56)はアカ(共産主義者)とレッテルを貼られると誰も口をつぐんで逆らえなくなった製作当時の赤狩り下のアメリカの状況を反映しているというのが定説になっているが、今回ではところどころイラク他の世界情勢が「侵略」の結果、皮肉にも“平和”に向ったというテレビニュースで流し、画一化・全体主義化された「平和」と一応の自由意志による対立とどっちを採るか、といったテーマを立てている。
ただ、小さな街の日常的な情景からじりじりと大きな寓意に突き抜けるのと逆に、こう頭からスケールを広げられるといささか細かいリアリティ不足が目立つことになる。
意思を失った人間と失っていない人間との区別というのがあまりはっきりしていないのも気になるところ。
自家用車にびっしり人間が鈴なりに張り付いて、暴走するたびに振り落とされるスタントはなかなか見せる。マネキンが飾られたショーウィンドーに突っ込む締めくくりもちょっと洒落ている。
(☆☆☆)
本ホームページ
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一番最初のドン・シーゲル監督による映画化('56)はアカ(共産主義者)とレッテルを貼られると誰も口をつぐんで逆らえなくなった製作当時の赤狩り下のアメリカの状況を反映しているというのが定説になっているが、今回ではところどころイラク他の世界情勢が「侵略」の結果、皮肉にも“平和”に向ったというテレビニュースで流し、画一化・全体主義化された「平和」と一応の自由意志による対立とどっちを採るか、といったテーマを立てている。
ただ、小さな街の日常的な情景からじりじりと大きな寓意に突き抜けるのと逆に、こう頭からスケールを広げられるといささか細かいリアリティ不足が目立つことになる。
意思を失った人間と失っていない人間との区別というのがあまりはっきりしていないのも気になるところ。
自家用車にびっしり人間が鈴なりに張り付いて、暴走するたびに振り落とされるスタントはなかなか見せる。マネキンが飾られたショーウィンドーに突っ込む締めくくりもちょっと洒落ている。
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