昔、俳優のライブアクションを人の手でトレースしてアニメにする技法(ロートスコープ)で「指輪物語」がアニメ映画化されていたが、今ではデジタル処理で実写の輪郭線を浮き出させたり着色したりできて、著名な俳優が似顔でなしに大勢出ているせいもありアニメというより実写を画像処理した印象が強い。
というより、こういう本物とコピーの二分法自体意味がなくなってきているのが、いわゆる現実と幻覚が同等のドラッグ中毒者のリアリティに対応してもいるのだろう。
ただ、ひとつひとつの映像は最初斬新で目を奪うが、アングルやつなぎは常識的な実写映画のそれで、さほど飛躍や展開がないのでだんだんダレてくる。
ジャンキー暦のあるウィノナ・ライダーが出てきて「絵」になった上でけれどヌードを見せたりするのは楽屋落ち的サービス。
(☆☆☆)