奇をてらっているようでマジメなテーマ、たとえばどこまで人間は動物か、とか人間は見た目が九割、とか、愛とセックスはどこまで同じかといったテーマがけっこう強く出ている。
アラン・レネの「アメリカの伯父さん」風に学術的な描写とマンガチックな表現を混ぜてみたり、天国や公聴会などを交錯させる複雑な構成をとったり、「自然に帰れ」風の展開を見せたかと思うとあまり脈絡なくひっくり返したりして、ミュージック・ビデオ出身の作者らしく凝って見せる方に力を入れているけれど、案外変にまじめに野暮ったく、凝っている分突っ込みが浅い。
(☆☆★★★)