実は旧ソ連は西側の映画をけっこうぬけぬけとパクってたのだが、ソ連が崩壊してロシアになってから作られたセミ・ハリウッド活劇がこれ。
吹き替えて人名・地名を変えたら、ほとんどそのまま木曜映画劇場にぴったりな少し安い作り。
飛行機の高度が下がると爆発する爆弾というのは、「スピード」や「新幹線大爆破」の前身にあたるテレビムービー「夜空の大空港」にあった手。妙なところで復活した。
アクション・シーンの切れ味、サスペンスの仕組み方など、まずまず。日本で似たような話をやるよりリアリティが出るのは強み。
チェチェンとアラブ系の「テロリスト」をとにかく劇画的なくらい典型的な悪役に仕立てて、対するヒーローは徹底的に善玉という二分法と夜郎自大な大国意識までアメリカ製を鏡に写したよう。
アメリカ軍の司令官役のジョン・エイモスは「ダイ・ハード2」の特殊部隊隊長や「ロックアップ」の看守長、遡ると「ルーツ」のクンタ・キンテ(壮年期)をやっていた人。なんか、ずいぶん痩せた。
(☆☆☆)