幽霊の心霊写真風の「リアル」な描写で怖がらせるだけでなく、冒頭の電話でのやりとりが後になってヒロインが自殺未遂をしてから出没しだす女の幽霊の正体がわかってくるあたりにつながってくるなど、ストーリー(一作目とまるで関係ない)が意外と手をつくしていて楽しめる。
もともとのトラブルの原因である男の扱いが中途半端なのは物足りないが。
ヒロインが自殺しようとしてビルの屋上から飛び降りてもなぜか死ねないで繰り返し飛び降りる、というのは高橋洋(「リング」の脚本)のエッセイで読んだ「ビルから飛び降りて自殺した人間は死んだことがわからないで何度も飛び降りを繰り返す」という話と似ている。もともと、どこの話なのか。
ここではストーリーの根本にある輪廻の因縁と関連しているのだろうが、ポランスキーの「テナント」の(映画が原作に付け加えた)クライマックス風でもあり、かなり強烈。
主演のスー・チーはロリっぽい顔とセクシーさのアンバランスが、妊婦の精神不安定とうまく噛み合っている。
(☆☆☆★)