prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「となり町戦争」

2009年07月15日 | 映画

原作読んだ時、これおもしろい映画になるのではないかと思ったのだが、うーん、そう簡単に思えてしまうところに罠があるのかな。

となり町と戦争が始まったらしいというのに、日常生活には一見変化らしい変化はない、ただ見知らぬ女性と夫婦のような生活をしなくてはいけなくなったり、知らないところで死者が出ているらしい、といった平和な日常と戦争とのキワキワみたいなおもしろさが原作のキモで、さらに戦争が実は身近な存在であってもそれに気づかないだけでいるのかなといった「リアリティ」にまで至っているのが原作の面白さで、(考えてみると、エヴァンゲリオンの人類の何割かが死滅したらしいのに平気で学校に通ったり交通機関が使えたりしている世界観と結果として近いのかもしれない)、そのリアルと寓話性の同居というのは相当に難しい挑戦だったようで、どちらも不徹底なまま終わった観。残念。
(☆☆★★)