暗い城の中で陰謀と監禁と近親憎悪が交錯する前作に比べると、外部の人間であるウォルター・ローリー(これで見ると、「風と共に去りぬ」のレット・バトラーみたい)とのロマンス混じりでクライマックスがスペイン無敵艦隊との海戦というあたり、かなり開放的になっているのはのだけれど、代わりに軽くなった感じも強い。
衣装デザインがあちこちエリザベスに天使の羽を思わせる飾りをあしらわせ、ローマ教会やスペイン王室などカソリックの方が「悪者」に見える扱いにしているのも、なんだか安直。
無敵艦隊との戦いが、どこで勝敗を決めるポイントになったのかわからないのが困る。ローリー卿の活躍だけで決まるってことないでしょう。
衣装や、背景になる建築の巨大感(大俯瞰で人物を撮ったカットだと、あまりの高さに呆れる)などは見もの。
(☆☆☆★)