一作目でいささか辟易させられた先行作品(「男はつらいよ」「東京物語」など)の引用は減ったのはありがたいところ。吉行和子(今回は極端に出番が少ない、スケジュールが詰まっていたか)の文学講習所でストリンドベルイの名前が出てきたあたりで「ベルイマン自伝」日本版が写る。老人映画の往年の名作「野いちご」の監督として、という意味と、ストリンドベルイと同じスウェーデンの演劇人でもありしばしば演出上演していたつながりだろう。エンドタイトルにもきちんと出てくる。
橋爪功が寅さんみたいにはた迷惑でわがままで、しかも父親だからもっとどうしようもないし、妻夫木聡のなんだか頼りない末っ子は満男にあたるだろうし、当然「男はつらいよ」と似ているところはあるけれど、どうしようもなくうっとうしいけれど手は切れない、という感じが家族全員に当てはまっている。
唯一さくらみたいに出来すぎているくらい出来すぎたキャラクターが一番の新参者の看護師の蒼井優で、こちらも自分の家族には問題を抱えているのが示唆される。次回作が作られるとして、このあたりが絡む可能性もあるかな。
前回は家族会議でオーソドックスに盛り上げたのに替えて家族会議が吹っ飛んでしまう騒ぎになるのも工夫したところ。
(☆☆☆★★)
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