永瀬正敏の父親が亡くなった通夜の席で普通なら仕出しの寿司か何かが出るところを斉藤由貴の母親が目玉焼きを焼いて持ってくる、という掴みは秀逸。
さらにそれがただの目玉焼きではなくシート型のチーズをハムエッグのハム代わりに一緒に焼いたものというのが珍しく、帰ったら真似して作ってみようかと思ったくらい。
その後、戸田恵梨香と染谷将太の兄弟、窪塚洋介の義理の兄との関係が食事絡みで描いていくという構想なのだが、この一家がどういう風に成り立っていったのかという本来基本的な設定をいささか謎めかして後回しに描いたのは疑問。
早い話、誰がどっちの子なのか見ていてはっきりしない。たぶんそうだろうと推測しながら見ることになるのだが、各シーンで基本の設定がキャラクターのリアクションに具体的にあまり描かれておらず、分け隔てなく育てられたということなのかもしれないが、それ以前の描き分けが不十分で、説明を排するのはいいが基本が呑み込みにくいのは困ります。
食をモチーフにして生と死と家族を描くという構想はいいのだけれど、構想を作品の構造、ストラクチャーにまで落とし込む作業が不十分で構想倒れとまでいかなくても、物足りなさが残る。
フィルムカメラを時代の変化を表すのに使ったのはいい工夫。デジタルだと記念写真もその場で確認できるようになったのだなと改めて思う。
さらにそれがただの目玉焼きではなくシート型のチーズをハムエッグのハム代わりに一緒に焼いたものというのが珍しく、帰ったら真似して作ってみようかと思ったくらい。
その後、戸田恵梨香と染谷将太の兄弟、窪塚洋介の義理の兄との関係が食事絡みで描いていくという構想なのだが、この一家がどういう風に成り立っていったのかという本来基本的な設定をいささか謎めかして後回しに描いたのは疑問。
早い話、誰がどっちの子なのか見ていてはっきりしない。たぶんそうだろうと推測しながら見ることになるのだが、各シーンで基本の設定がキャラクターのリアクションに具体的にあまり描かれておらず、分け隔てなく育てられたということなのかもしれないが、それ以前の描き分けが不十分で、説明を排するのはいいが基本が呑み込みにくいのは困ります。
食をモチーフにして生と死と家族を描くという構想はいいのだけれど、構想を作品の構造、ストラクチャーにまで落とし込む作業が不十分で構想倒れとまでいかなくても、物足りなさが残る。
フィルムカメラを時代の変化を表すのに使ったのはいい工夫。デジタルだと記念写真もその場で確認できるようになったのだなと改めて思う。