「椿姫」の「乾杯の歌」を歌って実力を見せつけるところは曲調と共に胸がすく。
監督をイギリス人のマイケル・ラドフォードが務めたのはどういうわけか知らないけれど、前にイタリアを舞台にした「イル・ポスティーノ」を作った縁もあるかもしれない(アル・パチーノ主演の「ヴェニスの商人」なんていうのもあるが)。
ただセリフが英語なのは特にオペラにつながる時に興を削ぐ。
アントニオ・バンデラスが人間的な大きさを感じさせる導師・マエストロを自然に演じている。何歳かと思ったら59だからそれほどでもない。「沈黙の音楽」(これが原題)に耳を傾けよという教えが何だか東洋的に思えた。
恋人から結婚相手になる女性を演じるナディーヌ・カゼッリが美人。