prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「わたしは最悪。」

2022年08月26日 | 映画
偶然にもスタイリッシュな章立て構成の映画が「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」に続いた。こちらはプロローグとエピローグの間に12の章が挟まる構成。

一直線なストーリー構成と違って、各パートによって少しづつ視点や主人公の感情や興味が向かう先が揺れているのが、かなり大事に思える。
念を押すように時間がバックしたり、ふたり以外のすべての人間の動きが止まってしまったりする技法がさりげなく織り込まれる。

ふたりの男の間で揺れているには違いないけれど、もともと男関係だけが
すべてではなく、マジックマッシュルームで見る幻覚のように異様な形で老けることやおそらくその先の死への恐れなども織り込まれる。
それら含めて生きていること自体が不定形なまま揺れている感じ。