prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「夜、鳥たちが啼く」

2022年12月26日 | 映画
十代で文学賞を取ったものの、その後鳴かず飛ばずの小説家と、同じ敷地でわずかに離れた家屋に住んでいる シングルマザーとその連れ子との半同居生活を描いている。

その空間を生かす演出が練達の腕で、住んでいる 住居の位置関係が そのまま二人の関係を表してるようで 同棲ともつかず 作中の表現を借りると結婚してない家庭内別居といった微妙な味わい。
もう少し離れたところになぜか鳥籠があってこれがタイトルの由来になっているのだが、必ずしもどういう意味なのかはよくわからないながら、どこか詩的な味わいがある。

R 指定なのだけれども 絡みの場面で バストトップも見えないのは不満というより不思議。雰囲気はエロティックなのだけど、描写そのものはそれほどでもない、あるいはそれほど見せなくてもエロティックになっている。
女が言い寄られて浮気?していると思い込んで女の上司のスーパーの店長をボコボコにするあたり、よく警察沙汰にならなかったもの。店員がボコボコにし返したので喧嘩両成敗になったか。
このあたりのクズっぷりは貧乏文士ものの定番でむしろお楽しみ。

とはいえ昭和のそれのようなじめじめドロドロした話かと思ったらラストは意外と爽やか。
子供が ひねくれていないせいか。