prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「月の満ち欠け」

2022年12月28日 | 映画
大泉洋のところに、彼の事故で死んだ娘は私が愛した女性の生まれ変わりですという若い男が現れたり、連れてきた小さな女の子がまたその生まれ変わりですと主張する女が現れたりと、これって言われる側からしたら娘をなくしたという治らない傷に何度も塩をすりこまれるような話じゃないかな。どうもひっかかる。

小さな女の子が前世の記憶をとうとうと語るって、人格が変わっているわけで、イタコの口寄せか。ホラーに属する話だと思うのだけれど、売りとすると泣ける映画らしい。

映画館の早稲田松竹の実物が出てくるのだが、一番早い時期の1980年頃はまだ今の建物ではなくリニューアル(1994)前のはず。
それはまだしも、「アンナ·カレーニナ」(ヴィヴィアン·リー主演版らしい)「地球に落ちてきた男」の二本立てというのも組み合わせとしてかなり変だし、話の流れからして「アンナ」ではなく小津の「東京暮色」を主人公二人が見ているのも変。松竹製作だからか。
(「アンナ」は列車に轢かれて死ぬという点で本編の内容とかぶる)
作中でかなり時間が経つのだが、同じ番組がかかりっぱなしなのも変。あそこの番組は週替わりなのだから。
映画の中で、映画あるいは映画館の扱いが変というのは困ります。

子供は親を選んで生まれて来るというセリフがあるが、いやいやいや、子供は親を選べないでしょ。

有村架純が年上の女(ひと)的な役やるようになったか。
ラブシーンでくるっと身体の向きを変えると左手の薬指に指輪がしているのが自然に目に入るのはいい(わざわざアップで強調しない、スクリーンで見るのには必要ない)。