part 1がeverything part 2がeverywhere part 3 がall at onceと分かれてそれぞれタイトル文字が出るのだが、part 2と出た時、かなり時間が経った体感があったのにまだあとこれまでと同じくらいあるのかとぎょっとして、時計を見たら残り50分くらいだった。
139分の映画だから約3分の2は過ぎているのだけれど、それでもまだずいぶん残っているなと、かなりびびった。
構成をスタイリッシュにしたのが裏目に出たというか。
情報量の詰め込みと、その切り替えの編集の技術とセンス自体はすごい。ただし詰め込み過ぎて見ているこちらは途中から疲れて見ているこちらの方が消化不良気味になる。
いくつもの可能性に分岐して同時並行しながら行き来する世界観は、マルチバースという理由付けをしているけれど、むしろゲーム的に思える。
ただしゴールが良くも悪くもはっきりしない。もとよりゲームではなく実際の人生の話ではあるのだし、最終的には家族の話に落とし込まれるわけで、だから中国系という設定が意味を持ってくるのかもしれない。
アカデミー賞に絡む作品が東洋系の作り手と出演者で作られたというのが画期的で話題にもなっているが、考えてみるとこれお話あるいは構造としては中国系である必要がある世界観ではないのだね。
後半バカにカンフーシーンが続くと思ったら、エンドタイトルでプロデューサーにルッソ兄弟の名が。なるほど。
ただジャンル映画としてカンフーアクションを見せられるのと、カンフーをアートのアイテムにするのとでは爽快感が違う。
アカデミー賞発表は14日と明後日だが、どんな結果が出るか。