古代ローマと現代日本を風呂を介して行き来してそのたびに現代日本の技術を古代ローマに持ち込んで成功するという趣向は一作目でやっているからルーティンとして「それからしばらくして」という字幕でぽんと済ませてしまったり、機械でやっているのをいちいち奴隷がやっている図で出したりするといった具合に見せ方を変えて気楽に笑わせる。
前半、阿部寛が日本に来るとラテン語を話しているのに字幕をつけていた(これ自体冗談だが)のを、「ごくろうさまでした」と日本語に切り替える。今の観客向けに吹き替えが増えているのに合わせてだろう。
後半独自のドラマ仕立てになると北村一樹の二役の使い方など、手抜かりが目立つ。実は同じ顔の人間が二人いるとわかった時のルシウスが見せたであろうリアクションを拾っていなかったりする。そこでストーリーの仕掛けが観客に打ち込まれるはずのところで、そこを強調していないからなんとなく話が段取りで進むことになる。
画面作りはおおむね贅沢で楽しめるけれど、闘技場のCGとか微妙に安かったりする。
日本資本でブルガリアに作られたローマというのも不思議なものだけれど、マンガ原作らしい作り物感が適度に出た。対する日本の大掛かりな温泉地というのもロケが多いのだろうがそれ自体オープンセットみたい。
明らかに三作目を作る終わり方だが、どう閉じるつもりだろう。
原作者に原作料を100万円を払ったきりで映画一作目が60億円の大ヒットになったのに配分なかったので原作者というより周囲が騒いだ(映画『テルマエ』のヒットで、夫婦間が険悪になりました)というが、今更だがラストで原作も包合するプロジェクトであることをうかがわせる。今回はどんな契約になったのだろう。
(☆☆☆)
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