prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

6月18日のつぶやき

2019年06月19日 | Weblog


「スノー・ロワイヤル」

2019年06月18日 | 映画
「96時間」で55歳にしてアクションスター(⁉)になったリーアム・ニーソンがそのイメージを生かしながら裏切ってみせる一編。

もともと有名になったのは割と遅めだったから派手なアクションを演じるとは思われなかったのを、大きな身体を生かして一見一般人だが実はやたら強いというイメージチェンジを果たし、「96時間」の続編だけで何本も主演のアクションものが作られた。
ここでは息子がドラッグの密輸に巻き込まれて殺されたことから復讐に立ち上がるところあたりまではこれまでのイメージとほぼ一緒。

それが個人的怨恨に燃えて私的捜査を進めるうちに次々と死体が増え、その死んだ人間の名前が十字架などの墓碑と一緒にタイトルに出るあたりからヘンテコなおかしみが湧いてくる。

さらに勘違いが重なって先住民の組織との対立が深まるあたりになると意識しないまま「用心棒」の桑畑三十郎みたいな立場になってしまい、彼が手を出さなくても勝手に死体が増えていくのがまたヒドくておかしい。

アクションの派手さというより、一種の人間喜劇みたいな、ブラックユーモアみたいでもあるが背景の雪景色もあってホワイトユーモアという言葉が頭をかすめる(元の意味がどんなものかよく知らないが)ようなおかしみで見せる。

組織のボスが妻に平手打ちをかまそうとしたのを妻がダッキングでかわしてボスの股間をむんずとつかんで脅し返すのに大笑い。

「スノー・ロワイヤル」 - 公式ホームページ

「スノー・ロワイヤル」 - 映画.com

6月17日のつぶやき

2019年06月18日 | Weblog




「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

2019年06月17日 | 映画
怪獣たちの一大バトルという点ではてんこ盛りの大満足だが、日本発のぬいぐるみ怪獣がハリウッド製CG怪獣になると、スケールはでかくなるけれど可愛らしさは後退しますね。
怪獣が可愛いというのも妙な話ではあるが、特にモスラのフェミニンで平和的なイメージが「虫」そのまんまの感じで節足動物ぶりが強調される。(バトラみたいだとよく言われてる)

ゴジラが核兵器のアナロジーという設定は一作目だと生きていたが、繰り返して変奏しようとするとどうもムリが出てくる。放射能汚染というのは目にも見えず音も匂いもしないのが恐怖でもありいやらしさでもあるので、具体的な形を与えるのが難しい。

出てくる科学者たちがあらたかマッドサイエンティストとしか思えず、普通だったら文句なしの敵役になりそうな環境テロリストが引っ込んだ感じにすらなった。

エンドタイトルを見ているとメキシコのパートの撮影を請け負った会社はREDRUMというらしい。「シャイニング」のキーワードで、MURDER(殺人)を逆に読んだもの。会社の名前につけますかね。

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」 - 映画.com

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」 - 公式サイト

6月16日のつぶやき

2019年06月17日 | Weblog




「コレット」

2019年06月16日 | 映画
毎度のことなのだけれど、フランスの作家を描くのに英語版というのは興ざめ。手紙や店頭に並ぶ本はフランス語なのにね。こればかりは慣れることがない。これだったらDVDかネット配信の日本語吹き替えの方がひっかからないのではないか。

妻の才能を搾取するひどい夫が妻に対する微妙なコンプレックスを覗かせたりするのがおもしろい。
キーラ・ナイトレイが男装も舞台でのヘンテコな恰好も女同士のキスも似合う。男たちのおたおたぶりが今に通じる。

「コレット」 - 公式ホームページ

「コレット」 - 映画.com


6月15日のつぶやき

2019年06月16日 | Weblog






「イヴァン」

2019年06月15日 | 映画
スロヴェニア映画(クロアチアと合作)。車で行き来するので、イタリアと国境を接しているのがわかる。

ヒロインのマラが刑務所に入っていた男の赤ちゃんを一人で産みイヴァンと名づけるところから始まり、誰にも頼れない中、一番あてにならない男となかなか手を切れずぐずぐずと一緒に行動し、イヴァンを手放したり取り戻したりする、一種の地獄巡りのような感がある。
日本でもいくらでも週刊誌ダネになりそうな一歩間違えたらどうなるかわからない女とその赤ちゃんを徹底して密着して描く。

児童福祉士もマラを突き放して扱い(客観的に見れば当然だが)イヴァンを引き取る里親もなんだかあてにならないのではないかと思ったら、里親どころか先輩の里子たちがイヴァンが来ると自分が追い出されると敵意を見せるのにはぎょっとした。

ヒロインを演じるマルシャ・マイェル Marusa Majerはほとんどノーメイクで徹底したリアルな演技を見せ、お乳が張って洗面所で母乳を絞り出すのを顔を入れ込みで見せるのには驚いた。どうやったのだろう。

エンドタイトルによるとイヴァン役は五人でやってアニマトロニクスを併用しているらしい。

Ivan - IMDb





6月14日のつぶやき

2019年06月15日 | Weblog









「ユニコーン・ストア」

2019年06月14日 | 映画
キャプテン・マーベルのブリー・ラーソン監督・主演作。

美人なのだけれどエラがはってむくれたみたいに見える顔なので、ほとんどスッピンみたいな、ときどきいきなり口紅だけつけていたりするだけのメイクで変人キャラをやるのは女優とすると意欲をそそられるのかもしれない。

周囲の人間が腫れ物にさわるようにびくびくしながら接しているので、ドラマとするとあまり対立や葛藤は起こらず良くも悪くもスムースに、あまり盛り上がらずユニコーンの登場というファンタジー方向に移行した。

「ユニコーン・ストア」 - 映画.com

6月13日のつぶやき

2019年06月14日 | Weblog



「パドマーワト 女神の誕生」

2019年06月13日 | Weblog
最近のインド映画例に漏れないスケールの大きさに加えて左右対称の構図や滑空するような移動撮影など一種様式的な精練された映像美を生み出している。

ヒロインよりむしろ、悪役といっていい野心家のサルタンが半分以上主役になっていてドラマを動かしている。
一の家臣との関係がなんだかBLっぽく、サルタンが見たこともないヒロインに一方的に寄せる思いが戦争の原因になっているのが、権力欲の延長上の妄執に近く、時代劇でなければ描けない大仰さであると共に現代にもありそうなモチーフ。
インド映画が変わってきたのかどうなのか、勧善懲悪ではないので必ずしもすっきりしない。

冒頭のこの映画の製作中に動物虐待はしておらずCGで処理しているという断り共に、作者はジョーハル(尊厳殉死)を美化するものではないと出る。インド人にはパドマーワトの話は有名なのかもしれないが、なじみのない人間としては一種のネタバレになる。

「パドマーワト 女神の誕生」 - 公式ホームページ

「パドマーワト 女神の誕生」 - 映画.com


6月12日のつぶやき

2019年06月13日 | Weblog




「チェイサー」

2019年06月12日 | 映画
誘拐された息子を追っていくうちに誘拐犯のサイコっぷりに焦点が移るスリラー。
前半の追っかけに徹した描写と展開は面白いけれど、追っかけが終わって犯人たちの隠れ家に絞られるあたりからそれなりに凝ってはいるのだが、凝っては思案に能わず式に動きが急激になくなり失速気味になる。

ハリー・べリーの主演作で「ザ・コール 緊急通報指令」というスリラーもワン・シチュエーションで押し切ろうとして途中から凝りすぎて脱線してしまうきらいがあったが、初めからそういう作りを狙ったのだろうか。シンプルな構造で最後まで押し切る「激突!」型の作りは本当に難しいらしい。

「チェイサー」 - 公式ホームページ

「チェイサー」 - 映画.com


6月11日のつぶやき

2019年06月12日 | Weblog