「96時間」で55歳にしてアクションスター(⁉)になったリーアム・ニーソンがそのイメージを生かしながら裏切ってみせる一編。
もともと有名になったのは割と遅めだったから派手なアクションを演じるとは思われなかったのを、大きな身体を生かして一見一般人だが実はやたら強いというイメージチェンジを果たし、「96時間」の続編だけで何本も主演のアクションものが作られた。
ここでは息子がドラッグの密輸に巻き込まれて殺されたことから復讐に立ち上がるところあたりまではこれまでのイメージとほぼ一緒。
それが個人的怨恨に燃えて私的捜査を進めるうちに次々と死体が増え、その死んだ人間の名前が十字架などの墓碑と一緒にタイトルに出るあたりからヘンテコなおかしみが湧いてくる。
さらに勘違いが重なって先住民の組織との対立が深まるあたりになると意識しないまま「用心棒」の桑畑三十郎みたいな立場になってしまい、彼が手を出さなくても勝手に死体が増えていくのがまたヒドくておかしい。
アクションの派手さというより、一種の人間喜劇みたいな、ブラックユーモアみたいでもあるが背景の雪景色もあってホワイトユーモアという言葉が頭をかすめる(元の意味がどんなものかよく知らないが)ようなおかしみで見せる。
組織のボスが妻に平手打ちをかまそうとしたのを妻がダッキングでかわしてボスの股間をむんずとつかんで脅し返すのに大笑い。
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