MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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小田急50000形VSE(2)~車内の様子

2006-11-08 | 小田急グループ
 

小田急50000形VSEの概要などは(1)で記しましたので、こちらでは車内の様子などを取り上げたいと思います。

このVSEはVault Super Expressの略称で、「Vault」とは天井や空間の意ですが、その名前の通りVSEは車両の内外共に高さが高く、丸く独特な非常に特徴ある形の天井が特徴になっています。

VSE車内の天井は、蛍光灯などの灯具類や空調の噴出口なども見せない様に工夫され、暖かみを感じる木材なども使用した内装はこの車両の独特なイメージが漂っており、デザインで評判のJR九州の特急車にも負けない程のグレード、少なくとも首都圏の特急車両では右に出る車両は他にあるのかな?と少なくともMAKIKYUは感じさせられる出来栄えです。(皆様は如何でしょうか?)

個室を除く座席は回転式のリクライニングシートを採用しており、デザインはシンプルながらも特徴あるもので、座面側はオレンジ色なのに対して背面側はグレーとなっており、肘掛などには木材を採用し、また外の車窓を楽しめる様に座席の角度が若干斜めになっている事が特徴です。

この座席のリクライニング角度は小さめに出来ていますが、これはグループでの行楽利用などで座席を回転させた際に、反対側の座席と干渉して不快な思いをしない意図がある様で、また乗車時間もさほど長くない事を考えると、実情を踏まえた賢明な判断かと感じます。

またこの車両の窓は、天井の高さを確保する事もあって上下方向の高さは小さく出来ていますが、左右方向は4m近く(車端部を除いて座席4脚分)もあって車内からの展望も考慮されているのが特徴ですが、日よけは一般的なカーテンなどでは対応できない事もあってワイヤーを用いた独特なモノを用いていますが、これはやや扱い難く感じられ、完成度の高いこのVSEの数少ない弱点かと感じられます。(これは賛否両論があるかと思います)

この他車内に設置された案内表示用のLCDモニターでは、韓国語や中国語による案内や車窓の良い所での告知が行われ、客室は全面禁煙としつつも別途喫煙室を用意するなど、サービス面でも随分意気込みが感じられる事も挙げておきます。

ただVSEは2本しかない車両という事もあって運用されるロマンスカーは限られ、それも新宿~箱根湯本間の列車のみですので、狙って乗る位でないと乗車する機会は非常に限られ、また小田急線には他のロマンスカーや通勤型車両が使用される料金不要の急行なども運行され、こちらもなかなか魅力ある存在ですので、どれに乗車するか迷う所です。

そのためMAKIKYUもVSEには今の所1回しか乗車した事がありませんが、首都圏やその近郊にお住まいの方をはじめ、それ以外の地域に居られる方も首都圏を訪問されて小田急線に乗車される機会がありましたら、是非オススメしたい車両の一つで、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も是非一度乗車されてみては如何でしょうか?
(VSEには既に乗車されたという方も、宜しかったら乗車された際の感想などのコメントをどうぞ)

小田急50000形VSE(1)~「MAKIKYUのページ」開設半年記念記事

2006-11-08 | 小田急グループ
 
「MAKIKYUのページ」も11月8日で開設から早くも半年、最近では1日に200件を超えるアクセスを頂く日もあり、アクセスは延べ16000件を超える状況(IPアドレス数で換算)で、皆様に支えられてここまでやって来る事が出来ました。

これからも皆様に愛される「MAKIKYUのページ」を目指し、気まぐれながらも記事更新に努め、様々な話題を提供して行きたいと思いますので宜しくお願い申し上げます。

ただ「MAKIKYUのページ」はMAKIKYUの一方的な情報発信や個人的見解を主としており、ご覧の皆様方には一部の方を除いて馴染みが薄い海外関連記事を扱う事も多い事が起因しているのか、アクセス数の割にコメントが非常に少ない状況となっていますので、ご覧の皆様も何かありましたら精々コメント頂けると幸いです。
(なお「MAKIKYUのページ」では過去の記事へのコメントも歓迎です)

さて「MAKIKYUのページ」開設半年記念に登場頂くのは…

MAKIKYUがごひいきという事を時々触れており、また関連する記事も時折掲載してきた小田急線を走る花形車両でありながら、今まで通勤型車両ばかりで「MAKIKYUのページ」では一度も出てこなかった特急ロマンスカー、その中でも注目度抜群の最新型車両・50000形VSEを取り上げたいと思います。

この車両は昨年春に華々しくデビューした特急専用車で、最近はEXEなどのロマンスカーらしさが薄れたビジネス色の強い車両が多数を占める様になってきた中で、箱根観光の客層に焦点を当てて、小田急ロマンスカー伝統の展望席や連接構造(車体の連結間に台車を設置)を採用しつつも、外部デザイナーによるデザインを取り入れており、客室もグループ客に対応したサロン席も設置するなど、従来のロマンスカー車両に負けないインパクトと斬新さを持っています。

そして快適さを追求するためにかつて実車実験も行った車体傾斜機構を採用している事が特徴で、新製車という事もあって足回りもVVVFインバーター制御を採用しており、これにはモーター出力を小さくする代わりに数を増やし、通勤車両3000形で実験が行われた防音カバーを採用するなど、騒音低減による快適さを追求したものとなっており、また下回りの防音カバーはこの車両の優美な外観を構成するにも一役買っています。

1両当りの車体長さが従来の連接車(現存車両では7000形LSEと10000形Hi-SE)より長い事もあって、従来の連接車とほぼ同等の編成長でありながら1両少ない10車体連接の編成となっており、現在は10両2編成が活躍して好評を博しており、今年には鉄道友の会が前年に登場した優秀な車両に関して贈与する「ブルーリボン賞」も受賞しています。

今後の増備も期待したい車両ですが、製造コストが2編成で35億円とも言われるほど高額で、また今後地下鉄千代田線直通用の新型特急車・60000形MSEの登場も確定している事から今の所は増備の見込みもない様ですが、VSEの評判がかなり良い事もあって、今後登場するMSEにも地下鉄直通用で制約があるものの、この車両と同じデザイナーがデザインを担当し、なかなか期待できる車両になりそうです。

車内の様子などに関しては、(2)で取り上げたいと思います。