小田急50000形VSEの概要などは(1)で記しましたので、こちらでは車内の様子などを取り上げたいと思います。
このVSEはVault Super Expressの略称で、「Vault」とは天井や空間の意ですが、その名前の通りVSEは車両の内外共に高さが高く、丸く独特な非常に特徴ある形の天井が特徴になっています。
VSE車内の天井は、蛍光灯などの灯具類や空調の噴出口なども見せない様に工夫され、暖かみを感じる木材なども使用した内装はこの車両の独特なイメージが漂っており、デザインで評判のJR九州の特急車にも負けない程のグレード、少なくとも首都圏の特急車両では右に出る車両は他にあるのかな?と少なくともMAKIKYUは感じさせられる出来栄えです。(皆様は如何でしょうか?)
個室を除く座席は回転式のリクライニングシートを採用しており、デザインはシンプルながらも特徴あるもので、座面側はオレンジ色なのに対して背面側はグレーとなっており、肘掛などには木材を採用し、また外の車窓を楽しめる様に座席の角度が若干斜めになっている事が特徴です。
この座席のリクライニング角度は小さめに出来ていますが、これはグループでの行楽利用などで座席を回転させた際に、反対側の座席と干渉して不快な思いをしない意図がある様で、また乗車時間もさほど長くない事を考えると、実情を踏まえた賢明な判断かと感じます。
またこの車両の窓は、天井の高さを確保する事もあって上下方向の高さは小さく出来ていますが、左右方向は4m近く(車端部を除いて座席4脚分)もあって車内からの展望も考慮されているのが特徴ですが、日よけは一般的なカーテンなどでは対応できない事もあってワイヤーを用いた独特なモノを用いていますが、これはやや扱い難く感じられ、完成度の高いこのVSEの数少ない弱点かと感じられます。(これは賛否両論があるかと思います)
この他車内に設置された案内表示用のLCDモニターでは、韓国語や中国語による案内や車窓の良い所での告知が行われ、客室は全面禁煙としつつも別途喫煙室を用意するなど、サービス面でも随分意気込みが感じられる事も挙げておきます。
ただVSEは2本しかない車両という事もあって運用されるロマンスカーは限られ、それも新宿~箱根湯本間の列車のみですので、狙って乗る位でないと乗車する機会は非常に限られ、また小田急線には他のロマンスカーや通勤型車両が使用される料金不要の急行なども運行され、こちらもなかなか魅力ある存在ですので、どれに乗車するか迷う所です。
そのためMAKIKYUもVSEには今の所1回しか乗車した事がありませんが、首都圏やその近郊にお住まいの方をはじめ、それ以外の地域に居られる方も首都圏を訪問されて小田急線に乗車される機会がありましたら、是非オススメしたい車両の一つで、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も是非一度乗車されてみては如何でしょうか?
(VSEには既に乗車されたという方も、宜しかったら乗車された際の感想などのコメントをどうぞ)