還暦直前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症弁形成術体験記)

還暦を目前にして滋賀医大の浅井徹先生の執刀で僧帽弁形成術を受けました。
私の体験が同病の方の参考になれば幸いです。

入院3日目--9月9日(木)-2

2010年10月26日 | 入院(手術前)
午後は術前検査でもっとも大変と言われる心臓カテーテル検査です。
朝の検査では歩いていったわけですが、この検査は車イスで送り迎えしてくれます。
行くときは、何で車イス? と思いましたが、帰る段になってその理由がわかりました。

この検査は3時からで、少し前に車イスに乗り看護師さんに押していただきました。
点滴スタンドは私が転がしました。初めての車イス体験です。
心カテ検査室は無機質な感じで、ずいぶん広い部屋でした。ここでカテーテル治療もするので広さは確保してあるとのこと。

動脈からカテーテルを入れるところをしっかり見たかったのですが、姿勢の関係で残念ながら見ることはできませんでした。カテーテルが手首から上腕を通って心臓まで達するわけですが、上腕を通るときにわずかに虫が這うような感覚を一瞬覚えただけで、後は何の感覚もありませんでした。

モニターは私にも見えました。冠動脈に造影剤を注入すると冠動脈に造影剤が拡がり、そして抜けていく様子がしっかりと見えました。2秒くらい冠動脈が映りましたが、造影剤が抜けると真っ白でカテーテル以外ほとんど何も見えません。何も見えないのによく冠動脈の位置がわかるものだと感心しました。

この造影剤を注入するときって熱さを感じるんですね。胸が一瞬カァーッとなります。

心カテの最後は左心室に造影剤を入れて、左心房に逆流する程度の検査です。この検査は造影剤の量が多いので、熱く感じる程度が凄かったです。胸から頭の方に抜けていきました。
造影剤の流れより熱さの方に気を取られ、我に返ったときは検査終了でした。
ところで検査装置はドイツ製でした。なんとなくドイツ製が多いように思います。

検査時間は35分でした。最後にカテーテルを抜いて、止血処置をします。
動脈の方の止血はかなり大変です。
なんだか丸いもので強烈に押さえて、肘から手首まで副え木でガッチリ固定されました。
肘は伸ばしたままです。左手は丸い棒を握らされ、動かすことができません。
そして1時間毎に押さえる程度を軽くしていき、4時間後に解放となります。
止血処置が終わると車イスに移り、部屋に戻ります。
この状態で歩いて帰るのは(点滴もありますしね)、シンドイものがあります。

部屋に戻るとまもなく、検査結果を説明しましょうとのことで、モニターのある別の部屋に行きました。
検査中モニターで見たのと同じ画像を先生が説明してくれます。
冠動脈については狭くなっているところは全くないので問題なし。
心臓の動きも問題なし。
ヨカッタヨカッタ・・・・問題のないことがわかるとうれしいですね。

左心室に入れた造影剤が僧帽弁を通して左心房に逆流する様子が、説明いただいてよくわかりました。
逆流度は影の色が心室と心房でどのくらい違うのかを目で判断し、判定するそうです。私の場合は、心室と心房の色が同程度でしたので逆流は3度と判定されました。

手首の止血処置終了後(8時)は圧迫絆創膏を貼り付けられました。
これで一応手首はフリーになりましたが、朝までは動かさないように、と言われました。
でも、これでトイレに行くのは楽になりました。点滴も友達の上に手首が自由にならない状態での蓄尿はけっこう大変でしたし。
水飲む代わりの点滴なので、トイレが近い近い(笑)
こうやって造影剤を体から排出するんです。
止血終了の後は、心電モニターが取り付けられました。
点滴は全部で1.5リットル。夜中の12時にようやく終了しました。
体にいろいろ付けられての食事やトイレは初めてで、けっこう難儀しました。
もっとも手術後ははるかに大変になりましたが・・・・

それでも一方ではこの状況を楽しんでやるんだと・・・余裕かますにはちょっと厳しいものが。。。