還暦直前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症弁形成術体験記)

還暦を目前にして滋賀医大の浅井徹先生の執刀で僧帽弁形成術を受けました。
私の体験が同病の方の参考になれば幸いです。

入院6日目--9月12日(日)の夜

2010年10月30日 | 入院(手術前)
就寝時間になりました。後2回寝て朝が来たら手術です。
昨日までは毎晩ぐっすりと眠れたのですが、今夜はなぜか寝付けません。
頭がさえていろんな思いが駆け巡ります。
家族のこと、親兄妹のこと、走馬燈のように取り留めもなく・・・・

私が9歳の誕生日を迎えて10日後に母が亡くなりましたが、そんなこともあって娘達がそれぞれ9歳になったとき、私ども夫婦がそろって健康でいられたことに安堵したことを今でも覚えています。
娘達を悲しませずにすんだ・・・・と。

そして、50年前母親がどんな気持ちで先に逝ったのか、今さらながら無念で残念で辛かったであろう気持ちに思い至った。
自分が元気なときは全く気づかなかった。
それと戸籍も名前もありませんが、私より1年前に生まれてまもなく亡くなった兄がいます。

お前はちゃんと治療してしっかり生きなさいと、励まされているような、叱られているような、とても不思議な感覚を覚えた。
母と同じ病気になり初めて話ができた気がする。
私は2人分生きなければ。
とその翌朝つけた日記に書いてあります。
しかし術後1ヶ月半経った現在、あのときの感覚は日常にかき消されつつあり、明瞭に思い出すことはできません。

「はじめに」のところで、入院時点ではほとんどの不安は解消されていた・・・・と書いていますが、すべての不安が解消されるにはこの過程が必要だったようです。

ようやく最終的に気持ちの整理ができたようで、それからはぐっすりと眠れました。