曇り、24度、85%
薄茶に添えられる半生のお菓子で琥珀糖というお菓子があります。寒氷、食べる宝石などともいわれ、外側は砂糖が固まってコリッと歯に当たりますが、中は透明で柔らかなお菓子です。食感も楽しく、見た目も色とりどりに作れますので可愛いお菓子です。確か糸寒天とお砂糖を練り上げて作るのだと聞きました。
先日頂戴した琥珀糖、小さな箱の蓋をとって、「あら!」と声を上げました。白い3センチの拍子に切られた琥珀糖の上に一枚一枚木ノ芽がのっています。日本は木ノ芽の季節です。初めて見る木ノ芽の琥珀糖に思わず鼻まで寄せてしまいます。
ふっと鼻を突く木ノ芽の香り、日本ならではの繊細なお菓子です。普通は薄茶で頂くお菓子でしょうが、この木ノ芽の香りを損ないたくないので、澄んだ鉄観音茶を入れました。 木ノ芽の香りも優しい甘さもコロコロとまん丸な葉っぱの鉄観音茶ならすっきりと納まります。
山椒の木をこっそりと隠して日本から幾度持ち帰ったことでしょう。高温多湿、水遣りが多すぎたか、いつも2年目には山椒の木は枯れてしまいます。庭に一本あるとこの小さな緑の葉っぱはその色形香りと3拍子揃って食卓を飾ってくれます。いつかは日本の家の庭にも欲しい山椒の木です。
琥珀唐をかじりながら、お茶をすすります。ここが香港なんて忘れてしまう時間でした。 かじりかけ。「霜月」の「木ノ芽琥珀」、おごちそうさまでした。