晴れ、28度、84%
胸に何かつっかえた重苦しい状態が数日続きました。病気ではありません。精神的なものです。年に何回かこんな胸の中がすっきりと晴れない日がやって来ます。原因がはっきりしていることもあれば、何か分からないこともある。朝走って帰って来るとすっきりしていることが殆どですが、時には長居を決め込む胸のつっかえもあります。この歳ですから、年老いた者への心配、子供達の心配、自分たちの健康と胸に抱えることが多くなるのは当たり前のことです。出来るだけ胸に詰まっているものを軽くしてやりたいと思います。
そういえばここ数年、声を上げて泣いたことがなかったなあと気付きます。いえ、子供の頃から泣く時はぐっと堪えて嗚咽するタイプです。家の中で「オイオイ。」と声を出して泣きまねをしてみました。途端に声を出して笑ってしまいます。泣きまねをしても声を出して笑っても胸のつっかえは取れません。心配性ではありません。クヨクヨすることもありません。とにかく胸に何かがつっかえて灰色の雲がかかっているようです。
2日前、FBをスクロールして見ていると黒い犬の顔が大写しになりました。キャプションを読むと、闘病の末、昏睡状態のまま逝ってしまった犬の亡くなった時の顔でした。少し目を開いていました。でも、その目は苦しんだ様子もなくじっとこちらを見ています。その写真をどれくらい見ていたでしょうか、その犬の目をどの位見ていたでしょうか。会ったことのない犬です。痛い苦しい時期を過ぎ、静かに死を受け入れた小さな犬の目です。私の頬には涙が後から後から流れます。涙が止まるまでそのまま座っていました。
動物はじたばたせずに死を受け入れます。小さい時から何度もその瞬間に立ち合いました。小さな黒い犬の亡くなった時の目が何を私にくれたのか、涙の跡を拭いて立ち上がった時には胸のつっかえがすっかりなくなっていました。
これからも時々胸が塞がるようなことがあると思います。そんな時、いつも何かが私の心に響いてくれて洗い流してくれます。その何かに出会う、今回は亡くなった小さな犬の真っ黒な瞳でした。