晴れ,27度、84%
香港島の南には南シナ海が拡がっています。海岸沿いには幾つかの海水浴場があります。長いイギリス統治下には、島の南側は白人もしくは金満家の中国人が住んでいました。海に向った高台には、白い瀟洒な家が見られます。
観光客も訪れる赤柱(スタンレー)を過ぎ東に車を走らせると、石澳という村に行き着きます。村に入る手前には小さなゴルフ場があります。小さな入江になっているこの石澳も海水浴場のひとつです。香港に来た時、息子は小学4年生でした。来たのは三月、新学期に合わせてやって来ました。初めての夏休み、ホームリーブはありません。海外旅行なんて行けるお金もありません。まだ数ヶ月の香港生活、地元の生活に慣れてもらいたいと思います。そこで、毎日息子を連れて行ったのがこの石澳です。
石澳は水がきれいでした。人も殆どやって来ません。バスを乗り継いで行くその途中も山を越えますから楽しみでした。海に面しているのに、この村の人は漁をしません。そのせいか、魚の匂いのしない海辺の村です。
以前とは違って、この石澳の海水浴場は人が多く行くようになりました。急に、石澳に行って見ようと思い立ったのは昼前、車で行けば夏休みで駐車場がもう一杯のはずです。そこで、昔のようにダブルデッカーを乗り継いで行きました。昔はダブルデッカーはクーラーなんか付いていませんから、2階に乗っていると狭い山道を走るバスの窓から道沿いの木の枝が入って来ます。なんともダイナミックなバスでした。
案の定、途中で警察が自家用車の乗り入れを禁止しています。 昔変わらぬバス停ですが、夏休みの間は海水浴場の前までバスが入ります。私、泳ぎに来たのではありません。バスを降りて、左手に進むとこの石澳の村に入ります。 海沿いですから、こんな背の低い家が並んでいました。 村道を抜けて坂道にかかります。坂道を抜けると岬の先に着きます。この岬にかけて、 豪邸があります。香港のお金持ちの別邸です。ここにまで海水浴客の車が並んでいます。
戻って海水浴場に行って見ました。 カラフルなビーチパラソルです。パラソルを貸してくれる店もなかった頃は、木陰で休みました。30年近く前はポツポツと人が泳いでいて、村の放し飼いの犬も泳いでいました。
久しぶりに砂浜を歩きました。昔と砂が違います。サラサラの小粒の砂です。香港の砂浜はシーズン前になると砂を何処からかもって来て足すそうです。何処の砂かしら、地元の砂ではありません。息子と来ていた夏、お昼ご飯は毎日ここでした。 林家園、洒落たお店になってバーガーなどを食べさせてくれるようですが、昔は麺屋さんでした。一杯10ドルもしない地元の麺を食べていました。美味しかった。
香港の暑い夏が好きです。蒸し暑く、何処までも抜けるような空。私の香港の夏です。