ツワブキ
晴、16度、86%
「ツワブキ」の花が例年より早く咲きました。黄色いのになぜか地味な花に思います。 座敷の縁側下の大きな沓脱の石のすぐ脇に、私の記憶では、すでに60年は同じところに生えています。常緑の「ツワブキ」は庭の改装にも消える事なく同じ場所にあります。そして我が家の庭で「ツワブキ」があるのはここ一箇所でした。
秋から初冬に花をつけます。その花殻を私は昨年取らずに置きました。ハサミを使うのが面倒だったからです。するとこの春、庭のあちこちに「ツワブキ」と同じ葉の芽生えが見られました。 茶枯れした花殻から種が飛んだのでしょう。一番遠いところでは石垣の下の道脇にまで芽生えました。そのまま夏を越しました。親株が花をつけ、子株も蕾をつけています。 60年以上の古い株が初めて子供を作ったのです。まだ小さな株もありますが、来年の今頃は庭には「ツワブキ」の黄色い花があちらの隅、こちらの隅に見られるはずです。
もしかしたら親株が自分の寿命を感じての、子株作りだったのかとも思います。雨戸を開けると暗闇にもうっすら「ツワブキ」の黄色が見えます。子孫を残す、生き物の持って生まれた力を感じる「ツワブキ」です。