まろねふの廊下からの呟き

中年オヂさんの呟き転じて、人生備忘録となる…

悶絶! 猪鼻峠

2006年08月03日 | 廊下から
昨年、桜と国鉄色気動車の撮影をして、その存在が気になりだした、土讃線の国鉄型気動車。特にお気に入りのキハ58+キハ65の編成で、猪鼻峠越えと往年の走りを堪能し、昔を偲びつつ車内で昼食と洒落込んでみました。

高松発阿波池田行253D・255Dは松山区所属キハ58+キハ65の2両編成の各駅停車、折返し阿波池田発高松行254Dは、多度津まで各駅停車列車、多度津からは『快速サンポート』として運転され、坂出からは端岡以外は全て通過扱となり、往年の急行列車の走りが堪能できます。

この日の253Dは、キハ58-773+キハ65-26の編成。キハ58はトイレを撤去しデッキ付近をロングシート化した通勤型改造車ですが、キハ65はシートを交換したのみの急行型のイメージを色濃く残した車両です。当然、もう他では乗ることが出来ないキハ65に陣取り、その走りを楽しむことにしました。


高松駅4番線に停車中の253D

キハ65車内

お昼時でもあり、パッケージの雰囲気に魅かれた『四国お遍路さん弁当』を買い込み乗車。窓際のテーブルに置いて古の旅行を思い浮かべました。
お弁当の中身と言えば、オーソドックスな幕の内弁当ですが、飯タコの煮物やしょうゆ豆といった、地元の名物が入ったとても好ましいお弁当でした。

しか~し、あまりの空腹に耐えれず、発車までに食べ終えてしまう大きな誤算。やっぱり停車中に写真を撮るんではなかった…(笑)



『四国お遍路さん弁当』880円也 本当なら、ポリ容器に入った小さなお茶が欲しかった…

そうこうしている内に列車も発車しましたが、やはり電車中心のダイヤでは気動車の走りは厳しいらしく、いきなりのフル加速。暴れ馬の様な走りを見せてくれますが、そこは気動車、エンジンをふかして走り出すまでのもどかしさには、例え元急行用とはいえ性能の差を見せ付けられます。それゆえに、端岡と鴨川で特急列車を退避。鴨川では特急列車の他に『マリンライナー』にまで道を譲ります。


快速『サンポート』松山行を退避。端岡にて

特急『しまんと』を退避 鴨川にて

列車は坂出と宇多津で多くの乗客を乗せましたが、琴平まででその多くが下車しました。琴平までは平坦な讃岐平野を快走しますが、琴平を発車するとすぐに、猪鼻峠に向けての上り勾配が始まり、エンジン音は高らかにゆっくりとした足取となります。
塩入で上り『南風』と交換するので7分停車。外に出てみると床下からは熱気で陽炎がゆらゆら… ここまでの力闘を物語っていました。近寄りたくはありませんでしたが(笑)


『南風』と交換 塩入にて

更に上り勾配が続き、讃岐財田を過ぎると右手に国道32号線を望みながら、直線の勾配を進むと列車は猪鼻トンネルに進入します。線路はここでサミットとなり、今までとは一転し下り勾配を軽やかに下ってゆきます。
猪鼻トンネルを抜け、阪鶴鉄道のものを転用した短いトラス鉄橋を渡ると、下り場内信号が見え更にトンネルを抜けると、列車は坪尻駅下り方引上げ線で停車し、バックで坪尻駅に進入します。


下り引上げ線から本線を望む

坪尻到着の253D

坪尻で下車し、秘境の駅を堪能しつつ後続の255Dを待とうと思い下車すると、カメラを抱えた同好の方と…んんっ? 女子高生!! 話で聞いた事がある、1日に数名が利用すると言われる地元の人と思いきや、単に讃岐財田で降り損ねただけでした。流石に車掌が『上りが止まらないから箸蔵まで行くように』と案内していました。野郎2人に囲まれる危険より、私達が居なくなった後3時間も一人で居らせる方が危険…と判断した。そう信じたいのですが(爆)
坪尻の待合室に面白い張り紙があり、何とこの駅で10分以上停車する列車があるとの事。阿波池田発琴平行4232Dがそれですが、いやですねぇ…こんな所で待たされるのも。トイレに行こうにも、それこそ下から手が出てきそうなポットン式。四方は崖に囲まれて何があっても逃げられないようなロケーション… でも好んで降りる私は単なる変人か…


自然に帰りつつある駅を無視する『南風』

一緒に降り立った“鉄”のお兄さんは、東京から来たとの事。四国の鉄道が好きで、どうしても来たくなって新幹線で今日来たとの事でした。黒川で向日葵を絡めて撮影と、坪尻駅舎を絡めた撮影を目的としてきたそうで、私のような“車内で弁当を食べる”といった不純な動機ではないのがご立派…(笑)


坪尻到着の255D

後続の255Dは何と国鉄色のキハ58-293+キハ65-34。昨年4月に塗り替えた直後に見た時よりも、適度に煤けてより好ましい雰囲気となっておりました。坪尻を発車すると、更に峠を下り幾つかのトンネルを抜けると、車窓右手の眼下に池田の町並みが広がります。盆地の外輪を大きく迂回する途中に箸蔵駅があり、更に下ると吉野川が見えてくると列車は右に大きくカーブし撮影名所でもある吉野川橋梁を渡り、徳島線と合流し阿波池田へと到着します。


一瞬の賑やかさを見せる阿波池田駅

待機する254D

阿波池田では、各方面の列車が並びますよと、先程のお兄さんに教えていただき、駅近くの陸橋まで同行することに。
このあと、特急『剣山』を撮影したりして、254Dの発車を待ちます。


『剣山』徳島行

発車を待つ254D

岡山行『南風』が発車後、254Dが入線しキハ65-34に乗車して帰ることに。坪尻をフル加速で通過した頃からウトウトし、気が付けば琴平。ここからは睡魔と闘いながらも、多度津で車内からマヤ34を撮影し、眠い目をこすりながら、最後の快速区間の力走を味わい、18:05定刻に高松に到着しました。
久々に堪能した“汽車”の旅。また弁当を持って乗りたいな…


高松に無事到着