一休みをして、すぐ近くにある「祝福の谷修道院」に散歩に出かけた。
14世紀にアヴィニョンの法王インノケンティウス6世によって創設され、
フランスでもっとも大きな修道院として繁栄したが、フランス革命後、
長く廃墟になっており、近年修復が進んでいるという。
革命後、芸術作品は全て売り飛ばされ、広い院内はガランとしているが、
インノケンティウス6世の墓は大理石で作られ、
細工もすばらしい物だった。
あちこちの部屋を見て歩いている内に、ある部屋の隅に、
面白い物を見つけた。
80cm位の石の真ん中に木の蓋がしてある。
何も書いてないが、きっとトイレに違いないとにらんだ。
直接、こんな冷たい石の上に座って、
さぞ、その度にゾクッとしたことだろう。
次にすぐ近くのサンタンドレ要塞に出かけた。
何ともいかめしいこの要塞は、14世紀の中頃、
ローヌ川対岸の法王庁に対し、
フランス王の権威を誇示するために造られ、
かつてはこの中に修道院と町があったそうだが、今は廃墟となっている。
要塞の門の塔に上がってみた。
多分、60メートル位の高さではないかと思うが、
アヴィニョンとローヌの谷の眺めがすばらしかった。
ローヌ川を挟んで、アヴィニョンの対岸にある
ヴィルヌーヴ・レザヴィニョンは、
13世紀以来フランス領で、アビニョンに法王庁があった時代、
裕福な枢機卿達が、この地にこぞって豪華な邸宅を建てたところから、
今も静かな落ち着いた街並みが残っており、
後日談になるが、今回の旅で、私が一番お気に入りの町だった。