9月17日(木)
Milan
ミラノ
9:20、今日は「スカラ座」「ドゥオーモ」
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を
見るために観光バスに乗った。
このチケットは事前予約が必要で、「最後の晩餐」の会場には、
一度に30人、15分だけしか中に入れないというので、
日本で事前予約をして臨んだ。
ガイドのトヨタさんはイタリア在住20年のすてきな女性で、
我々日本人7人の担当。
40人乗りのバスに、幾つかの国の人達が、
それぞれのグループのガイドの元に、
イヤホーンで案内を聞きながら観光名所を回る。
スカラ座内部の見学はとても興味深かった。
ホールまでの階段には初演からのポスターが全て貼られており、
これはかの有名なプッチーニのオペラ トゥーランドットの物。
舞台の上で用意をしている人達を見ることが出来、
昔の貴族達が幕間に優雅に集まって談笑したであろう待合室に遊び、
代々の歌姫達の肖像画、作曲家や指揮者の銅像、
舞台で付けたジュエリー類、
書きたい事、載せたい写真は山ほどあるが、割愛・・・
でも、そっと使わせてもらったトイレは、ここに披露・・・
1776年2月25日に初代のスカラ座は火事で焼失し、
現在のスカラ座は2年後の1778年に建てられた二代目。
その当時の様子が描かれた絵画があり、
今とほとんど変わっておらず、車寄せの造りもそのままだった。
もちろん手直しはされているのだろうが、
230年以上昔の建物とは思えない現在のスカラ座。
ここからバスは市内を回り、ドゥオーモ(ミラノ大聖堂)の見学に向かった。
2012年にもここへ来たことがある。
(上のドゥオーモをクリックしてね。その時の記事が出てきます。)
幸運にも、我々旅行者は滅多に出会うチャンスのない
ミサが行われていた。
ドゥオーモに向かって左側のアーケードは、
中の建物が以前より明るく感じたので、不思議に思っていたら、
昨年、プラダがエキスポを機に、資金を提供して磨いたそうだ。
そして、前回は全く知らなかったが、牡牛のモザイクがあり、
その股間部分の窪みに踵を載せてぐるっと回転すると
願いが叶うという言い伝えがあるというので、今回、私も回ってみた。
もしかしたら・・・・ジャンボ宝くじでも買いに行こうかな。
その後、サンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会にある
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」を見るために移動。
この教会は世界遺産に登録されている建物で、ここに
彼が1495年から1497年にかけて描いた
「最後の晩餐」が展示されている。
いつもは閉まっているという教会の扉が、この日は開いていて、
「えっ、こんなこともあるんですね、ラッキーですから、
さっと見て来て下さい。」とガイドさんが言われた。
今晩、ここでコンサートが開かれる為、用意の最中だったらしい。
何だか、得した気分!
それから、順番を待つ間、この絵に付いて
トヨダさんから詳しい説明を受けた。
彼女のお話は聖書の内容を 細部まで知らなければ
絶対に説明出来ないのではないかと思い、
そのことを伺ったら、やはり、クリスチャンだと言われた。
「ここでは、クリスチャンにならなければ、生活が出来ないのです。」
日本における宗教とは全く違う、宗教その物が生活なのだ・・・
度重なる修復の結果、その時代、その時代の修復師達の考えによって、
上から塗り重ねられた物を、丁寧に剥し去り、現代の科学を駆使して、
塗料の種類を特定し、何年もかかる作業の結果、
今日の作品になったという。
戦争の爆撃によって周囲は全て崩れ去ったが、
この絵だけが奇跡的に残された。
数年の間、軍用のシートだけを覆い被せてあったので、
これも劣化の原因の一つになったり、また、教会その物が
牛舎、豚舎に使われたりし、その糞や息、汗などで
かなり作品が損なわれたこともあるという。
本物は撮影禁止で、撮れなかったので、ポスターで我慢!
夫は30年前と、その後にも一度訪れたことがあり、
その頃の絵と、周囲の環境の変化にひどく驚いていたら、
トヨタさんもその通り、その通りと頷いていらっしゃった。
立派な建物の中で、厳重に温度、湿度など管理されていれば、
500年前の天才の遺産が後世の人達に残される。
私達にとって、これからの人達にとって幸せなことだ。
9:20~13:30まで、なかなか興味深い、楽しい4時間だった。