9月25日
そろそろ日本への帰国の日が近づいてきた。
ホテルアイガーには二人の日本人スタッフがいらして、
そのお一人はもう17年もこちらにいらっしゃるそうだ。
英語、ドイツ語は不自由しないが、イタリア語は少し・・・とおっしゃる。
これだけの経験を生かして、日本で働いたら、日本の宝になるだろう、と
思ったが、御本人は考えながら「うう~~~ん、むずかしいですね、
日本にはもう帰れないと思います。」と言われた。
生活のリズムが違い過ぎるのかもしれない。
のんびり最後の朝食を楽しんで、
グリンデルワルトの駅から
インターラーケン、シュピーツ、ベルン、
電車で3回も乗り換えて、チューリッヒに着いた。
昨年は研修旅行でベルンに来たが、
街並みが見えると、その時のことが走馬灯のように思い出された。
卒業された皆さんは、
それぞれの環境の中でがんばっていることだろう。
チューリッヒには日本に帰る時に立ち寄るようにして、
買物をしたり、町中を散策することはあるが、
特に観光に出かけたことはない。
きっと有名な所もあるのだろうが、
ザンクト・ペーター教会の大時計はいつも見に行く。
チューリッヒで最も古い教会で、
塔の側面にある大時計は直径8、7mもあり、
これはヨーロッパ最大の大きさだという。
そして、夕方、それぞれの買物を済ませた我々はここで落ち合って、
一昨年にも行った近くのレストランで最後の晩餐を楽しむことにした。
前回、薄切りのトマトの上に丸いままポンと置かれた
バッファローのモツァレラがすばらしくおいしかったので、
それを頼んだら、残念ながら形が変わっていた。
しかし、おいしかった・・・・
夫は飲むほどに饒舌になる。
二人の学生は同じようなことを何度も聞いているのだろうが、
笑ったり、頷いたりしながら、神妙な顔をしていた。
私は若い二人の全くシミもシワもない美しい顔を見ながら、
夫にもこのような時代があったのだろうと想像をしたり、
50歳も年の違う人達と一緒に旅をする体力を
保っていることのすばらしさを思ったりした。
最後にお二人からすばらしいプレゼントをいただき、
しかも、ここのお食事も御馳走になることになり、
申しわけない気持ちでいっぱいだった。
お二人はこの旅行の前に、スリランカに研修旅行に出かけ、
そこで他大学から参加された方達と交流し、帰国した翌日から
パリへ来られたのだが、光さんはかなりひどい下痢で、
とても辛そうな様子だった。
しばらくは何も食べられず、痛みのためかいつもの笑顔はなく、
私はとても心配で、無理やりに彼を捕まえて腸のツボにお灸をし、
夫は持っていた抗生物質を飲むようにと渡した。
最初の日は「温かくて気持ちがいい・・・」と喜んでいたお灸も、
3日もすると「もう熱くて我慢できない!」と逃げてしまった。
・・・・これで効いた、と安心したら、
案の定、だんだんと痛みが止まり、
笑顔が見え始め、ホッとした。
お灸が効いたのか、薬が効いたのか定かではないが、
とにかく良かった。
私は今回行っていないイタリアのムラーノのガラス工場や、
スイスのトゥルンメルバッハの滝など、
感激も多かったと聞きうれしかった。
昨年で終る予定だったヨーロッパ旅行に、
今年四人の若者が合流してくれ、
たくさんの思い出をまたもらった。
もうこれで本当に最後になるだろう・・・・
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