夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『五等分の花嫁*』

2024年09月28日 | 映画(か行)
『五等分の花嫁*』
監督:宮本幸裕
声の出演: 松岡禎丞,花澤香菜,竹達彩奈,伊藤美来,佐倉綾音,水瀬いのり他
 
TOHOシネマズ西宮にて。
 
なんだかわからないまま観に行った『五等分の花嫁∽』(2022)。
が釣り上げたオンクレの景品の中にそれらしきものがなければスルーしていたでしょう。
 
相変わらずなんだかよくわからないのですが、とにかく五つ子ちゃんがいる。
中野一花、二乃、三玖、四葉、五月という女ばかりの五つ子で、顔は同じ、髪型だけちがう。
彼女たちの家庭教師を務めるのが上杉風太郎。
 
風太郎の使命は勉強嫌いの5人の面倒を見て、落第なしで高校を卒業させること。
その使命を無事に果たしたのでしょう、本作ではハワイ新婚旅行とな。
え、えっ、五つ子のうち誰と結婚したんかいなと思ったら、四葉らしい。
 
新婚旅行だからといってふたりきりで行くわけじゃあない。
五つ子全員と風太郎がハワイへ行き、四葉と風太郎が同じ部屋、あとの4人がまとめて別の部屋。
ところが到着してすぐに五つ子の父親(たぶん(笑))に捕まった風太郎は、
娘たちがトラブルに巻き込まれそうだからよろしく頼むと言われてワインをがぶ飲み。
そのままバタンキューとなり、初夜も何もあったもんやありません。
 
街をぶらついていた折に現地の少女から声をかけられたのは五つ子のうちの誰だったか覚えてない。(--;
少女が想いを寄せる日本人少年とのデートが上手く行くようにアドバイスがほしいと言われたけれど、
英語で話しかけられたものだから、何を言われているのかわからずにOKとだけ返事してしまう。
この局面を風太郎指揮のもと、五つ子総動員の入れ替わり作戦で乗り切ります。
 
こんな感じの話かと思うのですが、原作読んでない、TVアニメ版も観ていないとなるとわからんわからん。
わからんわりには楽しめたけど、五つ子に家庭教師ひとりで新婚旅行って、
なんか生々しい設定だと思うのは、こっちがオバハンだからでしょうか。(^^;

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『カミノフデ 怪獣たちのいる島』

2024年09月12日 | 映画(か行)
『カミノフデ 怪獣たちのいる島』
総監督:村瀬継蔵
出演:鈴木梨央,楢原嵩琉,町田政則,馬越琢己,吉田羽花,樋口真嗣,笠井信輔,
   春日勇斗,塚本このみ,柳澤花,釈由美子,斎藤工,佐野史郎他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
原作者で総監督も務める村瀬継蔵は来月89歳の誕生日を迎える特撮界のレジェンド。
20歳そこそこで北海道から上京して東宝へ入社、特殊美術を担当したそうな。
1970(昭和45)年の万博では「太陽の塔」内の“生命の樹”にくっつけられた恐竜の造形も担当。
この人なくしては日本の特撮は語れないというぐらいの人のようです。
 
そんな彼に敬意を表し、本作のHPには山崎貴監督がコメントを寄せ、
“進撃の巨人”シリーズの樋口真嗣監督が役者として出演。斎藤工も友情出演を果たしています。
 
特殊美術造形家・時宮健三(佐野史郎)が亡くなり、お別れ会と称して作品の展覧会が開催される。
健三の孫・朱莉(あかり)(鈴木梨央)には厳しかった祖父の印象しかなく、
山ほどある祖父の作品もこれで片付けられるではないかと言うと、母親の優子(釈由美子)が少し寂しげに笑う。
優子の腕には大きな傷痕があり、あれもきっと健三のせいでできた傷に違いないと朱莉は思っている。
 
朱莉が会場をぶらついていると、同級生・城戸卓也(楢原嵩琉)の姿が。
卓也は大の特撮ファンらしく、崇拝していた時宮健三の孫が朱莉だと知って大興奮。
ふたりで話していると、健三の古くからの知人だという男性・穂積(斎藤工)が声をかけてくる。
 
穂積によれば、健三は『神の筆』という映画を企画していたらしい。
そのプロットのメモを渡された朱莉と卓也は、急に光に包まれて、映画の世界に紛れ込んでしまう。
こうなる前に穂積が朱莉にかけた言葉を思い返してみると、神の筆を探してほしいということ、
そしてもしそれができなければ世界は消滅してしまうということ。
世界を救えるのは朱莉しかいないと知らされ、朱莉と卓也は戸惑いながらも行動を開始するのだが……。
 
今の時代の特撮と比較すると、そりゃもうなんというのかチャチい。
恐竜なんかの動きもビミョーなのですが、CGを駆使した絵とは異なり、なんだかぬくもりがあります。
昔の怪獣映画の空気が漂っていて憎めません。
子どもの頃に観た“ウルトラマン”とか“仮面ライダー”、“超人バロム・1”、“キカイダー”など、
次々と思い出して懐かしい気持ちがこみ上げてきます。
 
だからってすごく面白かったかと言われるとそこまでは。
ただ、前日途中退場したTHE 3名様Ω これってフツーに事件じゃね?!よりは確実に大画面で観るべき作品です。
途中で帰りたくもなりませんでしたし。(^^;

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『きみの色』

2024年09月09日 | 映画(か行)
『きみの色』
監督:山田尚子
声の出演:鈴川紗由,髙石あかり,木戸大聖,やす子,悠木碧,寿美菜子,戸田恵子,新垣結衣他
 
公開初日のレイトショー、前述の『ACIDE/アシッド』と同じくイオンシネマ茨木にて。
 
『映画 聲の形』(2016)の監督&脚本コンビニよるオリジナルストーリー
そうです、私がそれだけで凄いと思うオリジナル脚本。
けどこれも監督よりも髙石あかりが気になっていた部分が大きいです。
 
クリスチャン系の女子高に通う日暮トツ子は、幼い頃から人のことが「色」で見える。
おかしな奴だと思われるだろうから、誰にもそんな話をしたことはない。
美しい青色を放つ同校生の作永きみのことが気になり憧れていたが、
話す機会もないままにきみが自主退学してしまったと知り、残念に思う。
 
そんなある日、きみが古書店でバイトをしているらしいとの噂を耳にし、
偶然を装って入店してみると、ギターを弾くきみの姿が。
咄嗟に口をついて出たのは「バンドを組まないか」という言葉。
たまたま来店中だった男子高校生の影平ルイが綺麗な緑色を放っていたことから、
勢いでルイも誘うと参加したいと、即答が返ってきて……。
 
悪い人が出てこない話というのはなんだかんだで落ち着く。
そのせいでドキドキ感はいっさいないから、ところどころ睡魔に襲われたのも事実です。
 
トツ子は家庭に問題があるふうではないけれど、毎日聖堂にひとりでいる。
目立たずおとなしい彼女には友だちもいないようで、“ぼっち・ざ・ろっく!”とかぶるものの、
敬虔なクリスチャンらしき設定に、宗教臭の強い作品が割と苦手な私は少し引き気味。
 
一方のきみは、学校でも人気者だったのに、なぜか急に辞めてしまう。
親に代わってきみを育ててくれている祖母に、学校を辞めたことを伝えられません。
しかしこんな私立の学校を保護者に内緒で辞めるなんて無理じゃなかろうか。
 
ルイは小さな島の診療所を経営する医者一族に生まれ、継ぐのは必至。
医学部を目指す優秀な学生で、自分の進む道もきっちり決めていますが、
音楽が大好きで趣味として続けていることを母親に言えない。
彼が演奏するのがテルミンという点には非常に惹かれました。面白い。
 
良くも悪くも平和に話が進みすぎると思っていたところ、終盤の演奏シーンは白熱。
3人の演奏がとてもよかった。
品行方正にしか見えないシスター日吉子がギターについて熱く語るところは笑いました。
新垣結衣が声を担当するこのシスターが素敵すぎて、飛び入り演奏してほしかったぐらい。
 
終わってみれば眠かったシーンがあることも忘れ、うん、まぁよかったと思うのでした。

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『クレオの夏休み』

2024年08月31日 | 映画(か行)
『クレオの夏休み』(原題:Ama Gloria)
監督:マリー・アマシュケリ
出演:ルイーズ・モーロワ=パンザニ,イルサ・モレノ・ゼーゴ,アルノー・ルボチーニ,
   アブナラ・ゴメス・ヴァレラ,フレディ・ゴメス・タヴァレス,ドミンゴス・ボルゲス・アルメイダ他
 
昨年の3月からずっと、毎月最終日曜日の晩に動物園前の動楽亭でおこなわれる落語会に行っていました。
若手落語家の笑福亭笑利さんの“20ヶ月連続古典落語根多下ろし公演”。
毎月ネタ下ろしだなんて無謀なことをするもんだと思っていましたが、応援したくて皆勤賞を目指す。
ところが今年3月に母が倒れて入院、その月はさすがに行けず、皆勤賞が消えました。
翌4月に母が亡くなり、実家の片付けなどに追われて動物園前からは足が遠ざかる。
 
母が存命だったときは、動物園前に行くたびに「今から寄席だよ」「楽しんでね」とか、
終演後に「帰るね」「気をつけて。おやすみ」などと電話やLINEのやりとりをしていたものだから、
そのときのことを思い出すと妙に寂しくなってますます足が遠のく。
そろそろ行こうかなと思ったときにはチケットが完売していたりして、
あぁ、このまま私は笑利さんとオサラバかしらなどとも思っていました。
 
しかしあんなに応援したいと思っていたのに、このままサヨナラでいいのかと思い直し、
8月は久しぶりに行ってみることにしました。
演目は聴きたかった『皿屋敷』だし、ゲストのアキナはまだ生で見たことがなかったし。
 
結果、思いきって行ってよかった。やっぱり応援したい噺家さんです。
 
で、動物園前に行く前に映画を1本ぐらい観たいと思い、シアターセブンへ寄りました。
 
フランス作品。
監督はこれが長編デビュー作となるマリー・アマシュケリ。
クレオを演じるルイーズ・モーロワ=パンザニはこれまで演技未経験者らしい。
なんですかこの愛らしさは。もう今から彼女の今後が楽しみで楽しみで。
 
生まれてすぐに母親を亡くした6歳の少女クレオ。
アフリカ・カーボベルデ出身の女性グロリアがナニー(乳母)として彼女を育てている。
クレオはグロリアのことが大好きでたまらない。
 
ところがある日、グロリアの母親が亡くなったと連絡が入る。
故郷に我が子を残したままパリに来ていたグロリアは、これを機会に里帰り。
もうフランスに戻ってくることはないと言う。
悲しみに暮れるクレオに、グロリアは夏休みに遊びに来るように言い残す。
 
グロリアと約束したのに、クレオがひとりでカーボベルデに行く話をなかなか進めてくれない父親。
クレオから嘘つきと責められ、ついに父親も決心。
遠くカーボベルデのグロリアに会いに行き、ひと夏を過ごすクレオだったが……。
 
どうしたらこんないい子に育つのだろうと思うくらい、クレオは愛らしい子。
「子どもらしい」という言い方は語弊があるかもしれませんが、
ませて子どもらしくない子どもじゃなくて、めちゃめちゃ子どもらしい子ども。
 
シングルファーザーの父親も、出番は多くないけれど善人だとわかる。
父親とクレオのやりとりも思わず微笑んでしまう素敵なものです。
こういうシーンを見ると、人にまかせっぱなしにせず、でもまかせられるところはまかせて、
子どもの表情をよく見ながら日々を送るのがいかに大切かわかるような気がします。
 
カーボベルデに行くと、そこにはグロリアだけではなく、彼女の家族がいる。
長女はすでに大人で妊娠中。心にも余裕があるからクレオにも優しい。
だけど長男のセザールはまだ少年で、生まれたときから不在だった母親がいきなり帰ってきたうえに、
よその国でまるで我が子のように育てたクレオが遊びに来たものだから面白くありません。
 
やがて長女が出産すると、グロリアも孫の面倒ばかり見るようになる。
赤ちゃんは可愛い。でもグロリアを赤ちゃんに取られたような気がして、クレオは時に暴挙に出てしまう。
それがいけないことだとクレオはわかっていて、泣きじゃくる姿はたまりません。
 
こんなに幼いのに、きっと母親のことなんて何も覚えていないだろうに、母親のことを大事に思う気持ち。
それを演技で表現出来るこの少女は、いったいどんな感受性の持ち主なんだと驚きます。
 
少女のひと夏の思い出を描いた作品って、「珠玉の」と言いたくなるものが多いですね。
『コット、はじまりの夏』と並んで好きな作品になりました。

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『恋を知らない僕たちは』

2024年08月27日 | 映画(か行)
『恋を知らない僕たちは』
監督:酒井麻衣
出演:大西流星,窪塚愛流,齊藤なぎさ,莉子,猪狩蒼弥,志田彩良他
 
公開初日の晩、イオンシネマ茨木にて舞台挨拶中継付きの回を鑑賞しました。
『赤羽骨子のボディガード』のときにも書きましたが、舞台挨拶付きの回を積極的に観るつもりはないのです。
なんなら、無しのほうが早く始まって早く終わるからいいくらいなんですが、
あってもなくても通常料金ならば、観るほうが得だという気はしますから。
 
登壇者は主要メンバーの6人全員と酒井麻衣監督。
俳優陣が可愛いのは当たり前のこととして、酒井監督もひらひらワンピースのよく似合う可愛い人。
若手を起用した青春映画の舞台挨拶を見ると、端っこに浮いたオッサンがいてそれが監督、
ということが多いから、女優と聞いても違和感ないような女性監督がいると驚きますね。
 
「演じさせていただきました」についてはもう書くまい。って書いてるやん(笑)。
中央の2人だけ「演じました」だったことをご報告します。
あ、酒井監督も「監督の酒井です」でしたね。これだけで好感度上がる私もおかしいけど。(^^;
 
原作は『別冊マーガレット』に連載されていた水野美波の同名少女漫画。
『虹色デイズ』(2018)の原作者もこの人だったのですね。
 
相原英二(大西流星)は別所直彦(窪塚愛流)と親友同士。
中学のとき、転校生が来たらしいとの噂に見に行ってみると、それは英二の幼なじみ・汐崎泉(莉子)だった。
転勤族の父親を持つ泉が戻ってきたことを知り、心が浮き立つ英二。
しかしそれを口にすることはなく直彦と泉の3人で過ごすうち、高校入学を前にまた泉が引っ越し。
しかも泉に想いを告白した直彦の彼女となって。
 
高校2年になり、なんとまた泉が戻ってくる。
直彦と彼女の遠距離恋愛は途切れることなく続いており、泉は今も直彦のカノジョのまま。
目の前のふたりを見ているのはつらいけど、ふたりとも大事な友だち。仲を壊すなんてできない。
 
ところが、泉の転入先の同級生・藤村小春(齊藤なぎさ)が直彦のことを好きになり、
あの手この手を使って直彦を自分のほうに振り向かせようと画策しはじめる。
気が気ではない英二は泉が傷つくことを恐れ、小春を監視するためにつきあおうと提案。
英二といれば直彦のそばにいられるから、小春もこの提案を即受け入れる。
 
一方、一見お堅い優等生で図書委員の池澤瑞穂(志田彩良)はひそかに英二に片想い中。
ギターの練習に邁進する見た目チャラ男の瀬波太一(猪狩蒼弥)は、瑞穂に想いを寄せている。
あるとき彼女の英二への想いに気づき、応援しようとするのだが……。
 
予告編を観たとき、大西くんの「俺とつきあおう」という声に変声期前かよとツッコミを入れたくなり、
いくらカワイイ顔をしていてもこの声じゃスベるなどと思っていました。
本編を観たら、まぁ大西くんの顔と声は合っているからそこまでの違和感はなかったけれど、
うーん、やっぱり私としては彼の声は無しやなぁ。向こうからお呼びでないか(笑)。
 
それも含めて、6人全員、私がすごくカッコイイとかカワイイとか思う面々ではありません。
そのせいでキュンキュン度には欠けるし、あざとすぎてどうでもいい。
どうでもいいなら観に行くなっちゅうことになるのですが(笑)、俳優の名前と顔を覚えるには役立ちます。
 
6人以外にはその他大勢の人が出てくるだけで、親が出てくることもなし。
小春を振る先輩モテ男子として登場するのが友情出演している小宮璃央で、彼演じるヒロくんは凄いですよぉ。
その日の気分でお昼に何が食べたくなるからわからないからと、
小春は学校の購買部で売っているおにぎりとパン全種類を買っています。
その中にハムカツパンがないと言って怒るヒロくん。
こんな奴、死んでしまえと思うけど(笑)、嫌われたくない一心でこんな要求に応えようとするのもアホです。
でもうんと若い頃なら、こういう気持ちになるのもわからなくはない。
 
つまり、「五分五分」が大事ってことです。

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