夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『歌え!フィッシャーマン』

2003年10月07日 | 映画(あ行)
『歌え!フィッシャーマン』(原題:Heftig og Begeistret)
監督:クヌート・エーリク・イェンセン
出演:ベルレヴォーグ合唱団

最近ドキュメンタリーを観ていることが多いような。
これは2001年にノルウェーで公開され、
1年以上のロングランとなった作品。
なんと、男声合唱団の記録映画です。

ノルウェーの最北端の小さな町、ベルレヴォーグ。
魚のほかには歌声しかない。
90年の歴史を誇るその合唱団には、
96歳を最年長に、平均年齢は60歳の男性ばかり30名。
団員たちへのインタビューを中心に、
彼らのこれまでの人生、そして今を追う。

車椅子の指揮者。
11年前まではドラッグ中毒だった者。
女の尻ばかり追いまわしていた者。
数学の能力に飛び抜けていながら、目の障害があり、
町を出る機会を逸した者。

さまざまな人生を送ってきたが、誰もが歌をこよなく愛し、
そしてこの町の誰もが合唱団を愛している。

いつかこの町以外のどこかにも
自分たちの歌声を響かせることを夢見ていた彼らのもとへ、
ロシアからコンサートの依頼が舞い込む。
一同は期待に胸を膨らませ、ロシアへ向かう。

水産加工工場がひとつあるだけ、
決して裕福ではないこの町だけど、みんなほんとに幸せそう。
心が裕福なのですね。

原題の“Heftig og Begeistret”は、英語に訳すと“Cool & Cragy”。
ほんとにそのとおりかも。
しかし、クールでクレイジーなこのおっちゃんたちの声の魅力で、
睡眠不足のときに観るとウトウトしてしまいます。

ラストシーンで雪が舞うなか、
眉毛を凍らせ、鼻からツララを垂らしながら歌うベルレヴォーグ合唱団。
寒そうだけど、歌声は温かい。

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