夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『エスター』の夫婦、夫のほう。

2010年09月03日 | 映画(番外編:映画とこの人)
さて、『エスター』(2009)の夫婦の夫役、
ピーター・サースガードが出演しているのは『17歳の肖像』(2009)。
英国の女性ジャーナリスト、リン・バーバーの自叙伝の映画化です。

舞台は1961年のロンドン郊外。
16歳の美少女ジェニーは、ラテン語以外は成績優秀。
特に小論文は、こんな生徒がいることを教師が幸せに思うくらい、
素晴らしい才能を見せています。

両親は、ジェニーがオックスフォード大学に入ることを切望し、
父親に至っては、入学に有利なことのみしていればよいという考え。
趣味のチェロも、楽団に在籍することは協調性を表すからと始めさせられたようなもの。

ジェニーは、優等生の自分が嫌いではありませんが、
何の変化もない毎日が退屈でたまりません。
本当はパリに死ぬほど憧れ、想いを馳せています。

ある日、チェロを抱えてバス停にいると、急に降り出す雨。
近づいてきた車の運転席から顔を出したのは、30代とおぼしき男性。
「怪しい奴だと思うかもしれないが、僕は君のチェロが心配だ」。
デイヴィッドと名乗るその男は、チェロだけ車に乗せてはどうかと言います。

それが可笑しくて、結局は車で家まで送ってもらうことにしたジェニー。
美術に詳しく、知的で、会話術に長けているデイヴィッドに、
同級生にはない大人の魅力を感じ、ジェニーはたちまちイカレてしまいます。

紳士的な物腰で、ジェニーの両親の信頼をも得たデイヴィッドは、
ジェニーを音楽会やナイトクラブへと連れ出し、
これまでの人生にはなかったきらびやかな体験が次々と。
次第にジェニーは勉学に身が入らなくなるのですが……。

ピーター・サースガードに対する私の印象は、よく脱ぐ人。(^^;
『エスター』のときも脱いでいましたし、
『愛についてのキンゼイ・レポート』(2004)では
内容が内容ですから当たり前とも言えますが脱ぎまくり。
今回は、17歳の誕生日になったら……と決めているイタイケなジェニーを
優しいふりして「いてこます」みたいな感じで。

ちょっとトロ~ンとした目が色気を感じさせるのと同時に、
怪しい雰囲気を醸し出すのかもしれません。
実はこんな人でしたという展開や、本当は頼りない人なんですということが多くて、
あらら~と気の毒になってしまうこともしばしば。
でも、需要は衰えない役者さんだと思います。

「あの頃に戻っても、私は私を止めたりしない」。
このキャッチコピー、好きです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする