夜な夜なシネマ

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『県庁おもてなし課』

2013年05月28日 | 映画(か行)
『県庁おもてなし課』
監督:三宅喜重
出演:錦戸亮,堀北真希,関めぐみ,甲本雅裕,松尾諭,
   高良健吾,船越英一郎,相島一之,小日向文世他

109シネマズ箕面でハシゴの3本目。

『阪急電車 片道15分の奇跡』(2011)と同じ原作・脚本・監督の面々。
有川浩の著作はTV化や映画化に大人気。
とっても好きだった『三匹のおっさん』よりも、
自衛隊三部作『塩の街』、『空の中』、『海の底』ならばどういうふうに映像化されるのか、
見てみたい気がします。

高知県の観光促進のため、県庁に「おもてなし課」が設けられる。
新部署に配属された若手の掛水史貴はやる気満々。
課長の下元、先輩職員の近森らとともに、業務について考えるが、
何をどのように進めればいいのか、誰もいまいちピンと来ない。

そこで掛水は、高知県出身の著名人に観光特使になってもらえばどうかと提案する。
さっそく地元出身の人気作家、吉門喬介に電話をかけるとOKの返事。
出足順調、その後も次々と著名人の快諾を受けて意気揚々のおもてなし課。

ところが、吉門に電話してから32日が経過した日、
吉門のほうから掛水に電話がかかってくる。
「普通の企業であれば、最初の電話から32日も音沙汰なしだということは、
話そのものが流れたと理解する。そうではないのか。
そうでないならば途中経過の報告ぐらいはしてくるべき」だと。

「そんなことはありません」と慌てる掛水らに、吉門は言い放つ。
お宅らにもっとも欠けているのは“民間感覚”。
特使の話が生きているならば続行してもかまわないが、条件がある。
役所の職員ではない若い女性を一人採用すること。
それと、その昔パンダ誘致プランをかかげた男を雇い入れること。

パンダ誘致プランとはなんぞや。
資料室に行くと、そこには初対面のアルバイト女性、明神多紀がいた。
迅速的確に仕事をこなす多紀は、吉門のひとつめの条件にぴったり。
掛水は多紀をただちにスカウトする。

さて、パンダ誘致プランとは。
それは20年ほど前、高知県職員だった清遠和政なる男がぶち上げたプラン。
しかし誰も聞く耳を持たず、プランはなかったことのように扱われた。
その後、神戸市がパンダを誘致して大賑わい。
清遠こそが高知県を愛し、先見の明も持ち合わせた男だったわけだ。

掛水と多紀は清遠の娘さわが切り盛りしているらしい民宿を訪ねるが、
「いまさら県庁が何の用で」とさわから門前払いを喰わされてしまう。
それでも吉門の紹介であることを口にすると、
仕方なく父親に連絡を取ってくれる様子。

翌日、ふたたび出向いて話をすると、清遠は受けてもいいと言う。
それなりの報酬を求められたものの、
清遠が提出してきたプランはその報酬も至極当然のすばらしい内容。
なんとしてでも予算を確保しようと、下元は上司に掛け合いに行くのだが……。

これも前述の『L.A.ギャングストーリー』同様、非常に魅力的な出演陣。
空気が読めなくてしょっちゅうバカ呼ばわりされる錦戸亮くん、カワイイ。
堀北真希ちゃんは居住まいから何から何まで愛くるしい。
misonoとのキスシーンに引いた船越英一郎もこんな役なら問題なし。
ついつい憎まれ口を叩く高良健吾もいい感じ。
高知弁はまったく知りませんが、にゃーにゃー言うのが可愛らしくて。

最近、女優陣の演技に泣かされることは少なかったのですが、
これは2回、堀北真希と関めぐみにつられて泣きましたねぇ。

民間感覚が欠けていると言われて、だって役人だもんと開き直っていた職員が
だんだん仕事に熱意を見せはじめるのも楽しく。

役人だって仕事してぇ。

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