その1はこちら。
もうひとり、最近お気に入りになった女性作家が宮下奈都(みやしたなつ)。
たいてい、何かしらの理由で心に傷を負っている女子高生やOLが主人公。
まわりには優しい人がいて、毒々しい感じはいっさいありません。
前述の瀧羽麻子とよく似たイメージで、Amazonなどで検索したら、
まずまちがいなく「この商品を買った人はこんな商品も買っています」と出るでしょう。
最初に読んだのは『よろこびの歌』でした。
著名なヴァイオリニストを母親に持ち、声楽家を志す御木元玲は、
音大附属高校の受験にまさかの失敗、新設女子高の普通科へ。
挫折感を見せたくなくて、同級生とのつきあいを徹底的に避けますが、
彼女の名字から家系が知られるところとなり、
校内合唱コンクールの指揮を引き受けることになってしまいます。
同級生のレベルの低さに愕然とし、やる気のなさに憤る玲。
そんな玲に反感を持つ同級生もいて、合唱コンクールは悲惨な結果に。
けれども、ある場面で玲を励ますために同級生から自然とわきあがる歌声。
玲と同級生、それぞれの視点による7編で構成されています。
人と繋がることの大切さをテーマにしていますが、
ベタベタしていないところがとても良かったです。
いちばん最近読んだのは『太陽のパスタ、豆のスープ』。
こちらは結婚式直前に婚約者から別れを告げられた女性、明日羽(あすわ)が主人公。
立ち直れずにいる彼女に、変わり者の叔母ロッカさんが提案したのは、
“やりたいことリスト”の作成。
ロッカさんほか、幼なじみのでゲイの京、同僚の郁ちゃん、
それにお父さん、お母さん、フリーターのお兄ちゃんがみんなイイ。
傷ついて実家に戻った明日羽が、母親のものらしきイタリア語講座の本を見つけます。
イタリア語って、お母さん、笑わせる……と思いかけて、
ふと、母親が昼間に何をしているのか、何に興味を持っているのか、
ちゃんと話を聞いたこともなかったと気づきます。
なんと親不孝な娘だったのだと明日羽がひとりで考えるシーンにグッ。
無愛想ながら娘のことが心配でたまらないお父さんは、
「何か食べたいものはないか」と明日羽に聞き、
「アイスクリーム」とリクエストされると嬉しそう。
女子としては高いアイス1つが嬉しいのだけれども、
百円アイスを3つも買ってくるのがお父さん。
お母さんの「毎日のごはんがあなたを助ける」という台詞も良ければ、
妹にホットケーキを焼いてくれるお兄ちゃんも○。
この作家の著書に出てくるお料理はどれも美味しそう。
これまたどれも数時間で読めちゃいます。
大事な話、しかもよくない話をされるなら、食事の前と後、
どちらがいいかという話が興味深い。あなたならどっち?
もうひとり、最近お気に入りになった女性作家が宮下奈都(みやしたなつ)。
たいてい、何かしらの理由で心に傷を負っている女子高生やOLが主人公。
まわりには優しい人がいて、毒々しい感じはいっさいありません。
前述の瀧羽麻子とよく似たイメージで、Amazonなどで検索したら、
まずまちがいなく「この商品を買った人はこんな商品も買っています」と出るでしょう。
最初に読んだのは『よろこびの歌』でした。
著名なヴァイオリニストを母親に持ち、声楽家を志す御木元玲は、
音大附属高校の受験にまさかの失敗、新設女子高の普通科へ。
挫折感を見せたくなくて、同級生とのつきあいを徹底的に避けますが、
彼女の名字から家系が知られるところとなり、
校内合唱コンクールの指揮を引き受けることになってしまいます。
同級生のレベルの低さに愕然とし、やる気のなさに憤る玲。
そんな玲に反感を持つ同級生もいて、合唱コンクールは悲惨な結果に。
けれども、ある場面で玲を励ますために同級生から自然とわきあがる歌声。
玲と同級生、それぞれの視点による7編で構成されています。
人と繋がることの大切さをテーマにしていますが、
ベタベタしていないところがとても良かったです。
いちばん最近読んだのは『太陽のパスタ、豆のスープ』。
こちらは結婚式直前に婚約者から別れを告げられた女性、明日羽(あすわ)が主人公。
立ち直れずにいる彼女に、変わり者の叔母ロッカさんが提案したのは、
“やりたいことリスト”の作成。
ロッカさんほか、幼なじみのでゲイの京、同僚の郁ちゃん、
それにお父さん、お母さん、フリーターのお兄ちゃんがみんなイイ。
傷ついて実家に戻った明日羽が、母親のものらしきイタリア語講座の本を見つけます。
イタリア語って、お母さん、笑わせる……と思いかけて、
ふと、母親が昼間に何をしているのか、何に興味を持っているのか、
ちゃんと話を聞いたこともなかったと気づきます。
なんと親不孝な娘だったのだと明日羽がひとりで考えるシーンにグッ。
無愛想ながら娘のことが心配でたまらないお父さんは、
「何か食べたいものはないか」と明日羽に聞き、
「アイスクリーム」とリクエストされると嬉しそう。
女子としては高いアイス1つが嬉しいのだけれども、
百円アイスを3つも買ってくるのがお父さん。
お母さんの「毎日のごはんがあなたを助ける」という台詞も良ければ、
妹にホットケーキを焼いてくれるお兄ちゃんも○。
この作家の著書に出てくるお料理はどれも美味しそう。
これまたどれも数時間で読めちゃいます。
大事な話、しかもよくない話をされるなら、食事の前と後、
どちらがいいかという話が興味深い。あなたならどっち?