『リアリティー』(原題:Reality)
監督:マッテオ・ガローネ
出演:アニエッロ・アレーナ,ロレダーナ・シミオーリ,ナンド・パオーネ,クラウディア・ジェリーニ他
前述の『ロスト・メモリー』と同時期にレンタル開始となった、やはり「TSUTAYA独占レンタル作品」。
日本では未公開の2012年のイタリア/フランス作品です。
イタリア・ナポリの愉快な男ルチャーノは、妻と子ども3人の5人暮らし。
魚屋を営み、それだけでは家族を養っていけず、ちょっとした詐欺も。
けれども町の人気者、誰もが彼を見ると喜んで声をかける。
ホテル・ソンリーザでおこなわれたある結婚式。
余興に招かれたルチャーノは、ゲストのエンツォに上手く絡んで大ウケ。
エンツォはいわゆるリアリティ番組“ビッグブラザー”から生まれた国民的スター。
ルチャーノも実は“ビッグブラザー”に出演したいと切望している。
ある日の仕事中、出かけていた子どもたちから電話が入る。
現在ショッピングモールで“ビッグブラザー”のオーディションがおこなわれているらしい。
見ているとみんなショボい、パパなら合格確実、今すぐ会場に来るべきだと。
ルチャーノが駆けつけてみると、すでにオーディション会場撤収後。
そこでエンツォを見かけたルチャーノは、ホテル・ソンリーザで会ったことを無理やり思い出させ、
オーディションを受けさせてくれるよう、プロデューサーに口添えしてほしいと頼み込む。
エンツォの計らいで、なんとかオーディションにこぎつけたルチャーノ。
合格まちがいなしの感触を得て、家族や町中の人びとに報告。
TV局からの合格の電話を信じて待つのだが……。
待てども待てども電話はなし。
そのうちルチャーノは精神に異常を来してしまいます。
町で自分を見つめる人がいれば調査員だと勘違い。
善人かどうかを監視しているのだと思い込みます。
最初はルチャーノと夢を共有していた周囲の人びとも、やがて現実に引き戻され、
“ビッグブラザー”出演をただの夢として受け入れるようになります。
けれどもルチャーノだけはそうはいかない。
いつTVに拘束されても大丈夫なようにと魚屋を売り払い、
善人と思われたくて近所の人に家財道具一切合切を進呈。
誰の忠告にも耳を貸さなくなってしまうのです。
夢を見る話はいいものですが、これはブラックな色合いが強くて笑えません。
壊れていくルチャーノの笑顔が恐ろしく、哀れです。
町の人気者のままでいればよかったのに。
ちょっと面白いぐらいでは駄目なんだと、お笑い芸人の大変さを思うのでした。
監督:マッテオ・ガローネ
出演:アニエッロ・アレーナ,ロレダーナ・シミオーリ,ナンド・パオーネ,クラウディア・ジェリーニ他
前述の『ロスト・メモリー』と同時期にレンタル開始となった、やはり「TSUTAYA独占レンタル作品」。
日本では未公開の2012年のイタリア/フランス作品です。
イタリア・ナポリの愉快な男ルチャーノは、妻と子ども3人の5人暮らし。
魚屋を営み、それだけでは家族を養っていけず、ちょっとした詐欺も。
けれども町の人気者、誰もが彼を見ると喜んで声をかける。
ホテル・ソンリーザでおこなわれたある結婚式。
余興に招かれたルチャーノは、ゲストのエンツォに上手く絡んで大ウケ。
エンツォはいわゆるリアリティ番組“ビッグブラザー”から生まれた国民的スター。
ルチャーノも実は“ビッグブラザー”に出演したいと切望している。
ある日の仕事中、出かけていた子どもたちから電話が入る。
現在ショッピングモールで“ビッグブラザー”のオーディションがおこなわれているらしい。
見ているとみんなショボい、パパなら合格確実、今すぐ会場に来るべきだと。
ルチャーノが駆けつけてみると、すでにオーディション会場撤収後。
そこでエンツォを見かけたルチャーノは、ホテル・ソンリーザで会ったことを無理やり思い出させ、
オーディションを受けさせてくれるよう、プロデューサーに口添えしてほしいと頼み込む。
エンツォの計らいで、なんとかオーディションにこぎつけたルチャーノ。
合格まちがいなしの感触を得て、家族や町中の人びとに報告。
TV局からの合格の電話を信じて待つのだが……。
待てども待てども電話はなし。
そのうちルチャーノは精神に異常を来してしまいます。
町で自分を見つめる人がいれば調査員だと勘違い。
善人かどうかを監視しているのだと思い込みます。
最初はルチャーノと夢を共有していた周囲の人びとも、やがて現実に引き戻され、
“ビッグブラザー”出演をただの夢として受け入れるようになります。
けれどもルチャーノだけはそうはいかない。
いつTVに拘束されても大丈夫なようにと魚屋を売り払い、
善人と思われたくて近所の人に家財道具一切合切を進呈。
誰の忠告にも耳を貸さなくなってしまうのです。
夢を見る話はいいものですが、これはブラックな色合いが強くて笑えません。
壊れていくルチャーノの笑顔が恐ろしく、哀れです。
町の人気者のままでいればよかったのに。
ちょっと面白いぐらいでは駄目なんだと、お笑い芸人の大変さを思うのでした。