『夏の終り』
監督:熊切和嘉
出演:満島ひかり,綾野剛,小林薫,赤沼夢羅,安部聡子他
前述の『アップサイドダウン 重力の恋人』とハシゴ、同じくテアトル梅田にて。
原作は瀬戸内寂聴の自伝的ロングセラー小説。
読まず嫌いというのか、瀬戸内寂聴はなんだか苦手で、1冊も読んだことがありません。
本作も時間が合っただけなのですが、監督とキャストには興味あり。
客の9割が年輩の女性客、しかも数人連れでした。ファンは多そう。
妻子あるずいぶん年上の作家、小杉慎吾との愛人生活を送る相澤知子。
慎吾は本宅と知子宅とを行ったり来たり、それを妻は公認。
不倫ではあるが、穏やかな日々を過ごしているといえる。
ある日、木下涼太が知子の留守中に訪ねてきたと慎吾から聞く。
涼太は知子のかつての恋人で、そのなりゆきを慎吾も知っている。
同じ町に戻ってきているらしく、知子の心は少なからず揺れ動く。
風邪を引いて寝込んだ知子は、慎吾が本宅へ帰ってゆくのがおもしろくなく、
思わず涼太に連絡を取り、慎吾にも報告するが、慎吾に動じる様子はない。
以降、慎吾との生活を続けながらも、しばしば涼太に会いに行くようになるのだが……。
ほぼ女性客ばかりの中、私の斜め前に座っていた初老のおっちゃん。
エンドロールが始まった瞬間に、「どないしょうもない映画やな」とつぶやいて、
怒り気味に退出されたのが可笑しくて。おっちゃんの気持ちもちとわかる。(^^;
どちらも知子(満島ひかり)に骨抜きにされている状態で、
それがあらわな涼太(綾野剛)はまだしも、
知子の振る舞いにたいして興味がなさそうな慎吾(小林薫)に至ってはどないもこないも。
「一緒に死んでくれ」と言う慎吾に、「どうして奥さんに頼まないの」と笑う知子。
「そんなこと言えない。妻が可哀想すぎて」と言われたら、「は!?」。
寂しいときだけ押しかけてくる知子に涼太が「どうして俺とつきあうんだ」と言えば、
知子は「憐憫よ」と酷い言葉を返します。
けれども、その知子が「愛に習慣は勝つ」と言うところなど、
長く愛人生活を送る自分の強さを言いつつも、妻には勝てないとも言いたそうで、
なかなか複雑な想いが込められた作品ではあります。
いずれにせよ、私はやっぱり瀬戸内寂聴は苦手かも……と思いました。
熊切和嘉監督の「空」の切り取り方には相変わらず惚れますけれど。
監督:熊切和嘉
出演:満島ひかり,綾野剛,小林薫,赤沼夢羅,安部聡子他
前述の『アップサイドダウン 重力の恋人』とハシゴ、同じくテアトル梅田にて。
原作は瀬戸内寂聴の自伝的ロングセラー小説。
読まず嫌いというのか、瀬戸内寂聴はなんだか苦手で、1冊も読んだことがありません。
本作も時間が合っただけなのですが、監督とキャストには興味あり。
客の9割が年輩の女性客、しかも数人連れでした。ファンは多そう。
妻子あるずいぶん年上の作家、小杉慎吾との愛人生活を送る相澤知子。
慎吾は本宅と知子宅とを行ったり来たり、それを妻は公認。
不倫ではあるが、穏やかな日々を過ごしているといえる。
ある日、木下涼太が知子の留守中に訪ねてきたと慎吾から聞く。
涼太は知子のかつての恋人で、そのなりゆきを慎吾も知っている。
同じ町に戻ってきているらしく、知子の心は少なからず揺れ動く。
風邪を引いて寝込んだ知子は、慎吾が本宅へ帰ってゆくのがおもしろくなく、
思わず涼太に連絡を取り、慎吾にも報告するが、慎吾に動じる様子はない。
以降、慎吾との生活を続けながらも、しばしば涼太に会いに行くようになるのだが……。
ほぼ女性客ばかりの中、私の斜め前に座っていた初老のおっちゃん。
エンドロールが始まった瞬間に、「どないしょうもない映画やな」とつぶやいて、
怒り気味に退出されたのが可笑しくて。おっちゃんの気持ちもちとわかる。(^^;
どちらも知子(満島ひかり)に骨抜きにされている状態で、
それがあらわな涼太(綾野剛)はまだしも、
知子の振る舞いにたいして興味がなさそうな慎吾(小林薫)に至ってはどないもこないも。
「一緒に死んでくれ」と言う慎吾に、「どうして奥さんに頼まないの」と笑う知子。
「そんなこと言えない。妻が可哀想すぎて」と言われたら、「は!?」。
寂しいときだけ押しかけてくる知子に涼太が「どうして俺とつきあうんだ」と言えば、
知子は「憐憫よ」と酷い言葉を返します。
けれども、その知子が「愛に習慣は勝つ」と言うところなど、
長く愛人生活を送る自分の強さを言いつつも、妻には勝てないとも言いたそうで、
なかなか複雑な想いが込められた作品ではあります。
いずれにせよ、私はやっぱり瀬戸内寂聴は苦手かも……と思いました。
熊切和嘉監督の「空」の切り取り方には相変わらず惚れますけれど。