夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『マジック・イン・ムーンライト』

2015年04月17日 | 映画(ま行)
『マジック・イン・ムーンライト』(原題:Magic in the Moonlight)
監督:ウディ・アレン
出演:アイリーン・アトキンス,コリン・ファース,マーシャ・ゲイ・ハーデン,ハミッシュ・リンクレイター,
   サイモン・マクバーニー,エマ・ストーン,ジャッキー・ウィーヴァー他

前述の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』とハシゴ。
大阪ステーションシティシネマへ移動して。

ウディ・アレン監督らしからぬ正統派ロマンティックコメディとの触れ込み。ホンマかいな。

1928年、ベルリン。
中国人マジシャンを装い、華麗なイリュージョンを披露する男。
その正体は正真正銘のイギリス人、合理主義者で毒舌家のスタンリー。
偽りの姿で世界を股にかけ、大人気を博している。

そんな彼のもとへ、同業者のハワードが相談にやってくる。
大富豪カトリッジ家に近ごろ居座っている美人霊媒師がいる。
彼女の言うことがあまりにビシバシ当たるものだから、一家はすっかり彼女の虜。
御曹司のブライスは彼女にゾッコンで、プロポーズする気らしい。
霊能なんてイカサマに決まっていると思うのだが、
ハワードにはそのトリックを見破ることができない。
どうか一流マジシャンのスタンリーに彼女の真贋を見極めてほしいと。

興行に一区切りつけたスタンリーは婚約者と旅行する予定だったが、
ハワードの話を聞いたからには放っておけない。婚約者に詫びて旅行は延期に。
ハワードとともにカトリッジ家が滞在する南仏のコートダジュールへ。

評判の霊媒師ソフィは、スタンリーから見ればほんの小娘。
カトリッジ家の夫人グレースが亡夫の霊との対面を希望し、
ソフィはその望みを叶えるべく降霊会をおこなうとのこと。
イカサマを暴く気満々だったスタンリーだが、
いざ同席してみると、ソフィにまったく疑わしい動きはない。
これはホンモノの心霊現象なのではないかと感じるとともに、ソフィに心を奪われてゆき……。

同監督の『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)、『ブルージャスミン』(2013)、
この2本は本当によかった。
前者こそみんなを幸せな気持ちにさせるロマンティックコメディで、
後者は毒の利いた実におもしろい作品でした。

んが、本作は、なんちゅうのか、賦抜けています。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』では主人公の娘役、
本作ではソフィ役と、引く手あまたのエマ・ストーン、26歳。
スタンリー役のコリン・ファースといえば54歳。
30近くも年下の小娘に骨抜きにされて、何をへらへらしているんだか。
男性の願望が表されているのかもしれませんが、
それなりの年齢の女性との恋愛にしてほしかったような。
それじゃ普通だと言われればそれまでなのですけれども。

出演陣は魅力的。
いかにも悪だくみしていそうなソフィの母親にマーシャ・ゲイ・ハーデン
カトリッジ家の夫人にジャッキー・ウィーヴァー
スタンリーのおばさま役にアイリーン・アトキンス。
50代、60代、そして80代の女性陣ががんばっているのは頼もしい。
こうして年齢を調べてみたら、コリン・ファースのお相手として考えるならば、
マーシャ・ゲイ・ハーデンがちょうど同年代なんだもの。
同級生の娘にのぼせたオッサンのイメージしかなくなってしまったじゃないですか。

だけど。
恋はトリックのない魔法。

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