夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ぼくの名前はズッキーニ』

2020年05月09日 | 映画(は行)
『ぼくの名前はズッキーニ』(原題:Ma vie de Courgette)
監督:クロード・バラス
声の出演:ガスパール・シュラッター,シクスティーヌ・ミューラ,
     ポラン・ジャクー,ミシェル・ヴュイエルモーズ他
 
劇場で観逃した旧作をAmazonプライムビデオにて。プライム会員無料。
 
2016年のスイス/フランス作品。
非常に美しいストップモーションアニメです。しかし内容はかなりヘヴィー。
見た目に反して重い内容のアニメといえば『メアリー&マックス』(2008)を思い出す。
 
アル中の母親と暮らす9歳の少年イカール。
母親は彼のことを“ズッキーニ”と呼ぶ。
飲んでいないときは笑顔だって見せてくれる。
 
ある日、酒に酔った母親が転倒して死亡。
泥酔した母親を避けようとした自分のせいだとズッキーニは考える。
事故を担当した心優しき刑事レイモンは、
身寄りのいないズッキーニを孤児院“フォンテーヌ園”へと連れて行く。
 
だんまりを決め込んで話そうとしないズッキーニを
リーダー格のシモンがいじめるが、
大喧嘩を繰り広げたのちはお互い打ち解ける。
 
しばしば面会に来てくれるレイモンにも心を許しはじめたズッキーニ。
ほかの子どもたちとも仲良くなり、日々を楽しむようになった頃、
カミーユという少女が新たに園の仲間に加わって……。
 
子どもたちが園に預けられた理由はさまざま。
両親揃ってヤク中だったり、父親が浮気した母親を殺して自殺したり、
父親が強盗したり、母親が強制退去させられたり、性的虐待に遭っていたり。
それでも子どもたちはたくましく生きてゆく。
仲間との絆は強く、誰も見捨てたりしません。
 
引き取られて行く子どもがいれば、羨ましくて仕方がないけれど、
それが仲間のためだと考えて引き留めたりしない。
もうこのくだりは辛くて涙が出ます。
 
子どものことを何も考えていない身内もいれば、
親身になって考える他人だっている。
 
お薦めしたい作品です。ただ、子どもさんと観るにはこの内容なのでご注意を。

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