『ぼくの名前はズッキーニ』(原題:Ma vie de Courgette)
監督:クロード・バラス
声の出演:ガスパール・シュラッター,シクスティーヌ・ミューラ,
ポラン・ジャクー,ミシェル・ヴュイエルモーズ他
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2016年のスイス/フランス作品。
非常に美しいストップモーションアニメです。しかし内容はかなりヘヴィー。
見た目に反して重い内容のアニメといえば『メアリー&マックス』(2008)を思い出す。
アル中の母親と暮らす9歳の少年イカール。
母親は彼のことを“ズッキーニ”と呼ぶ。
飲んでいないときは笑顔だって見せてくれる。
ある日、酒に酔った母親が転倒して死亡。
泥酔した母親を避けようとした自分のせいだとズッキーニは考える。
事故を担当した心優しき刑事レイモンは、
身寄りのいないズッキーニを孤児院“フォンテーヌ園”へと連れて行く。
だんまりを決め込んで話そうとしないズッキーニを
リーダー格のシモンがいじめるが、
大喧嘩を繰り広げたのちはお互い打ち解ける。
しばしば面会に来てくれるレイモンにも心を許しはじめたズッキーニ。
ほかの子どもたちとも仲良くなり、日々を楽しむようになった頃、
カミーユという少女が新たに園の仲間に加わって……。
子どもたちが園に預けられた理由はさまざま。
両親揃ってヤク中だったり、父親が浮気した母親を殺して自殺したり、
それでも子どもたちはたくましく生きてゆく。
仲間との絆は強く、誰も見捨てたりしません。
引き取られて行く子どもがいれば、羨ましくて仕方がないけれど、
それが仲間のためだと考えて引き留めたりしない。
もうこのくだりは辛くて涙が出ます。
子どものことを何も考えていない身内もいれば、
親身になって考える他人だっている。
お薦めしたい作品です。ただ、子どもさんと観るにはこの内容なのでご注意を。