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『プロジェクト・サイレンス』

2025年03月11日 | 映画(は行)
『プロジェクト・サイレンス』(英題:Project Silence)
監督:キム・テゴン
出演:イ・ソンギュン,チュ・ジフン,キム・ヒウォン,ムン・ソングン,イェ・スジョン,
   キム・テウ,パク・ヒボン,パク・ジュヒョン,キム・スアン,ハ・ドグォン他
 
一刻も早く観たかったところ、封切り日だった金曜日はグッと我慢して、
翌日のファーストデーに109シネマズ箕面にて。
 
しばらく前からかかっていた予告編を観て、あれ?イ・ソンギュン?亡くなっちゃったよね?と思っていました。
『スリープ』(2023)が遺作だと勝手に思い込んでいたので、スクリーンでまた彼に会えるとは嬉しい驚き。
 
チャ・ジョンウォンは、大統領選挙で優勢とみられるチョン・ヒョンベクの補佐官を務めている。
妻を亡くして今は娘ギョンミンと2人暮らしだが、悲しみに暮れるギョンミンはすっかり反抗的になり、
高校卒業後はラッパーになる夢を叶えるべく留学すると言う。
 
旅立つギョンミンを空港まで送る夜、濃霧が立ち込める。
途中立ち寄ったガソリンスタンドで、店主になりすましたレッカー車の運転手(以降、レッカー)が売上金をくすねようとしていることに気づき、
ジョンウォンは空港からの帰りに金を払うとレッカーに言い残して発車。
戻ってきた店主にこっぴどく叱られたレッカーは、金を取り返してくると言って自分のレッカー車でジョンウォンを追う。
 
空港へ通じる大橋では、濃霧のなか爆走する様子をライブ配信する無茶なYouTuberが事故を起こす。
そこに次々と車が突っ込み爆発するなどして、もはや身動きの取れない状態に。
ジョンウォンがヒョンベクに連絡を取ろうとするも、携帯電話が繋がらなくなる。
 
どこかから妨害電波が発せられていると気づいたジョンウォンが辺りを見回し、軍人と研究者のヤン博士を発見。
どうやら軍の極秘プロジェクトでつくられた実験体“エコー”が移送中の車両から逃げ出したらしい。
 
救助隊はエコーに襲われて全滅、ヘリコプターも墜落、大橋は崩壊寸前。
ジョンウォンは生存者たちを集め、なんとかここから脱出しようとするのだが……。
 
エコーは獰猛な犬の集団なのですが、これがちょっとCGくさいのは難点。
それを差し引いても面白い。
 
当面の生存者はジョンウォンとギョンミン父娘なのはもちろんのこと。
ジョンウォンを追ってきたレッカー(チュ・ジフン)は見るからに軽くて、倒れている人の財布を盗もうとするような奴。
それでも根は優しいから、悪態つきながらもほかの人を見捨てたりしない。
プロゴルファーのユラ(パク・ジュヒョン)はその付き人である姉のミラン(パク・ヒボン)がパスポートの更新を忘れたせいで、
試合に臨むことなく帰宅する途中にこれに巻き込まれました。
でも実は……という話があって、ユラがゴルフの腕を駆使するシーンが痛快。
 
ネタバレですが、もともとエコーはヤン博士が「人の声を聞き分ける救助犬」として開発したクローン犬。
それを軍が戦闘に使う狩猟犬にするように強いたんですね。
俺は悪くないと主張するヤン博士がどうしようもなく駄目駄目で、笑っちゃうほどでした。
 
クローン犬の母親である“エコー9”には泣かされます。
クローンであろうとどうであろうと自分の子ども。それを守るために人間に襲いかかっていたのですから。
 
緊迫感に溢れ、笑えるやりとりも多数。ちょっと切なかったりもして最高。
48歳で自ら命を絶ってしまったイ・ソンギュン。まだまだ彼の演技を見たかった。本当に残念です。

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