『ビューティフル・チャンス 優しい3つの奇跡』(原題:Three Doors from Paradise)
監督:ジョー・ロビアンコ
出演:ロバート・アロイ,カイリー・シルヴァースタイン,エリカ・ブーザー,
デブラ・トスカーノ,ジョン・アナンチュア,ステイシー・ケスラー他
2018年のアメリカ作品。
これもAmazonプライムビデオ見放題作品のうちのひとつ。
日本で劇場未公開であっても、ネットでなんなと情報は拾えるものですが、
これはほぼ無し。原題を調べるのに少しだけ苦労しました。
低予算のインディペンデント系作品らしく、初めて聞く監督。
俳優も知っている人ゼロで、ときどき台詞に拙さを感じる役者もいる。
なのによくこれに字幕を付けて配信したもんだなぁと思うと同時に、
そのことに感謝します。とても温かい気持ちになれる作品です。
自閉症の青年ブランドンは施設で暮らしているが、
その施設が経営難に陥り、所長のステファニーと職員のジェリーは、
入居者たちを受け入れてくれる転居先探しに奮闘。
ぽつりぽつりと転居先が決まって行くなか、
ブランドンの場合はひとりで生活できるという判断が下り、
不安を抱えたままアパートで暮らしはじめる。
ブランドンは兵隊のミニチュア模型を並べることとジグソーパズルに没頭し、
食事もシリアルを食べるだけ。
隣部屋で母親と暮らす少女ローズが声をかけてくるが、返事もできない。
外に出ることもなく過ごしていたところ、
隣の隣の部屋の女性タミーリンが、壊れたドアノブを修理してほしいと言ってくる。
修理を済ませたブランドンにお礼の食事を届けたタミーリンは、
彼がジグソーパズル好きだと知って、近所のおもちゃ屋のことを教える。
さっそくおもちゃ屋を訪れたブランドンだったが、
お金の計算ができなくてパニック状態に。
たまたまそこを通りかかったローズが彼を落ち着かせ、支払いを手伝い……。
客を取っている時間は娘を追い出すような母親に育てられていても、
ローズは本当に優しくてめちゃくちゃいい子。
そしてタミーリンも、恋人が人でなしだなんて不思議すぎる女性。
美人で優しくて、温かい心の持ち主です。
ブランドンがいた施設の所長のセンスがド派手すぎてワラけるのですが、
彼女のキャラもとても良い。
面倒見もよくて、入居者の幸せを心から願っているのがわかります。
不条理に虐げられてきた3人が立ち向かうとき。
オープニングで何があったかと思わせて、
エンディングでこういう話だったかと納得できる持って行き方も好き。
低予算であることはわかりすぎるほどわかる作品ですが、
ちょっとした拾い物だと思います。
優しい奇跡が起こるっていいなぁ。