夜な夜なシネマ

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『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』

2020年10月23日 | 映画(は行)
『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』(英題:Bring Me Home)
監督:キム・スンウ
出演:イ・ヨンエ,ユ・ジェミョン,パク・ヘジュン,イ・ウォングン,
   キム・イーキョン,パク・キョンヘ他
 
日曜日の朝、シネ・リーブル梅田にて、絶対暗いにちがいない韓国作品を。
 
主演のイ・ヨンエは『親切なクムジャさん』(2005)以来、14年ぶりのスクリーン復帰。
復帰作にもこんなヘヴィーな作品を選ぶのですね。(^^;
 
ソウルの病院で看護師として働くジョンヨンは、
6年前に当時7歳だった息子ユンスと出かけたさいにはぐれ、
以来、行方不明のままのユンスを捜しつづけている。
 
教師だった夫は仕事を辞め、車であちこち捜し回る日々だったが、
ある日、いたずら心から送られてきた偽のユンス目撃情報を受け、
それを信じた夫は駆けつける途中に事故に遭って死んでしまう。
 
心の支えを何もかも失ったジョンヨンは死ぬことすら考えるが、
懸賞金を目当てに寄せられた匿名の情報には信憑性があり、
ユンスがいるらしい場所に向かう。
 
そこは海釣り場として金を取って営業されている場所。
ユンスの写真を持参して経営者家族や地元の警官に話を聞くが、
誰もユンスを見たことがないと言い張り……。
 
この悪夢が一刻も早く終わりますようにと思いながら観ていました。
なかなか終わってくれません。
 
最初のいたずらも酷いし、夫まで失って抜け殻のようになったジョンヨンに、
金と引き換えに情報を提供する匿名の人物はなんと親族。
ジョンヨンの息子は行方不明なんだし、夫も死んだんだから、
自分たちの子どもの教育費に頂いてしまおうという魂胆。
しかし金をくれとか貸せとか直接は言いづらいから、
知り得た情報をジョンヨンに教える代わりに金を出せと言うのです。
 
地元の警官がまた最悪。
釣り場でこき使われている少年がユンスだと知りながら、
ジョンヨンには嘘をつく。
こんな警官、死んでしまえと心の底から願ってしまった。
 
日本ではどれくらいの数の子どもたちが行方不明になっているのでしょう。
韓国ではさらわれた子どもたちがこんなふうに働かされ、
発見されたとしても精神病院に送られたりするという事実に驚愕。
精神的に病んでなどいない、自分の名前を言える子であったとしても、
病院はその子を患者として置いておくだけで金が入るから、
身元を確かめて報告することはしないそうです。
 
ハッピーエンドではありません。観るには覚悟が必要。

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