『ハルムスの幻想』(原題:The Harms Case)
監督:スロボダン・D・ペシチ
出演:フラノ・ラシチ,ミリツァ・トミチ,ダミヤナ・ルトハル,ブランコ・セベジク他
1988年のユーゴスラヴィア作品。
シネ・ヌーヴォの“奇想天外映画祭 アンダーグラウンドコレクション”にて上映中。
3本ハシゴの2本目だった前述の『狼をさがして』で睡魔に襲われてしまったのですが、
これはそれとは違う意味でまったくわからない作品だったゆえ、
またまた夢の中に引きずり込まれそうになりました。
内容も夢か現かわからなくなる物語でしたから、これでよかったのでしょうか。
そもそもハルムスを知らないのです。
後から調べてみたら、ダニイル・ハルムスはソ連初期のシュルレアリスト、不条理詩人。
ほらもう、その説明からしてわからんでしょ(笑)。
1905年生まれで、1942年に亡くなっています。
本作で舞台となっているのは1938年。夏の2日間という設定らしい。
この年、当局の尋問を受けていたハルムスが久しぶりにアパートに帰ってくる。
彼は反ソヴィエト活動をした芸術家として追放されたため、
今も当局にマークされていて創作活動もできずにいる。
すると突然、部屋の窓を突き破って天使が彼の部屋に飛び込んできて……。
すごくお客さんが入っていましたから、人気作家なのでしょうね、ハルムスって。
睡魔に襲われていたのが私だけなのだとしたら、皆むっちゃ賢いやん。
アパートの押し付けがましい管理人のおばちゃん役は男優ですよね?
美しい天使は男性ということになっていますが、女優ですよね?
男か女かわからん時点でもう私の頭の中はハチャメチャでついて行けず。
天使も実は当局の人でしたみたいなオチで、
最後は鉤に吊られたハルムスその他大勢が天使のように宙に浮かんでいるし、
確かにシュールだけど、何ひとつ理解できなかった私です。
ハルムスが児童文学も手がけていると知ったので、それは読んでみたいと思います。
たぶん普通の児童文学ではないでしょうけれど(笑)。
こういう映画を観る機会に恵まれるのも、緊急事態宣言発令下ならでは。